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キーワードは「働く場の環境整備」 ~ 『月刊総務』全国総務部門アンケート ~

キーワードは「働く場の環境整備」 ~ 『月刊総務』全国総務部門アンケート ~

『月刊総務』編集長 豊田健一

日本で唯一の総務向け専門誌『月刊総務』の編集長。社内コミュニケーションの研究機関、ナナ総合コミュニケーション研究所の主任研究員。総務経験と社内広報コンサル実績、膨大なネットワークを駆使して、スタッフ業務のコンサルに飛び回る。

当ブログ「「スペシャリストからプロフェッショナルへ」総務&広報のプロが語る、スタッフ業務の真髄」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/toyoda2/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


「業務の明確化・効率化」が第一位

昨年11月に実施した全国総務部門アンケート(『月刊総務』20135月号で結果を発表)。総務部門の管理職を中心に多くの回答コメントが寄せられました。「総務部門の抱える課題」について見てみましょう。優先度の高い順に3つだけ選択して答えてもらいました。

第一優先課題 

業務の明確化・効率化

39.6%

無駄・コスト削減

15.7%

社員研修・教育

9.6%

 

第二優先課題

社員研修・教育

17.3%

無駄・コスト削減

17.3%

業務の明確化・効率化

13.2%

 

第三優先課題

無駄・コスト削減

14.2%

防災への対応

8.1%

業務の明確化・効率化

7.6%

 

総務部門の抱える第一優先課題は、「業務の明確化・効率化」が断トツの第一位という結果でした。どこにも属さない仕事を対応していたり、社内のよろず相談窓口となっていたり、さらに、総務部門の個々人の仕事が属人化していたりと、なにをやっているか分からない総務部門を、自らなんとかしていきたいと思っている結果の表れでしょう。

 

総務の業務は「社員のため」

実際、多くの総務部の方が迷っているのではないでしょうか?

「どのように会社に貢献したらいいのか」

「何を目標に仕事をしていけばいいのか」

「総務部をどのように捉えればいいのか」

総務部の仕事は、何か一つの目標を達成すれば良い、といった単純なものではありません。また、それぞれの企業で、その進め方も大きく異なっています。

総務部の仕事は、個々の場面では感謝、評価されたとしても、総務部全体としては、なかなか評価されないことも事実です。何をしているのか、何を目指しているのか見えにくい部門でもあるからです。なぜなら、日々の問い合わせや対応に流され、なかなか主体的に業務を進めることができないからです。

 個々の業務には、それぞれの達成目標やプロセスが異なりますが、誰に向かって仕事をしているかと言うと、多くの場合、「社員のため」の業務であることは間違いないかと思います。対外的な折衝であっても、巡り巡って社員のためになるのです。

 

五感を意識した、働く場の環境整備

「今後の総務部門の役割は?」との設問に対しての回答コメントとして最も多かったのは、「働く場の環境整備」というものでした。社員が安心して、安全に働くことのできる環境整備。社員が本業に専念できる環境整備。もっと効率的に、そして生産性の上がる環境整備。まさしく「社員のための」業務です。

生産性の向上という側面で考えてみると、社員がストレス無く、仕事に集中できる環境を整えることが大切となります。具体的には、業務に集中できるレイアウト、ワークステーションの構築からはじまり、適度な室温や湿度、目に優しい光度、業務に支障のない音量のBGM、癒される香等々、人間の五感を意識し、五感に対して快い状態を作ることでしょう。

特段、大げさに演出する必要はありません。さりげなく施し、でもなんとはなしに集中力が高まり、生産性が向上する。そんな素敵なオフィスの創造が「働く場の環境整備」となるのではないでしょうか?