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偶然をチャンスに変える力と、やたら知り合いを見つける妻の話
»2011年10月20日
本当は面白い、BtoBソフトウェアベンダー生活記
偶然をチャンスに変える力と、やたら知り合いを見つける妻の話
コラボリズム株式会社 代表取締役で文系プログラマー。超朝型へのスイッチで、仕事と家庭の両立を目指す二児の父。
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先日、某「おもちゃ王国」に子供達を連れて出かけた時の事。上の子のトイレをすませて出てくると、妻が興奮気味に僕を呼んでいます。「ちょっとちょっと!今そこでヒデ兄ちゃんに出会ったよ!ほら、あそこ。」言われてみると確かに、ヒデ兄ちゃんが「働くクルマ」イベント会場で子供達を遊ばせているのが見えるのです。
ヒデ兄ちゃんは妻のいとこで、昔から仲良くさせてもらっている間柄。聞いてみると、おじいちゃんの用事に付き合って、こっちまで出てきたけれど、時間が余ったから子供達をおもちゃ王国に連れてきたとの事。
ヒデ兄ちゃんの家からここまでは2時間はかかるし、おもちゃ王国に来たのも中学生になった上の子を連れてきて以来らしいから、始めておもちゃ王国に来た僕達とばったり出会うのは、結構な偶然と言えるでしょう。
この種の偶然と言うのは結構みんな経験していると思うけれども、この濃淡というか、多さには、かなりの個人差があるように思います。
ちなみに妻の場合はこれが極端に多く、買い物先、旅先で友達や知り合いを発見する事しばしば。下手すると3回に一回位は誰かに会ってるんじゃないか。
それだけで無く、芸能人を発見する事にも長けており、サバンナ高橋とか、クリス松村とか、メッセンジャーあいはらとかが、梅田の地下とか新大阪駅とかで普通に歩いているのをすぐに発見する。僕なんかは偶然に芸能人を見かける事などほとんど無く、思い出せるのは京都駅の新幹線ホームをドン小西らしき人が、ものすごいモデル体型の女性と、屈強なボディーガード風の人を従えて降りていくのを発見した事くらいで、妻の芸能人発見経歴と比較すると、全く話にならないレベルなのであります。
あまりにすごいので、僕はその能力を「千里眼」と名付けてやりました。もう少ししたら、いなくなった人とか探せるようになるはずです。きっと。
知らず知らずのうちに磨かれる能力
「自分達が出かける先に知り合いを吸い寄せる能力」があるのならともかく、僕と彼女とで、外出先で友達に出会う確率はそう変わらないはず。だとすると、二人の違いは「知り合いを発見する能力」の違い、という事になります。
妻は僕が人を見つけられないのは、なにか他の事ばかり考えていて前を見てないからだ、と言いますが(それもあるけど)、それだけでは無いと思う。
雑踏の中で人を探すのは、思ったより難しい技術です。カメラのピントを合わせると周囲がボケるのと同じで、雑踏の中から人を探そうとして顔ばかり見てると、ピントが狭い範囲に絞られてしまう。その状態で、膨大な人の群れから知り合いを探すのは困難な仕事です。
だから雑踏の中から知り合いを探すには、いちいち顔を見るのではなくて、雑踏全体を風景として見て、その中から普通の雑踏とは違う「違和感」のある部分を感じるしかない。その違和感とはつまり、知り合いの特徴的な仕草や歩き方、髪型や体型や服の好みといった「他の人と違う感じ」である訳です。それを感じられるというのは、単なるボーッとしているか、していないかだけの違いでは無いと思います。
例えば、僕の場合は川面を覗いて魚を探すのが大好きなので、何もいないように見える川に、実は泳いでいる魚達を見つける事が得意です。川は水面の照り返しや流れが作り出す波があって、小さな魚を見つけるのは難しいのですが、子供の頃から川を見つけては覗きこんできた経験が、僕に魚の存在を感じられるようにしてくれているのでしょう。そしてもちろん、漁師さんであれば、僕には全く見えない場所にいる魚達を見つけることができるはず。こういうのは長い時間をかけて磨かれた「能力」と言えると思います。
妻は、僕が川で魚を探すように雑踏に人を探しているわけでは無いだろうけど、常日頃から雑踏の中に、知り合いや芸能人だけではない、いろいろな面白さを見つける事ができていて、僕よりもいつも雑踏を「見ている」。そうした日々の習慣が、雑踏に人を見つける能力の大きな差に繋がっている。
これは仕事でも同じ事が言えそうです。他の人よりも少しだけ違う視点を持っていたり、少しだけ先を見ていることが、1年、2年と経つうちに、いつの間にか大きな差として現れてくる。そしてその差は、時に他の人から見て「千里眼」にも思えるような特別な能力に成長することもある、と。
妻の能力が「知り合い同士がすれ違う」という偶然を「知り合い同士が出会う」という結果に変えてしまうように、数少ない偶然をチャンスに変えるのは、その人が日頃からちょっとづつ、磨き続けている能力なのではないでしょうか。そうでないとせっかくの「偶然」が存在した事そのものに気づく事ができない。という気がします。
妻が知り合いを見つける能力に、日々の心構えの大切さを感じたおもちゃ王国だったのでした。
ちなみに、おもちゃ王国では超渋滞に巻き込まれ、子供が転んで流血し、フリーおもちゃスペースでは大量の子供達の群れに圧倒されたりと、全体的に大変ではあったのですが、思ったよりも盛りだくさんで楽しめました。また折を見て行ってみるつもりです。