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笑われずにバブる!

»2013年12月26日
アラキングのビジネス書

笑われずにバブる!

荒木 亨二

ビジネスコンサルタント&執筆業。荒木News Consulting代表。業界をまたいで中小企業経営者のサポートを行う「究極のフリーランス」。2012年より、ビジネス書の執筆ならびに雑誌の連載をスタート。

当ブログ「アラキングのビジネス書」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/arakinc/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


 人間とは不思議なもので、自分では合理的に生きているつもりでも、消費となるとけっこう気分に流されやすい。みんなが「不況だ、不況だ」と叫べば、そりゃあそうだと、財布のヒモを締める。それなりに稼いでいるビジネスマンですら、ちょっと倹約する。

 反対に「何となく景気が良くなりそう」といった雰囲気を感じると、まだ給料が上がっていなくても、買い物に出かけたり外食を奮発してみたり、突然のようにカネを使い始める・・・。

 消費は気分に左右されるもの。そして、気分は実につかみづらい。なので、企業からすると「何が売れて、何が売れないのか」が分からず、マーケティングに苦労する。これが、いわゆる消費者心理。人々のココロの内は、いくらデータや数字を眺めても答えは見つからないのだ。

 さて、アベノミクスにより、日本経済は久しぶりに元気を取り戻しつつある。こちらは気分ではなく、実際の話。安倍さんが首相に返り咲いて以来、株価は急回復し、諸々の経済指標は改善し、さらには7年後の東京五輪まで決定した。多くの人が気分ではなく、実感をともなって「日本は復活するかも?」と、感じているのではなかろうか。

 すでにバブル到来か?

「もしや、日本にバブルがやってくるのか?」といった雰囲気の、今の世の慌ただしさ。でもそんな風に考えたとき、たいてい敏感な消費者は先に動いている。

 その証拠に、今年の新車登録台数を見ると、輸入車のシェアが過去最高の8%台に達する見通しという。輸入車といえば、昭和バブルのステータスであり、バブルの象徴のような存在。まだ不況のような気分が抜けないが、輸入車の売れ方を見る限りにおいては、実はすでに〝バブル越え〟しているのだ。

 同じく、一般的に富裕層が買い物をするとされる百貨店。バブル崩壊以降、ひたすら右肩下がりを続けてきた〝斜陽産業〟だが、こちらも今年に入って好調が続く。牽引するのが、腕時計や宝飾品といった高額品。なかでも、多くの人が憧れる某高級腕時計などは前年同期比で7割増と、尋常でない伸びを記録する百貨店もある。やはり、百貨店を眺めても、バブルを思わせる豪快な消費が戻ってきているようだ。

Safariの新連載は、すばりバブル!

 で、ボクは思う。「昭和バブルはカッコ悪かった人が多かったなあ」と。成金趣味、権威的消費、バブルの自慢話・・・。〝すべてカネで買える〟みたいな風潮だった。

 ちなみにボクは、現在42歳・・・だと思う。41なのか、あるいは43なのか、ここ数年、自分の正確な年齢がわからなくなりつつある。いずれにしても、ボクが大学に入学すると同時に、バブルは弾けてしまった。「さあ、カネ使って遊ぼうか」と考えていたら、ハシゴを外されたような感じ。

 つまり、バブルにぎりぎり手が届かなかった。しかし、バブっているオトナや社会は、間近に見ることができた。だからだろうか、バブルに対する憧れがあり、同時に、バブルに対する嫉妬もある。言ってみれば〝バブル・ルサンチマン〟。こんなアラフォー男性、案外多いのではなかろうか?

 そして、バブル的な世の中になりつつある今、そんなアラフォー世代だからこそ強く思うことがある。それは「笑われずにバブりたい」ということ。本来、カネを使うことはいいこと。遊ぶことも大切だ。でも、昭和バブルでバブった人々のように、「あいつカッコ悪い~」と後ろ指さされたり、十年後に「それって都市伝説じゃん?」なんて、言われたくない・・・。

 ということで、ボクが男性ファッション誌「Safari」で新たに始めた連載が、バブルにまつわるコラム。昭和バブルを検証し、反省しつつ、次なるバブルはクールにキメよう、というもの。

 取り上げるテーマは、ファッション、ホテル、グルメ、音楽、クルマ、バーなどなど、上手にバブれば楽しそうなあらゆるモノ・コト。要は、ライフスタイル全般に関して「正しいバブり方」「クールなバブり方」を、毎月提案するのだ。

 そもそも「Safari」読者は可処分所得が高く、遊び心もオシャレ心も豊富。さらにいえば、中心読者は30~40代男性と、バブル・ルサンチマンが多い。つまり、「オレもバブりたい!」というバブル予備軍ばかりなのだ。だからこそ、ボクの連載が活きてくるというもの。そして〝LAセレブスタイル〟を標榜する「Safari」だけに、ボクの連載もまたセレブ感満載。

 ボクの連載、正式なタイトルは

『最後のバブルで踊ろうよ!』

 ちなみにサブタイは~アベノミクス効果で出現するニューリッチ!?~。その記念すべき初回タイトルは『〝ラストバブル〟は空から始まる!』。ということで、毎月24日発売の「Safari」は、「オレもクールにバブりたいぜ!」という男性は必見。

 それはそうと、ボクはずっと輸入車オープンカーに乗ってるのだけど、「ちょっとバブってないすか? そういうクルマ、今の若者にウケ悪いすよ」と、先日、20代男性に笑われた。「うるせえよ。お前ら草食系には分からんのさ」と、頭を殴っておいた。

(荒木News Consulting 荒木亨二)

【著書】

「就職は3秒で決まる。」(主婦の友社)

「名刺は99枚しか残さない」(メディアファクトリー) 

【雑誌連載】

「Begin」(世界文化社)でファッションコラム「仕事着八苦YOU!」

「アスキークラウド」(KADOKAWA)で小説「それでもボクは会社にイタいのです」

「Safari」(日之出出版)でコラム「最後のバブルで踊ろうよ!」

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