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数万人の命を救ったという「蚊取りボトル」を試してみた感想と、その他のイケてる蚊対策

数万人の命を救ったという「蚊取りボトル」を試してみた感想と、その他のイケてる蚊対策

波多野 謙介

コラボリズム株式会社 代表取締役で文系プログラマー。超朝型へのスイッチで、仕事と家庭の両立を目指す二児の父。

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うちの家の周りはそれなりに緑があって、新緑の季節なんかはその清々しさを存分に満喫できる訳なのですが、ひとたび夏に差し掛かるとその緑の中から蚊がうなるが如く群がり出てきます。

3歳の下の子なんかはまだ抵抗力が弱いからか、刺されたところがパンパンに腫れて大変なんですよ。おのれ憎き蚊。

Play
Play / Simon Blackley

そんな訳で蚊のシーズンが本格的に来る前にいろいろ調べ対策を検討してきましたが、その中でもこれだ!と思ったのが、このペットボトルを使った蚊取り器です。

数万人の命を救った「蚊取りボトルとは」

そうそう、こういうのがあると思ったんですよ。ペットボトルとイースト菌さえあれば作れるし、作り方も簡単だしエコだしね。

はぱっと作って庭の少し影になった部分に置いて、しばし放置。ペットボトルの中では二酸化炭素の泡が順調に次から次へと湧き出しています。

kabottle.jpg

(写真はわかりやすくするために素のままにしていますが、実際には黒い布をかけて蚊が入り込みやすくしています。)


そしてそのまま放置する事一週間。期待しながら蚊取りボトルを開けてみますと、そこには見事に蚊が「いない」じゃないですか!ウホーイ!

その代わり蚊以外の何かがたくさん採れました。てんとう虫を凄く地味にしたやつとか、お米のもみがら?みたいな虫とか、よくわからないけど、とにかく蚊じゃない羽虫とか。「The WAKI-YAKU」みたいな虫が大量に採れてる訳です。これはなんか「違うな」と思いました。「デマやな...*と思いましたね。

蚊とりん

しかしこんな事でくじけてはおれません。いろいろ(ネットで)調べて見つけた新しい武器、それがこの「蚊とりん」です。

good_setting_small.jpg
こういう風に設置(エコデア様ホームページより)

これがなかなか優れものでして、蚊が産卵したくなるような容器を作って放置し、そこに発生したボウフラをやっつける、という仕組みとなっています。非常に安価で、かつメンテナンスの必要も無いのが素晴らしい。

これを3つくらい買って庭に設置すれば、全滅は無理かもしれないけど、数を減らすことはできるかもしれません。

これはもう買うべきです。買わない理由がありませんから。決済方法が銀行振込だけじゃなければ、せめて代引きがあれば買ってました**つまり買わなかったです。もう少しだったんだけど、すまん我が子。

ジャイコップ製蚊取り機

でも、大本命はこちらです。蚊殲滅の為の隠し球「ジャイコップ製蚊取り機

とにかくネーミングが際立ってますよね。あふれるジャイアン+ロボコップ感。暴力的に蚊を集め、粉砕する感じがビンビン伝わってきます。

でもこれ、ほんと凄いので、何はともあれ動画をご覧ください。蚊が次々にジャイコップにとまっては吸い込まれて行く(消える)様子が分かると思います。


まずすごいのは蚊を「寄せられる」ということ、そして寄せた蚊を「高確率で捕獲できる」ということ。捕獲のための仕組みもよく考えられたものです。

ほんとこれは画期的と思うのですが、このジャイコップ、個人の方が手作りされているようで年間の販売数がかなり限られているようなのと、利用に灯油が必要であるところが難点です。

蚊を寄せる要素には二酸化炭素もありますが、一定の温度を保っていることがかなり重要***になるようなので、灯油や電気のようなエネルギー源が必要となります。ジャイコップの場合は配置する場所まで電源が届かないことを考えて灯油を利用しているのかと思いますが、灯油は管理が大変ですし、火災の心配も無いとは言えません。多くの人 が日常的に家の周りに設置するという意味では、まだまだ使いづらいというのが実際のところでしょう。その辺りを上手く解決できれば、画期的な蚊対策として普及する可能性もあるとは思うのですが。

どちらにせよ、最初のペットボトル蚊取り器以外は「調べただけ」で今年の夏も終わっていく流れにあるのですが、デング熱の発生で、日本でも蚊の媒介する病気が増えてしまいそうな中、来年こそは「蚊とりん」あたりを導入し、その成果を報告できるようにしたいと思っています。

 

補足

*もしかするとイースト菌の配合とかが下手くそだった可能性もありますが、蚊とりボトルを配布したというフィリピンのマニラ首都圏とは、蚊の密度も違うとは思います。僕の家の周りにも相当蚊はいますが、外国ではこの100倍位蚊が居る場所があってもおかしくないように思います(椎名誠も書いてたし)ので、その辺りでは本当にゴッソリ採れるのかもしれません。また、上述の蚊とりボトルにはいい感じで水が入っていますので、「蚊とりん」のように蚊とりボトルに産卵しに来てそのまま捕まっている可能性も大いにあるように思われます。ただ、日本で使う限りは、二酸化炭素だけで蚊がぐんぐん採れるとは考えにくいように感じました。(色々調べてみると、同じように試してみて「採れなかった」という報告が結構上がってました。やはりあまり効果はなさそうです。)
蚊取りペットボトルは日本でも効果があるのか?作って試してみた結果 | ライフハック.net
フィリピンで大活躍の「蚊とりボトル」を沖縄で試したらエライことになった : たのっちのぶろぐ by @tanocchi

**波多野がアドバイザーをやっている鴛膳堂(えんぜんどう)もつい先日までクレジットカード決済が無かったので、あまり偉そうなことは言えない立場。

***鈴木 健二先生の「ヒトスジシマカの行動に対する温度効果(PDF)という素晴らしい研究では、蚊の「刺す」という行動が温度とどのくらい関係しているかについて明らかにされています。それによるとヒトスジシマカは、対象温度が35度から41度の間で活発に刺すようになり、39度では100%の蚊が刺す行動を示したそうです。(過去の研究では温度条件があえば温めたボールでも刺そうとするらしく、必ずしも二酸化炭素は必要でないようです。)ヒトスジシマカとヤブ蚊では、また条件が異なるものと思いますが、蚊を寄せるための要素として温度が重要というのは、変わらないものと思われます。