震災から一週間。多分東日本に住んでいるほとんどの人が、それぞれに今まで体験したことがない「非日常」を生きているのではないでしょうか。

今日ここに書くのは、非常に個人的な話です。でも、もしかして私だけではないかもしれない、誰かの役に立つかも知れない......と思って、ブログに書いてみることにしました。

●なんだか最近、いつもと違う

ここ一週間、明らかに普段の自分と違う感じです。例えば以下のような点です。

1. 情報に過敏
2. 気分が高ぶっているときと落ち込んでいるときの差が激しい
3. 気疲れしている
4. その一方で、実は仕事量は普段よりこなしていない
5. ときどき揺れている気がして、周りに「ねえ、今揺れてる？」と聞いてしまう

5はあまりに余震が頻発するので、体なり神経なりが普段と違う状況にあるからなのでしょうが（揺れに敏感になった一方で、変な慣れもあるように感じる）、1～4は多分、根っこのところは同じなのかな、と思います。

1の「情報に過敏」とは、具体的には、ふだんよりテレビを見ている時間が明らかに長いとか、Twitterなどで震災関連の情報をとりにいく姿勢が、普段よりやたら積極的になっているとか、そういうことです。ACジャパン（旧・公共広告機構）が視聴者の抗議をうけて最後の「AC」という音声を削除したとか、身の回りで今回の震災を機にTwitterを始める人が急増しているのを見ると、「ああ、私だけではないんだろうなあ」と。

普段よりも情報に接する時間が長くなって、しかも飛び込んで来る情報は衝撃的なものばかりとなれば、だんだん精神的に参ってくるのも仕方がないかと思います。上の2や3は多分、普段より多い量のしかも衝撃的な情報を浴び続けることで、自分の感受性のキャパシティを超えてしまった......ということなのだと思います。記事を書いたり校正したりしているうちに（妙な）ハイテンションになってみたり、途中まで書いた記事を読み返して「こんなの出したところで、伝わらないよね......」と無力感に襲われてみたり。普段は精神的にあまりアップダウンがないので、そんな慣れない状態に疲れている始末です。

気持ちも体も妙に疲れているのに、自分がやらなきゃいけない仕事が進んでいるわけではないんですよね。パソコンとずーっとにらめっこしていたけど、フッと気づいたらニュースサイトを回ってTwitterに書き込んでただけ、とか。会社に行っても、ミーティングが急にキャンセルになったり、突然「交通機関が止まるかもしれないから急いで帰りなさい！」って言われたりで、いろんな仕事が予定通りに進んでいません。そもそも、自分一人でできる仕事のときも、普段よりも集中力を欠いているというか心ここにあらずというかで、疲れているわりには仕事が進んでいない......という情けない状態です。

●ストレッチする、テレビを消す、そして......

こんな状態を打破することはできないか。そう思って試しに、昨日は一日、テレビを消して過ごしてみました。パソコンもメールチェックに留めてできるだけ触らないように。人の声が聞きたいときは、人に会いに行くか（こんなときこそ、友達の顔を見てしゃべることが大事！）、ラジオを聴くかウォークマンを聴くようにする。あと、無意識に体がこわばっているので、簡単なストレッチを。首をぐるっと回すとか、肩を上げたりおろしたりするだけでも違います。

今までPCやテレビを見ていた時間を使い、代わりにしたことは「本を読む」でした。どうせ家にいるんだから、今まで"積ん読"になっていた本や、分厚くて重いハードカバーを優先で。ページを開いても、最初はなかなかペースがつかめない（というか、本の内容に没頭できない）で困ったのですが、すこしずつ普通通りに読めるようになってきました。普段より丁寧に、メモを取りながら読んでいるうちに、だんだん精神的にも落ち着いてきて、昨夜は久しぶりにぐっすり眠ることができました。

毎日テレビでは重いニュースが流れ、ネットで話題になったことがあれば、テレビをつけて確認したくもなります（私の場合、昨日は東京消防庁の会見が気になってましたが、見ないようにしていました）。でも、1日だけテレビを見ずに過ごしてみるのは、少なくとも私にとっては良い結果となりました。

もし、上に書いたような症状に悩まされている方がいたら、試してみて下さい。1日だけでもテレビ断ち。少しは効果あるかもしれませんよ。