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プログラミングなんて必修にしなくていい論
»2013年10月18日
未来の人事を見てみよう
プログラミングなんて必修にしなくていい論
人事・組織領域を専門とする経営コンサルティングファーム、クレイア・コンサルティングの広報・マーケティングチームです。
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クレイア・コンサルティングの調です。こんにちは。
プログラミングを必修にすべき、という声を最近よく耳にします。おそらくは改めて到来したITバブル的な動きと呼応しているものと思われますが、ざっと検索したところでも以下のようなサイトにぶつかります。
当然このような流れはアメリカでも同様なのですが、「そんなことはないんじゃないの?」というプログラマからの意見がFast Companyに載っていましたのでご紹介します。
No--You Don't Need To Learn To Code
モノづくりの楽しみ
I'm a programmer. Do I think everyone should learn how to code? No.
私はプログラマだが、全員がプログラミングのやり方を学ぶべきかと考えているかというと、全くそんなことはない。
と語るのはCiara Byrne女史。
元々プログラミングにはまり込むのは、
The Joys Of The Craft
モノづくりの楽しさ
に他ならない、と語ります。しかしその楽しさは一面的なものではなく、
Like games, code gives you constant feedback, and for that reason can quickly become addictive, but it's also a massively time-consuming and often maddening activity.
ゲームと同様に、プログラミングは瞬時にフィードバックを返してくれ、そのこともあってすぐに中毒症を引き起こす。しかしそれは同時に大きな時間の消費であり、腹立たしい活動に他ならない。
"dreary hours of tedious, painstaking labor" and the perfect precision required to communicate with the machine
「退屈で痛みを伴う陰鬱な時間」と機会と会話をするための完璧な正確さ
と、苦難を乗り越えた末の達成感こそが、プログラミングに没頭する根底にあることがうかがい知れます。大変そうですけど。
なぜプログラミングが礼讃されているのか
しかし単純に考えて、それほど魅力があるとは思えないプログラミングがもてはやされているのか。Byrne氏は
much of the "learn to code" frenzy seems to spring from the idea that you can achieve fame and riches by starting a tech company and you need to actually code something first.
「プログラミングを学ばなければ」という狂乱的ブームのほとんどは、ITベンチャーを立ち上げて名声と富を得るためには、まず最初にプログラミングで何かを打ち始めるしかない、という考えから生じている
と考えています。でも実際現在のマーク・ザッカーバーグ(Facebookの創業者)が日々コーディングをしているかというと、そういうことは無いわけで、
Programming is not a get-rich-quick scheme.
プログラミングはすぐに金持ちになれる方法
なんかではなく、
Coding is not a goal. It's a tool for solving problems.
コーディングはゴールではない。問題解決のためのツールだ。
ということなのです。そして、
if coding is what you really love to do, you probably wouldn't want to be a CEO in the first place.
もしプログラミングがあなたの本当に愛してやまないことであるならば、そもそも最初からCEOになりたいだなんて思わないだろう。
ということになるわけですね。こういう話になると真っ先に想起されるのはアップルのもう一人の創業者、Stephen G. Wozniakでしょうか。
プログラミングの弱点
Byrne氏は、プログラマ自体が忘れがちなプログラミングの弱点として、まず第一に
every problem can be solved with more or better code. It can't.
〔プログラマは〕全ての問題がより多くもしくはより良いコードで解決できると考えている。しかしそれは不可能だ。
という点をあげています。なぜなら、
The biggest problems always involve people as well as systems, and people are annoyingly messy and unpredictable.
もっとも大きな課題は常にシステムだけでなく人の問題を内包している。そして人は呆れかえるほどに厄介な存在であり予測が不可能なのだ。
また、もう一つの弱点として、
If you do want to become a professional developer, or you find that you just really enjoy programming, then by all means continue to build your knowledge.
プロフェッショナルとしてのプログラマになりたかったり、もしくはただプログラミングを本当に楽しく学びたいだけだとしても、あなたは是が非でも知識を詰め込み続けなければならなくなる。
つまり、その習得に恐ろしいまでの時間がかかることをあげています。少なくとも10年単位、とのこと。
ではそんなことしたくない、という多くの人々はどうすればいいのか?
プログラミングをやるかわりにすべきこと
まずは、プログラミングを学ぶかわりに、プログラマを理解せよ、というのがByrne氏の最初のアドバイスです。
If you still want to work in the tech world but are reconsidering coding ... do ... something coders find useful.
もしまだIT業界で働きたいけれどもプログラミングを学ぶことについては再考したいと考えるならば、プログラマが便利と感じることをやろう。
それは具体的には
Coding requires a level of focus bordering on tunnel vision, and if there's one thing developers hate, it's distractions.
プログラミングは視野狭窄とも思えるような集中レベルを求められるため、プログラマが最も嫌うものを一つ挙げよと言われれば、それは邪魔されることに他ならない。
であり、より端的に言うと
For a coder "distractions" mean dealing with business people, management, customers or, in fact, anyone outside the engineering team.
プログラマにとって、「邪魔」とは、ビジネスパーソンや経営者や顧客など、もっと具体的に言えば、開発者チーム以外の人とのやり取りを意味する。
というなんとも身勝手ながら、わかるわかる、という部分のようです。如何に放任しつつうまくマネジメントを行うか、顧客の要求をプログラマが理解できる言葉に相互翻訳するか、などの力量が問われます。
また、
it may be more useful to learn the basics of how the networks and software you use every day work, and their biases and blind spots
我々が日々使うネットワークやソフトウェアがどのように機能しているかや、それらのバイアスや盲点を学んだりすることが非常に有用
とのこと。
そして、
The Greek physician Hippocrates said ... "The craft is long, Life is short." So choose your craft wisely.
ギリシャの哲学者ヒポクラテスが語ったように、「モノづくりは長く、人生は短い」。のであるから、そのモノを何にするかを慎重に選択すべきだ。
つまり、
In the time that you saved by not learning to code, learn to do something you enjoy more.
プログラミングを学ばない時間を使って、より自分が楽しめることを習得していくべき。
とのことです。
最後にByrne氏は、プログラミングは正確であれば良いだけだが、プログラミング以外の世界は上記のように正確性以外のものが多数求められるため、
Maybe coding would be easier after all.
プログラミングをやるのが結局のところは一番簡単なんだろうけどね。
とまとめています(笑)。皆さんはいかがでしょうか。
お読みいただきありがとうございます!
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