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フォントのモリサワが電子書籍で一歩リード
»2010年9月 6日
PAGES TO THE PEOPLE
フォントのモリサワが電子書籍で一歩リード
KDDIウェブコミュニケーションズにて、中小事業者向けサービスの事業責任者。2007年よりレンタルサーバーCPIの事業本部長、2009年3月ドイツのCMS Jimdoの日本独占販売権を取得し、事業責任者に就任。2011年9月、Google、KDDIと共にみんなのビジネスオンラインを立ち上げる。2013年4月、取締役副社長就任。
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デザイナーの世界でAdobeと並んで圧倒的な知名度を誇る会社、モリサワ。
この会社の存在を知らない人でも、大抵の出版物や印刷物の文字はモリサワのフォントが使われています。
モリサワ = フォント、フォント = モリサワというぐらいな老舗企業なのですが、その会社が電子書籍の分野に一石を投じて話題になりました。
なんで文字屋のモリサワが電子書籍を?と誰もが思ったはず。
かく言う私も何故に?と思った一人です。
そのモリサワの電子書籍プラットフォーム【MCBook】、かなり感動したのでご紹介します。
今やiPhoneやiPadユーザーには馴染みのある電子書籍。マガストア、ビューンなど、いろいろありますよね。
私も一通り試したのですが、どうもコンテンツ不足や表示スピードの遅さ、PDFをただ電子書籍に見立てただけのアプローチが不満でした。
そこでモリサワです。
モリサワは前述したとおり、フォントの会社です
よって、コンテンツは潔く、小説などの文字系だけに特化しています。
小説は文字情報なので当然のことなのですが、起動が早い!!!
且つ、プリセットされたモリサワフォントなので、見やすい!これは感動しました。
本当に小説を読んでいるような感覚になります。
現在は文藝春秋とPHP研究所から発刊されたいくつかの書籍のみのようなので、今後の発刊書籍の充実が待ち遠しいですが、今あるコンテンツだけでも結構素敵な品揃えです。
電子書籍小説 = 著作権切れの古い書籍が並んでるイメージがありましたが、「蝉しぐれ」や「武士道シックスティーン」、「アキハバラ@DEEP」などなど、売れ筋が並べられています。
すばらしい。よくやった文藝春秋!って感じです。
さらに、綿矢りさの「勝手にふるえてろ」には動画まで入ってました。
ただし!!モリサワのMCBookを使う上で注意しないといけない点があります。
特に、マガストア、ビューンに慣れているいる人はお気をつけください。
Appストアでモリサワと検索すると、My本棚というアプリが出てきます。
それをダウンロードすると、途端に混乱に陥ることになります。
このMy本棚というアプリは、その名の通りただの本棚です。
ビューンやマガストアのように、そこから本を検索して買ったりするために作られたアプリではありません。
よって、基本的にはそのMy本棚から本を検索したり、購入したり、といった行動をするための構造にはなっていません。
買った本をストックする本棚です。
では、どこから本をダウンロードするの?
と言えば、各々の本をAppストアから買ってくることになります。
そのダウンロードした本一冊一冊に、ViewerとなるモリサワのアプリケーションMCBookが同居している感じです。
これはわかりにくい。是非モリサワさんには改善をお願いしたいところです。
ただし、My本棚からも本を探すことは一応可能なので(かなりわかり辛いですが)、My本棚から探すのもいいかもしれません。
My本棚の既刊案内を押すと、真っ白の画面が出て戸惑います。。
画面右上の青い本のマークを押すと
こんな感じで出版社の名前が羅列されます。
ただし!ここもトリッキーで、今日時点では文藝春秋とPHP研究所のみ電子書籍がある状態なのでお気をつけ下さい。
まだまだ改善点は多々ありますが、小説を読む人には非常に良いプラットフォームだと思います。
モリサワのきれいなフォントで読めるのは何よりも心地よい。
今後も頑張って本が増えることを期待しています。