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私の50個の仕事を考える
仕事と生活と私――ITエンジニアの人生
私の50個の仕事を考える
グローバル ナレッジ ネットワーク株式会社で、Windows ServerなどのIT技術者向けトレーニングを担当。Windows Serverのすべてのバージョンを経験。趣味は写真(猫とライブ)。
当ブログ「仕事と生活と私――ITエンジニアの人生」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/yokoyamat/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
前回は「僕たちは就職しなくてもいいのかもしれない」という書籍を紹介した。そこには、「将来のリスクを考えて50個の仕事をやれ」という意味のことが書いてあった。
今月のお題は「あなたの仕事、聞かせてください」ということもあり、今回は私の仕事を考えてみた。なお、「仕事」といっても単なる「お手伝い」を含むし、金銭的な利益が全くないものでも構わないという。もしかしたら、今は収入が得られなくても、将来は変わるかもしれないからだ。
ではスタート。
- 研修講師・テキスト作成(Windows Server)
- 研修講師・テキスト作成(C++、Lisp、Prologなどのプログラミング言語)
- IT研修企画
- IT記事執筆
- AWS仮想マシン作成サポート
- Microsoft Azure仮想マシン作成サポート
- Windows Serverのインストールと構成
- Windowsクライアントの操作サポート
- Microsoft Officeの操作サポート
- PC設置
- インターネット接続サポート
- ブログ開設
- DNSドメイン取得
- Windows Live Writerの操作サポート
- Wikipedia記事編集
- 書評執筆
- 読書相談
- コラム執筆
- 写真撮影(ネコ)
- 写真撮影(ライブ)
- 写真撮影(ポートレート)
- 写真セレクト
- 写真調整(露出調整やトリミングなど)
- アマチュア無線局開設サポート(第2級アマチュア無線技士)
- はんだ付け
- AV機器設置
- 編み物(セーター)
- 料理
- 道案内(京都市内、新宿など一部都心)
- 話し相手
相当細かく分類したが、それでも30で尽きた。しかし、実際にはもっと気付いていない「お手伝い」があるはずだから、50という数字はそれほど非現実的でもないだろう。そこから、収入が全く得られないもの、どうしても嫌なものを除いていくと、将来の仕事候補が出来上がる。
私の場合、本業として現金収入を得ているのはこのうち10個程度だが、「お手伝い」だから現金以外の収入も考慮して評価すべきだ。
たとえば、AV機器の設置やインターネット接続に苦労している人は多いが、できる人は何の手間でもない。テレビの設置をしてもらったお礼として、食事くらいごちそうしてくれるかもしれないし、インターネット接続を手伝ったお礼に、田舎から送ってきた野菜や果物をもらうこともあるだろう。何ももらわなくても、手伝った人に対する「評価」が上がり、別の仕事を紹介してくれるかもしれない。これが「僕たちは就職しなくてもいいのかもしれない」の著者である岡田斗司夫氏が提唱する「評価経済」である。
面白いのは、同じ「お手伝い」であって状況によって対価を与える立場になったり得る立場になったりすることである。たとえば、撮影会に参加して写真を撮れば参加費が必要である。しかし、同じ人でも頼まれて撮ったら逆に撮影料をもらえるかもしれない。
実際、お金を払って写真撮影した人を、対価をもらって(現金ではない)ビデオ撮影したこともある。前回紹介したように、岡田斗司夫氏のサポート組織「FREEex」は、「お金を払って仕事をする」団体である。「外郭団体」が活動している現在でも、お金を払って仕事をするメンバーは大勢いる。
こう考えてみると、対価を支払うか、対価を得るかは、仕事の内容ではなく、仕事をする人の気持ちに依存することが分かる。「お金」の流れは、モノやサービスの提供ではなく、感謝の気持ちの流れを示すと考えれば理解できる。たとえ先方からの依頼であっても、自分が撮りたいと思えば対価はもらわないし、むしろこちらが出すかもしれない。また、必ずしも現金である必要はなく、本当の気持ちだけで構わないことも理解できるだろう。
もちろん、現金収入がなければ一般的な生活ができないことは確かである。しかし、現金の利用を最小限に抑えることはできるだろう。大事なことは、他者からの「評価」であり、「評価」が高ければ何とか生きていけるものだ。
宮崎駿監督のアニメ映画で有名になった「魔女の宅急便」には、送料を現金でもらうシーンがある。しかし、角野栄子氏の原作では主人公のキキは現金を受け取らず、何らかの「おすそわけ」をもらって生活する。パン屋に居候しているから成り立つ話だが、実は「居候」という形で生活している人は結構増えているらしい(たとえば「ニート」)。
「僕たちは就職しなくてもいいのかもしれない」によると、1人の人間が居候することで増える生活費はおよそ2万円だそうだ。週1回3時間の家政婦を雇うと2万円くらいかかるようなので、居候の対価として掃除や買い物などの「お手伝い」をしてもらえれば悪くない話である。たいして手伝わなくても、いつもニコニコして話し相手になってくれれば「まあ、いいか」と思うだろう(このような人を「愛されニート」と呼ぶことにしたそうだ)。
とは言え、家族を持っている人が「愛されノート」になるのはかなり難しいだろう。やはり、50の仕事の中から次の仕事候補を見つけておかないといけない。
問題は、会社の就業規則である。多くの企業で二重就業が禁止されている。場合によっては自営すら禁止されているため、現金収入を得ることは難しい。こうした就業規則が法的に有効なのかどうかは専門家の間でも意見が分かれている。二重就業による解雇に関する裁判でも状況に応じて有効となったり無効となったりしている。一般には、本業に影響するか、競合企業の利益になるか、いずれかの場合は解雇有効となるようだが、明文化された規則はない。
ただし、謝礼程度の受け取りは問題ないという意見が一般的なので、上記のリストでして欲しいことがあれば、ぜひ私まで連絡して欲しい。
もっとも、視力の低下に伴い、編み物とはんだ付けは、もう無理かもしれない。
▲シンガーソングライターの理星(りせ)さん
この写真は彼女のフライヤーに採用された
▲シンガーソングライターの詩愛(しおん)さん
予定のカメラマンの都合が付かなかったようで、不詳ヨコヤマが撮影
▲顔は写ってないけどコスプレモデルさん(モデルは引退しているので顔なしで)
(Microsoft Azureの公式キャラクタクラウディアさん)
この撮影はモデル料を払ったが、動画撮影を頼まれたときはお礼をもらった
▲昔編んだセーターの写真は小さなものしか見つからなかった