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自分棚卸のススメ ~ 自立を求められる時代の生き方 ~

自分棚卸のススメ ~ 自立を求められる時代の生き方 ~

『月刊総務』編集長 豊田健一

日本で唯一の総務向け専門誌『月刊総務』の編集長。社内コミュニケーションの研究機関、ナナ総合コミュニケーション研究所の主任研究員。総務経験と社内広報コンサル実績、膨大なネットワークを駆使して、スタッフ業務のコンサルに飛び回る。

当ブログ「「スペシャリストからプロフェッショナルへ」総務&広報のプロが語る、スタッフ業務の真髄」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/toyoda2/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


「今まで、これといったことをしていないし」

「ずっと営業。それも普通にしてきただけだよ」

「強み? とくにないと思うけど」

 

同年代の方とお話ししていて、多くの方の反応がこれに近いものです。

「本当に、なにも無いの?」

 

大学を出て20数年、一生懸命仕事してきたでしょ?

何も無いわけないですよ!

 

自らの職歴、実績の棚卸をしていない方が多いと思う。

改めて、自分の歴史を振り返ってみる。

これなら自信あるというものを見つけてみる。

 

往々にして、自分では普通と思っていることが、

他人にとっては素晴らしいものである場合が多いのです。

特に、その分野を知らない方にとっては、それは素晴らしい実績となります。

 

『月刊総務』4月号、「これからの時代の総務部の在り方」で取材させていただいた

アウトソーシングの専門家、慶応大学の花田教授によると、

今後は、第四次アウトソーシングの世界となるとのこと。

つまり、個人、あるいは小規模の専門家の集まりが、一つのプロジェクトに集まり、

それを組織が活用していく、そんなアウトソーシングの活用の仕方が主流となる。

 

ここで大事なのは、それぞれの専門家が、

それぞれの足りない部分を補完しながらひとつの世界をつくっていくことです。

 

先の自分の棚卸ができていれば、

その棚卸の結果見えた実績を持っていないグループに所属すれば、

自らの立ち位置が確保でき、自らの経験が活かせる。

 

つまり、同じような経験を持っている方と比較するのではなく、

それを全く持っていない方へアピールしていく、そんな売り込み方ができると素晴らしい世界が待っているかと思います。

 

あとは、いかに外との接点を作っていくかが問題となります。

人脈の作り方が問題となります。

 

良く、「なんでもできますよ!」という方がいますが、

なんでもできるは、なんにもこれといって強くない、と同義語です。

なにか一つ、これは、というものに惹かれて人は寄ってきます

 

私の場合は、

「社内広報メディアの活用は任せてください」

「でも、社外広報になったら、あなたに任せます」

「社内報はできますが、会社案内は任せます」

 

できる、できないを明確にして、できることのみで、

それに近しい分野の専門家と結び付いていきます。

そして、じわじわとなんでも対応できるグループを作っていくのです。

 

しかし、全ては自分棚卸から始まります。

自分目線で自らを振り返るのではなく、

他人にはどのように見えるか、どのように捉えられるか。

 

企業内に所属していても、いきなり自立を求められる昨今。

その時が来る前に、お早めに、棚卸をしてみませんか?