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「保険料を半分する」と豪語して話題となっているライフネット生命。
これまで加入していた生命保険に対して「保険料を半分する」ということなのか、他社と比べてのことなのか曖昧ではありますが、確かに主力となる「かぞくへの保険」というペットネームの10年更新の箱型定期保険については、大手国内生保における同商品の半分くらいの保険料になっているようです。
その理由として「ネット販売のみで販売担当の人件費をかけていないので、その分保険料を安くできる」とのこと。
ここでは「人件費」と表現していますが、つまりは人的なつながり(義理、人情)やそれにともなう付け届け(プレゼント)を含めた費用全体を指すようです。
※いわゆる義理(G)、人情(N)、プレゼント(P)、GNP営業というやつです。
本当に保険料は安くなっているのか、その真偽はさておいて、価格設定や販売ターゲットなどについてライフネット生命とニッセイは対極をなしています。
同じ生命保険を販売する両社ですが、販売手法や価格設定、コアターゲットが異なるため、昔からの古い体質のニッセイと最先端のネット社会ならではのラフネット生命、という位置づけが確立されているように見えます。
保険業界の外側にいらっしゃる経済評論家やエコノミストの方々から見れば、100年の歴史があるリーディングカンパニーである老舗と、まだ登場して数年で販売シェアは0.01%であるベンチャー企業の販売戦略における大きな違いを取り上げ、「人件費を多くかけて高い保険料で売るニッセイ」VS「人件費をかけないで安い保険料で売るライフネット生命」という構図になり、あたかもライフネット生命が最先端であるように論じられています。
しかし現実的に、本質的に生命保険の販売の現場では、保険業界の外側にいらっしゃる経済評論家やエコノミストの方々の評価などどうでもいいのです。
お客様のことを考えて、まともに生命保険販売に従事していれば、ニッセイもライフネット生命両方とも提案することはありません(極々一部例外はありますが)。
両社に共通する第一点は、根本的に商品の競争力が極めて乏しいことです。
ニッセイにつていは、大手国内生保に共通しますが、死亡も医療もがんも三大疾病も介護も強引にパッケージして分かりづらく使い勝手が悪いものを、高い保険料設定で販売しているのは周知の通りです。
ライフネット生命においては、大手国内生保に比べれば分かりやすく保険料設定が安いわけですが、「まとも」な外資系やカタカナ系、損保系と比較すると商品力、価格設定力など見劣りします。
そしてもうひとつ共通しているのが「思考停止機能」です。
片や「ネットだから人件費がかからずに保険料が半分」と喧伝し、さらに自動車保険がネットで安くなることに便乗して「生命保険もネットなら最安値」と何とか.comみたいなイメージで消費者を思考停止状態にしています。
またもう一方は、絶大なる知名度と規模や歴史をかさに、販売する商品も高品質であるかのようなイメージを作り上げ、「リーディングカンパニーだから間違いない」と、同じように消費者を思考停止に追いやっています。
つまり、両社とも「どうしようもないけど自社利益が高い商品」を「老舗であり知名度抜群」「ネット専業だから最先端」という自社の強みを強調することで消費者を思考停止状態にして販売する共通点があるのです。
消費者の行動パターンの例を挙げるとこうなります。
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新社会人になった20代の独身男性が、会社に訪問したニッセイのお姉さまから勧められるままに典型的な「10年更新の死亡保障3000万円、入院日額5千円、三大疾病300万円、介護状態になったら毎年120万円だけど60歳まで」とギャグとしか思えない生命保険に加入してしまう。
※突っ込みどころ
1、独身なのに3000万円の死亡保障がいるのか
2、入院や介護の保障が60歳で終わるのって意味なくね
数年後結婚して子供が生まれてた際に「更新で保険料が上がるから見直しませんか」とニッセイの別のお姉さまから誘惑されて、やっとこさこれまでの保険が合理的でなかったことに何となく気付く。
そんなおり、「子育てを応援するため保険料を半分にしました」とライフネット生命の宣伝文句にほだされて、サイトで見積りを取ってみると、なるほど、これまでと同じ保障なら保険料は半分ぐらいにはなる。
「自動車保険と同じで、ネットならかなり生命保険の保険料も安くなるんだ」と納得してライフネット加入ボタンをクリック。
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よくあるお話しですよね。
お気付きかと思いますが、ニッセイにしろライフネット生命にしろ加入した際に「思考停止状態」であることが共通しています。
新社会人のときに勧められるまま加入したのは、まあ仕方ないとしても、子供が生まれて見直しのきっかけがあったのにライフネット生命に行ってしまったのは致命的です。
(ニッセイを続けるのも致命的なのですが)
とはいえ、このようなパターンに陥ってしまうことに消費者に責任のすべてあるわけではありません。
我国の教育課程において保険について教えてくれる機会はほとんどなく、企業側の異様に強みだけを強調する販売促進に乗せられてしまうのは致し方ないことであります。
それをいいことに、ニッセイにしろ、ライフネット生命にしろ、どちらも消費者の「思考停止状態」を促進して、そこにつけこんで販売します。
そしてどちらも好ましい状態でなく、我国で加入できるもっと合理的なものに加入する機会を明らかに損失していると断言できます。
それこそ何十年と長きに渡り、生命や財産、そして病気やケガを担保する生命保険において思考停止状態で加入して言いわけないのは当然でしょう。
長い人生において、たった2時間から3時間きちんと生命保険について真剣に考える時間をつくるだけで、この問題は解決します。
もちろん相談相手はニッセイのお姉さまでも、保険会社の社長様でもありませんが。