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機会はお金で買えない。
教育に生きる人間から、社会を創る皆さんへ
機会はお金で買えない。
(株)Z会勤務。Z会東大個別指導教室プレアデス代表。Web広告宣伝・広報・マーケティングなどを担当した後、理科課課長を経て現職。(※本ブログ記事は一個人の見解です)
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さあ、ワールドカップですよ、ワールドカップ♪
実は、1998年、フランスワールドカップ、初戦のアルゼンチン戦を見に行っているんですよ、僕。
正真正銘、日本が初めて、ワールドカップで戦った、その試合を。
ただ、「見に行った」だけで、実際に見られたわけではなく...
そう、あの大騒動、チケット問題(←ウィキペディアにリンクします)に巻き込まれたんですね。。。
1998年の時点で、僕はサッカー、ほとんど興味がありませんでした。
「ヒデって誰?」そんな感じ。いやほんとに...。
そんな僕に、何の因果か、友人のI氏から電話がかかってきました。
「寺西、ワールドカップ、付き合ってくれない?」
「俺、サッカー、わからーん」
「いいじゃんいいじゃん、面白そうでしょ」
「いくら?」
「33万円」
「高っ!」
当時は社会人2年目でした。若いうちのお金は使って学ぶんだ~と偉そうなことを思っていたので、貯金はほとんどありません。
でも、なかなか、若い時に、平日を休める会社はありません(勤務先のZ会はその辺、融通が割ときくんです)ので、友人も粘ります。
「貯金ないし、そんなことでもしないとフランスなんて行くわけないから、逆にネタとして面白いかな。」
ネタ話が人一倍、というか、極端に好きな僕。
サッカーわからない、33万円の貯金もない、フランスというオシャレな土地柄には全く似あわない...
その三拍子が逆に「わかったわかった、いいよ。」と首を縦に振る自分を作ってしまい、行くことに決定。
33万円、なんと、別の友人の結婚式・披露宴式費用から借り、6月のボーナス後に返却という約束。あはははは。。。
お金を払い込んだのは初戦の2週間前。そしてその1週間後、つまり初戦の1週間前、チケット騒動発生。
僕は「なになに?僕は巻き込まれたの???」と、なんかジブンゴトじゃないように。
ニュースになった日の午前中、友人から電話が。
「寺西、チケット、うちらもないって...。」
「で?」
「行かないなら全額返金+お詫び金5万円、行くならフランス旅行として23万円で、チケットがとれたら33万円、という条件だって...」
「うわー、33万円払い込んで1週間で5万も増える方がいいなー。めっちゃ高利息商品!」(←のんきな僕ww)
「...」
「で、どうするの?行きたいの?行かなくていいんじゃない?」
「...行きたい!」
「えー」
...そんなやりとりの後、どうなったかは想像がつくでしょう、そう、ネタ好きの僕は、ネタを選ぶんですね。
「うわーチケット騒動の渦中の人やん俺!」ヒデも知らないのんきな僕。
結果、チケットは手に入らず、23万円でのトゥルーズ→パリ→ロンドン旅行になったんですが...
こんな経験しないと、
そのとき初めて知った「ヒデ」の10番なんてユニホーム買わなかったし(今でもあります)
長距離飛行機内のワインがおいしいことを知らなかったし
トゥルーズがパリとは遠く離れたスペインの近くなんて知らなかったし
会場で安藤優子キャスターとぶつからなかったし
陽気な外国人サポーターと握手いっぱいできなかったし
ルーブル美術館見ることなんてなかっただろうし
フランス料理は僕にはあわないことを知らなかっただろうし
その後新婚旅行で行ったイタリア料理との違いがわからなかっただろうし
レストランで長野智子キャスターのキレイさを感じることはなかっただろうし
FIFAの人と偶然会って「お詫びに」とFIFAのバッジ!?もらうことはなかっただろうし
ロンドンも半日で飽きてしまう飽きっぽい僕にもほどがあること気づかなかっただろうし
...
全部が全部、「こういうことがないと」経験しないことなんですよね。
僕が積極的に選んで行った旅行じゃない、だからこそ、普段ではぜーーーったいに経験しないことをたくさん経験できました。
きっと、選んで行く旅行よりも、自分の人間味(とでもいいますかね)がちょっぴり多めに増えたんじゃないですかね。
プライベートでも、仕事でも、「機会」を何よりも大切にし、フルに活かそうとする僕。
きっと、こういう経験の積み重ねが、そんな僕を作っているんでしょうね。
今回のワールドカップ、どんな結果になろうとも、一人ひとりにストーリを生み出してくれるでしょう。
楽しみましょう!
※本ブログはZ会ブログ「和顔愛語 先意承問」2014年6月11日の内容を一部修正し掲載しています。