誠ブログは2015年4月6日に「オルタナティブ・ブログ」になりました。
各ブロガーの新規エントリーは「オルタナティブ・ブログ」でご覧ください。
チームを成長させるにはまず自分の成長から
未来の人事を見てみよう
チームを成長させるにはまず自分の成長から
人事・組織領域を専門とする経営コンサルティングファーム、クレイア・コンサルティングの広報・マーケティングチームです。
当ブログ「未来の人事を見てみよう」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/creiajp/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
本日はthe HR DIRECTORより。イギリスCMI(Chartered Management Institute、公認マネージャー協会)の調査結果報告です。
景気低迷時のキャリア
http://www.thehrdirector.com/business-news/recruitment/careers-in-the-doldrums/
イギリスの権威あるマネジメント団体、CMIによる2,000人を対象とした新しい調査結果が先週発表されました。
それによるとまず第一に、
almost half (42 percent) of those questioned feel they are further behind in their careers than they would like to be at this stage of their lives.
回答者の約半数(42%)が人生の現在の段階で到達しておくべきキャリアから程遠い位置にいると感じている
ことがわかったそうです。
つまり、自分自身が思っているほど成長していない、ということです。
さらにデータを読み進めると、このキャリア開発の遅さを環境のせいにする人が多い一方、それをなんとか変えていく力を持っていると認識している人もいるようです。
some employees believe that they have been overlooked for promotion or a pay-rise in the last year because their employer doesn't have the funds available to pay for them to progress (22 percent). Others go further, claiming that their boss is not fighting their corner enough (nine percent). However, many respondents admit that they need to get more experience (13 percent), and that they do not have the right training or qualifications (six percent) to advance.
予算がないために昇格や昇給においてスルーされたと信じている人が22%、上司が自分のために十分に人事等に掛け合ってくれなかったと言う人が9%いた。しかし多くの回答者がキャリアを先に進めていくにはもっと経験を積む必要がある(13%)と回答しており、ただそのための研修や資格を受けることが出来なかったと回答する人が6%存在した。
では、キャリアをさらに積むために、従業員は何が必要だと考えているのか?
including working overtime on a regular basis (44 percent), taking on additional responsibility for no extra money (37 percent) and studying in their spare time for a professional qualification (45 percent).
定期的に残業すること(44%)、給料そのままで更なる責任を負うこと(37%)、そして空き時間を利用してプロフェッショナルな資格を取ること(45%)が主に含まれていた。
そして幸いなことに、同僚にクレームをつけるべきというネガティブな回答は3%のみ(笑)。
この結果の中にプロフェショナルな資格(professional qualification)が含まれていましたが、
However, despite the fact that nearly a third of those surveyed (29 percent) believe that a professional qualification helps an individual's ability to lead people, teams and projects just four percent of those surveyed are currently studying for a professional qualification and only 12 percent plan to do so "in the near future".
しかし、調査対象者の約3分の1近く(29%)がプロフェッショナルな資格が人やチームプロジェクトを率いる能力を高めるのに役立つと回答しているにも関わらず、調査対象者の4%しか現在その資格のために勉強をしておらず、"近い将来"学習しようと考えている人も12%しか存在しなかった。
ということで、自分でわかっていつつも実行に移せていない実態が明らかになっています。
調査を行ったCMIのディレクターもこのことにはdisappointing(失望せざるを得ない)と苦言を呈する一方、アドバイスとして、
but in a time of tighter budgets and increasing competitiveness in the job market, those people that are prepared to make an effort to improve their skills will be the ones that employers turn to first.
企業予算が厳しく転職市場でも競争状態が激しくなっているこの時代では、自分自身のスキルを伸ばそうと努力する用意をしている人材は企業が真っ先に頼りたがる人材である。
と語っています。
ではなぜ人は自分自身の研鑽がうまく出来ていないのか?
Asked why they haven't done anything to help themselves, the top reasons cited were the cost of qualifications (39 percent), the length of time they would take to complete (30 percent) and "not knowing which qualification would be best for my career development" (13 percent).
なぜ自分自身の成長に対して何もしていないのかとの問いに対して、一番の理由として挙げられたのは資格のコストが高いこと(39%)、そして修了までに必要となる時間(30%)が続き、「自分自身のキャリア開発にとって何が最も適しているのかがわからない」(13%)があげられた。
特にイメージできるのはMBAなどの学位でしょう。費用も多額であり、時間も必要です。
ただ、人生における時間や費用の投資対効果を考えてみれば、資格への投資はペイするかもしれません。
日本では資格に対する考え方が欧米と異なるので、同一線上では語れない部分も多々ありますが。。
またこの調査で明らかになったところでは、
each week the UK's employees are spending an average of five hours watching television, four hours shopping online or using social media, and two hours playing computer games - yet completing a degree equivalent qualification in management and leadership would only amount to three hours a week of study throughout the year.
イギリスの従業員は平均で5時間テレビを見ており、4時間オンラインショッピングやソーシャルメディアを楽しんでおり、2時間コンピューターゲームをしている。その一方、マネジメントやリーダーシップに関する学位と同等の資格を取得するには、1年間毎週3時間の学習をするだけで大丈夫である。
と、要は易きに流れ、サボってしまっている現状が垣間見えます。
Simplyhealthのchief executive、Des Benjamin氏によると、仕事の世界は不確実性が高いため、
I believe the best guarantee of employability is to keep learning and studying to gain new qualifications and skills which will indicate to future potential employers a desire to think and work in new ways and that is very attractive from an employer's point of view.
エンプロイヤビリティ(就業可能性)を最大限に保証する方法は新たな資格やスキルを得るために学習し続けることであり、それは将来の就業先において最新の手法で考え働くことが出来るという姿を前もって示すことにほかならず、企業の視点から見ても非常に魅力的に写るだろう。
と言います。また、Serious Fraud Officeのchief executive、Philippa Williamson氏は、マネージャーの役割が部下を業務に集中させるための盾としてスポンジのように外部圧力を柔軟にさえぎることだと述べた上で、次のように語ります。
But their skills have to remain current - how a leader dealt with something five years ago may no longer be applicable in today's working environment, and people who are responsible for the development of others must bear this in mind, first taking responsibility for themselves
そのスキルは常に最新のものでなければならない―リーダーが5年前にとった方法は現在の労働環境には適用不可能なのであり、他者の育成に責任を持つ人は誰でも、自分自身の成長に責任を持たねばならないことを肝に銘じておくべきだ。
資格の有用性など、そのほかにもコメントがありますので、興味のある方は是非原文をご覧下さい。
この話はただキャリアを高めたい個人だけでなく、組織の人材開発部門や事業部門のリーダーにも当てはまりますね。誰であれ、チームや組織を成長させるには、まず最初に自分自身を成長させていくことが重要、というニュースでした。
ご一読感謝!
コンサルティングファームとして、研修専業会社では難しい、貴社のマネジメントや組織に適した研修をオーダーメイドで設計・提供させていただいております。