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デフレ、デフレといっているうちにインフレを気にしよう!

デフレ、デフレといっているうちにインフレを気にしよう!

清水 洋介

証券会社で情報部長をしています。相場のことなら、マクロ、ミクロから市場の市場の噂まで精通しています。

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 米国株はまちまちとなりましたが、中国でのインフレ懸念が一服となり新興国の経済拡大期待から買われて堅調となりました。朝方は中国のCPI(消費者物価指数)発表を控えて、小動きとなり、昼休み時間中に中国のCPIが発表、予想を下回ったことや日銀の金融政策決定会合で金利は据え置きとなったものの、景気判断が一歩進んだことなどから買戻しを急ぐ動きもあり堅調となりました。それでも目先的な過熱感もあって利益確定売りに押されるものも多く、上値も限定的となりました。

 景気回復を懸念していたものがいつの間にかインフレを気にする動きとなっています。中国を中心に新興国が経済が急速に拡大するなかで、物価と賃金の上昇にギャップがあることからインフレに対する懸念が強まり、新興国の一部では暴動も起こっているということなのでしょう。新興国の経済が拡大するに連れて、貧富の差も拡大、従来であれば情報の伝達力も格差があり、なかなか貧富の差も実感できなかったものが、情報伝達のスピードが飛躍的に上がると、誰もが貧富の差を知ることになるのだと思います。

 株式投資に関してもこれまで気にすることもなかった情報が瞬時に伝わることで、一部の投資家や投機家の動きが相場に反映していたものが誰の、どのような投資家や投機家の動きが市場に反映されるのか、ふたを開けてみなければわからないとうことになっているようです。ですから、その情報そのものに反応すると言うよりは情報に反応した相場の動きについた方が早いということになってしまうのでしょう。

 決算動向にしても昨日の中国の貿易統計にしても、本日のCPI(消費者物価指数)の発表にしても、発表数字そのものへの反応は鈍いのですが、その後の相場の動きには敏感に反応するものが多いのではないかと思います。良いとか悪いとか言うことではなく、そうした数字に敏感に反応できるようになれば、それだけ人よりも半歩でも一歩でも早く反応できるのですから、敏感に反応できるように、そして間違えた方向に反応することのないようにしておくことが必要なのでしょう。