誠ブログは2015年4月6日に「オルタナティブ・ブログ」になりました。
各ブロガーの新規エントリーは「オルタナティブ・ブログ」でご覧ください。
共働きのほうが子供はうまく育つ!?
未来の人事を見てみよう
共働きのほうが子供はうまく育つ!?
人事・組織領域を専門とする経営コンサルティングファーム、クレイア・コンサルティングの広報・マーケティングチームです。
当ブログ「未来の人事を見てみよう」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/creiajp/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
英エコノミスト誌による調査結果の解説です。
STUDY: When Both Parents Work, Their Kids Are Less Likely To Fail
調査結果: 両親が働いていると、子供は失敗しにくい傾向に
http://www.businessinsider.com/benefits-working-moms-2011-7
イギリスのUniversity College Londonが19,000のイギリスの家庭を対象に、働く母親がどのように子供の成長に影響するかを調査をしたところ、
The study found that overall, kids were better-adjusted if their mom worked outside the home.
全体的にみて、母親が家の外で働いている場合、子供たちは適応能力が高いことが調査からわかった。
また、いくつかの研究において、子供の人生最初の年に母親が働いていることが後々の行く末に特に重要だという結果が出ていることに対しては、
In this study we did not see any evidence for a longer-term detrimental influence on child behavior of mothers working during the child's first year of life.
今回の調査では、子供が出生した年に母親が働いていることについて、長期的に有害な影響を与えるという証拠は何も得られなかった。
とのことです。
興味深い結果としては、
Five-year-olds whose mothers had been at home when they were babies were more likely to have behavioral problems than other children. For each child, the longer the time their mother was off work, the more bratty was the child's behavior. Housebound women were also far more likely to report symptoms of depression than their working counterparts, problems which can only make the process of childrearing more difficult.
赤ちゃんの頃に母親が家にいた5歳児の子供は、その他の子供に比べて行動に何らかの問題を抱えがちであることが分かった。一人ひとりを見ていくと、母親が働いていない期間が長ければ長いほど、子供の行動が行儀悪くなる傾向にある。専業主婦はワーキングマザーに比べてうつの兆候が見られることが多く、それが子育てのプロセスを一層難しくしていることにつながっている。
ということがあったそうです。
また、家庭の収入が低い場合、教育の質が低下し、うつの傾向も高まることが、結果を集計する中で出てきたそうです。
この調査のプレスリリースはこちらからお読み下さい。
働いているママも、働いていないママも、それぞれいろいろな問題を抱えているとは思いますが、子供を保育園等に預けることに何らかの罪悪感を感じているワーキングマザーの方にとっては、少しは気が楽になる調査結果ではないでしょうか。
この調査で特に面白かった発見は以下とのこと。
there was a strong correlation between maternal unemployment and bad behavior in girls -- but not so much for boys. The study's authors suggested that this could hint at young girls benefiting more from watching a mom "who is successful and independent, while the effect is less pronounced for boys."
母親が仕事のない状態でいることと、女児の好ましくない行動には強い相関関係があることがわかった一方、男児についてはそれほど強い相関は見られなかった。担当した研究者は、女児は母親が"成功していて自立している姿"を見ることが良い効果を与えているのに対し、"男児についてはそれほどの効果はなかった"と言えるのではないか、と推察している。
ところが、
Boys, on the other hand, were more negatively affected when the mother was the sole breadwinner.
一方で男児は、母親が一家の大黒柱だった場合、よりネガティブな影響を受けることが分かった。
とのこと(笑)。なんとも男女の違いは難しいですね。
この調査結果を信じるならば、未来を背負う子供(特に女の子)の成長のためにも、母親の就業/キャリア支援を強化していく必要がありそうです。
ご一読ありがとうございました。
女性管理職向けに特化した、従来の仕事で習得しにくかった能力を中心に向上させる研修、ございます。詳細はこちらからどうぞ。