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20代後半の頑張り方

20代後半の頑張り方

阪部 哲也

金融スペシャリスト。事業会社のエグゼクティブに特化した、ビジネスプロフェショナルのための外資系リクルーター。2010年ビズリーチ社「日本ヘッドハンター大賞」金融部門で優秀賞。2010年KANAEアソシエイツを設立。http://www.kanae-associates.com/

当ブログ「「成功」するキャリアのつくり方」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/KANAE/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


弊職が連載しているイーセントラル『Expert Advice』第三回からの抜粋です。

今回は20代後半の皆様に向けて「20代後半の頑張り方」について一緒に勉強していきたいと思います。

コミュニケーション力、味方作り、チャンスの活かし方・・・。様々です。

 

①コミニケーション能力の大切さ

外資系企業に転職する際に、外国人幹部からよくある質問です。

外国人面接官:「ではまず最初にあなたを採用することで当社にどのようなメリットがあるか簡潔に説明して下さい。」

候補者:「・・・・・・・・・。」とストレートに聞かれたときにみなさんはどう答えるでしょうか?

日本人の普通の感覚では直球すぎて、絶句してしまう人が多いのではないでしょうか?

外資では日頃から誰に対しても自分の能力や実績、考えを簡潔に説明できる訓練が必要です。

ここで申し上げたいコミニケーション能力とは、ポスピタリティ溢れる愛想の良さをさしているのではありません。

ビジネスプロフェショナルとして、自分の得意分野を明確にして、会社やチームに対する貢献を客観的にアピールできる能力のことを

さしています。若いうちから訓練しておければ、業界の第一人者に会う機会を恵まれたときに気後れしない自分をつくることができ、

ビジネスパーソンとして洗練された雰囲気が板についてきます。30代になったときに決定的な差となります。

まずは周囲でそういうのが長けている先輩がいたら、そこから謙虚に学びましょう!

 

②味方作りの大切さ

生き馬の目を抜く外資系で実績を増やす実践的な方法は、

「その業界のBig Clientとできるだけ多くの信頼関係をきづき、頼りになるビジネスプロフェショナルを仲間としてもつことです。」

20代の皆さんがBig Clientと良好な信頼関係を築く事は競争も激しいために簡単な事ではありません。

昔は面倒見の良い上司が、新橋の高架下の赤提灯で、「仕事ちゅうのはだな・・。」とお酒を飲みながら、人間関係の機微のようなものを教えてくれた時代がありました。しかし、そうした機会も最近は減ってきていますね。

ここでは私が新規営業でどうしてもうまくいかなかったときに、昔の上司(=1000人以上いる営業組織で15年以上常にトップに君臨)に

赤提灯で教えてもらった事をご紹介します。 クライアントに初めて連絡する際は毎回、受容了解を必ずとること。受容了解(=今お話ししても宜しいですか?)には3つ意味がある。

今 ①物理的に時間がありますか?

  ②他人に耳を傾ける心理的な余裕ありますか?

  ③どこの馬の骨が分からない私が貴方の貴重な時間を奪って良いですか?

 当日の上司は、私に「③の意味があることを絶対に忘れるな」と言われました。

③を払拭するために初対面の自分が相手のために何かできるかを簡潔に説明する訓練をするようになり、実績がついてくるようになりました。これは外資系に限らず、初対面で『しかるべき方』とお会いさせて頂く場合の心構えとして当然のことです。

本物の味方をつくるには時間がかかります。20代からしっかり身についていると社外の知人やクライアントとの関係を質・量ともかなり充実させることができます。クライアントや社外の知人によるあなたの評判や信頼関係が高まっていくことは、皆さんのキャリアの可能性を飛躍的に高めます。(外資系では「スキル」・「実績」が高い人を最終面接までは残しますが、オファーを出す前に、重要なポジションであればある程、 こうした人達からリファレンスをとります。)

③チャンスの活かし方

日系、外資系問わず、30歳はキャリアの節目といって良いでしょう。

このまま会社に残った場合の5年先、10年先にどのようなキャリアイメージになるのかは同一職種の先輩や上司の姿から想像できている人も多いと思います。皆さんの次のステージである30代前半は、多くの大企業で、10年先に経営幹部となる人を選抜していく時期です。(経団連が2002年に実施した調査では入社8年目~13年目の時期、つまり30代前半の時期に次世代リーダーとなる人材を選抜する企業が多いとされています。)20代後半はそうした意味で周囲からはもう基礎力は十分に身についているという判断をなされようとする大切な時期です。したがって、30代、40代で経営人材として世に出たいと思っているような野心のある方はビジネスパーソンとしての基礎力は20代後半まで固めないといけないと考えていた方が良いと思います。大学院で博士課程まで進んだ方、海外の英語学校を経て、MBAをとるのに時間がかかった方など社会人のスタートが2年~4年、出遅れている方は、肝に銘じて下さい。せっかく勉強したのに、転職時に年齢対比、物足りないといわれて、思わぬところで大きく後手に回ることがあります。22歳で社会人になり30歳手前で大幅なキャリアチェンジをする方も要注意です。その会社の新卒入社組が同世代があなたを迎え撃つことになります。

気軽に『今の仕事以外でも幅広に検討しています。そのくせ、希望年収は現職と同じだけ欲しい。』といわれる方がいますが、今までやったことがないことをやるのに、世の中、年収やタイトルがキープできる道理はありません。一般に30歳ぐらいでキャリアチェンジをするのは少なからぬリスクがつきものです。

20代の若手で、新卒からはじめた仕事がどうしても自分の性にあわない人がリスクを承知でキャリアチャレンジするのはOKです。

その場合でも、それなりの覚悟をもって、今後の長期的なキャリア設計も考えた上で、できれば20代のうちにされることをお奨めします。

客観的に適性がフィットしている仕事を当事者意識をもって、一心不乱に取り組んでいれば、周囲からも評価されやすく、やはり芽が

出やすいです。そうした仕事に20代で出会うことができたあなたはかなりのアドバンテッジがあります。30代で大きな勝負をかけるチャンスに一度や二度は出会うことはそう難しいことではありません。

 

以上の1〜3の項目について、これからの日々少し気をつけてみてはいかがでしょうか。

皆様からの忌憚のないご感想お待ちしております。