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なぜ人事はイノベーションを殺すのか?
»2012年2月 3日
未来の人事を見てみよう
なぜ人事はイノベーションを殺すのか?
人事・組織領域を専門とする経営コンサルティングファーム、クレイア・コンサルティングの広報・マーケティングチームです。
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クレイア・コンサルティングの調です。こんにちは。
本日のエントリはアメリカの代表的な経営誌の1つ、Forbesより。
Why Does H.R. Too Often Kill Innovation?
なぜ人事はイノベーションを殺すのか?
http://www.forbes.com/sites/karlmoore/2012/01/23/why-does-hr-too-often-kill-innovation/
なぜ人事はイノベーションを殺すのか?
http://www.forbes.com/sites/karlmoore/2012/01/23/why-does-hr-too-often-kill-innovation/
かなり刺激的なタイトルの記事を書いているのは、カナダMcGill大学の教授karl Moore氏。この大学はMintzbergがいることで有名ですよね。この記事の共著者はMintzbergと共にCoachingOurselves.comを共同設立したPhil LeNir氏と、リクルートのWorks誌などでおなじみCreelman氏です。
リードだけでかなりの部分を言い表していると思えるのですが、
"Whatever you do, please don't mention this to anyone in HR, they will kill it". That quote may sound odd but it is real. The 'it' being kept secret from HR is an innovative learning program. I am sure the same thing happens with all sorts of HR innovations, not just learning. When HR hears about a manager who is doing things a little bit differently their first reaction all too often is to want to kill it outright or wrap it in a deadly python of bureaucracy.
イノベーティブなことをするなら、絶対に人事には言うな。アイツラは全てを台無しにしてしまう、といった感じでしょうか。全てのイノベーションではなく、ここでの対象は人事・人材開発関連、ということですが、研修プログラムだけでなく、人に関するイノベーションなら全てこうなる、と断言しています。
人事がこのような態度をとる根本的な理由については、
simply that HR wants to protect its turf; if it's an HR related effort they want to control it and any associated budget.
とあって、この傾向はIT/情報システム分野でもよく起きる、と言います。例として挙げられているのは、Windows主体の会社にMacを持ち込む、といったもの(笑)。
そこでの情報システム担当者の行動はなんとなく予想がつくのですが、人事と比べて職種柄ロジックに強いからでしょうか、そういった課題にぶち当たった時に、
A good IT department will look at the issue, assess the risks, see if there are reasonable steps to mitigate the risk, and if it makes sense then allow the user to go ahead with the non-standard system.
Yet HR does not as often seem to have this risk assessment / risk mitigation mindset.
と、リスクを計測し、それを軽減した上で標準外のものを適用するプロセスを経るのに対し、一方で人事にはそういったマインドセットがそもそも無いと述べています。
その理由は大きく2つ。
- many HR professionals grow up in a quasi-legal world where their job is all about ensuring the organization does not fall foul of labor laws
- historically HR has championed enterprise-wide programs
労働関連の法の番人として君臨してきた故に間違いが冒せない、そして、全社的なプログラムにこれまで特化してきた歴史がある、と。
前者は間違いなく引き続き人事の機能として提供すべきものでありますが、後者については、
there is a need for greater responsiveness to a rapidly changing external environment, and a big need for great innovation, not just in products but across the organization.
製品だけでなく組織レベルで、流れの早い外部市場への効果的な対応と優れたイノベーションが必須な中、不可逆的に、
we need a radically new mindset in many HR departments.
新しいマインドセットが必要、というのが彼らの結論です。
When the cost of the experiment is less than the cost of the business case they should cheer on the manager to go ahead and try it out.
コストを適切に判断してゴーサインを出すという感覚も必要です。何より、
you don't get to learn from failed experiments or build on successful experiments if you kill experiments before they can begin.
やってみなきゃ何も学べない、ということですね。
当然社内での人事の信頼性の維持は重要ではありますが、現場にもっと実験的経験をさせることでより良い関係を築いていくほうが有益だ、という意見は非常に同意できます。最終的に、
rapid learning, happier managers and a better loved HR function
このwin-win-winを成立させることが求められてくる、と。
日本企業においても、カンパニー制が流行ったり、グループ内で子会社を設立したり、というブームがあり、またそれを再編したり、と組織の形態に関する改革は連続的に続いている印象があります。とはいえ、ビジネスが複雑になるにつれ、より現場で判断して動く、そのために人事機能ももっと事業部側に寄って行って、日本企業でいえばカンパニー/事業部人事、外資的にはHR Generalist / Business Partnerが密接にビジネスに貢献するような、人材開発も含めた人事業務を現場に提供する形に、ゆっくりとしかし確実に移行していっているようにも感じられます。
直接のビジネスに対する貢献を人事が明示することは困難が伴いますが、イノベーションの推進にも積極的にコミットできる人事機能が提供できていくと良いなぁ、と思います。
ご一読感謝。
Have a wonderful weekend!
~
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