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やれば効果が出るのが自明なのにやっていないマネジメント手法

やれば効果が出るのが自明なのにやっていないマネジメント手法

クレイア・コンサルティング

人事・組織領域を専門とする経営コンサルティングファーム、クレイア・コンサルティングの広報・マーケティングチームです。

当ブログ「未来の人事を見てみよう」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/creiajp/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


クレイア・コンサルティングの調です。こんにちは。
本日はTLNTへの寄稿記事から。

元ネタはDerek Irvine氏のRecognize This!です。


Why Do So Many Managers Ignore The Obvious and Neglect Feedback?

なぜ多くのマネージャーが自明のことを無視してフィードバックを怠るのか?

http://www.tlnt.com/2011/08/16/why-do-so-many-managers-ignore-the-obvious-and-neglect-feedback/



よくドライヤーの注意書きなどで、「シャワーを浴びながら使わないように」といった自明の事柄が書かれていたりしますが、そのようなものを集めたHuffington Postの記事を見ているうちに、Irvine氏はふとリーダーシップやマネジメントの領域でも同じように、自明ながら無視され実施されていないことがあるのではないか、と考えたとのこと。


Psyblogのブログ記事、 "10 Psychological Keys to Job Satisfaction"(職務満足につながる10の心理学的な鍵)の中でachievement(達成)、feedback(フィードバック)、そしてorganizational support(組織的なサポート)の3つがあげられているのですが、


I read this and thought, "How obvious!" But I know many employees rarely if ever experience a sense of achievement in their work because no one ever gives them feedback on their work.

私はこれを読んで、「当然じゃん!」と思った。しかし、同時に多くの社員が誰からも彼らの働きについてフィードバックをしていないために、多くの社員がほとんど達成感を得るような経験をしたことがないことにも思い当たった。


フィードバックが無ければ、自分自身が行った仕事が達成すべきものであったのか、それとも無意味なものだったかの区別もつかず、結果組織的なサポートを受けられないとの印象を与えてしまうことになります。

オランダのエラスムス大学のロッテルダム校でのBakker氏による調査結果が、この自明なことをきちんと行うことの重要性を伝えています。


When employers satisfy basic human needs for social support, feedback and employee opportunities for growth, work gets done more quickly and with better results. The process is cyclical, because working better is more rewarding for the worker, which in turn increases the employee's engagement and effectiveness...

企業が人間の基本的な欲求である社会的な支援やフィードバック、成長機会の提供を満足させると、仕事の完遂が速くなるとともにその結果も良くなる。このプロセスは循環的であり、良く働けばより報酬が増え、それが社員のエンゲージメントと能力を高めることになる...

"Interestingly, engagement -- or high-quality performance -- is greatest when the demands of the job are highest... However, workers should not be held to impossible standards.

面白いことに、エンゲージメント―言い換えるなら高品質のパフォーマンス―は仕事への要求が最も高かったときに最大になる...しかし、従業員は不可能な基準に縛られるべきではない。

"'Down time,' says Bakker, 'is not only a mark of sympathetic management. It helps renew workers, keeping them happy, productive and engaged,' which in turn results in a virtuous cycle of work engagement, job satisfaction and higher productivity."

「休息の時間は」とBakker氏は続けます、「同情心を示すマネジメントというだけではない。これは社員の回復を助け、幸福感や生産性、エンゲージメントを維持することにつながり、それが結果的に仕事上のエンゲージメントや職務満足、高い生産性へとつながる好循環を生み出す。


休息の時間(down time)も、必要とはわかっていつつも、マネジメント上なかなか積極的にサポートしにくい部分かと思います。特に日本では海外に比べて有給休暇の消化率が低く、社員も休むことに後ろめたさを感じる部分がまだ多く残っていますね。ただ、


No person can work at peak performance constantly.

誰も常にパフォーマンスを最大限にしておくことは出来ない。


一方で、不況の影響で人が減り、一人の人が多くの仕事をマルチタスクしなければならない状況も続いています。


Leadership must acknowledge the stress and tension created in such an environment by praising and recognizing employees for their expanded roles and contributions.

リーダーはこのような環境下でのストレスやテンションについての理解すると同時に、社員が役割を拡げ、多大な貢献をしていることを称賛し、認識することが必要。


といいます。まぁ、これもわかってはいるんですが、というところではあると思いますが。


イギリスの最近の調査では、


Less than one in five bosses take specific measures to boost the motivation of staff who are feeling stressed out. ... Improving employee engagement in order to deal with worker tension could turn out to be cost-effective in the long run, as 42,000 people were absent from their jobs in the three months leading up to December 2010 due to stress."

ストレスに苛まれている社員のモチベーションを向上させるために具体的な指標を使用している上司は5人に1人にも満たない...労働者のストレスに対応するためにエンゲージメントを向上させることは長い目で見るとコスト効果が高いことが明らかになってきた、というのも、2010年12月までの3ヶ月間で、(イギリスにおいて)42,000人がストレスに起因する理由で休職をしている現実がある。


自明ながら出来ていないことは他にもたくさんありますが、まずは出来ることから一歩一歩やっていくことが大事なのでしょう。

お読みいただきありがとうございました。




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