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コッター教授が語るマネジメントとリーダーシップの違い
»2013年1月10日
未来の人事を見てみよう
コッター教授が語るマネジメントとリーダーシップの違い
人事・組織領域を専門とする経営コンサルティングファーム、クレイア・コンサルティングの広報・マーケティングチームです。
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クレイア・コンサルティングの調です。こんにちは。
謹賀新年。2013年最初のエントリとなります。本年もよろしくお願いします。
Harvard Business Reviewに、リーダーシップやチェンジマネジメントの大家であるKotter教授の記事が掲載されています。
Management Is (Still) Not Leadership
マネジメントは(依然として)リーダーシップではない
BBCからラジオインタビューへの誘いを受け、習近平氏の共産党トップへの就任やBBC社長のスキャンダル辞任などを紐解く形でリーダーシップに関するをしていく中、どうやって個人が巨大かつ複雑で扱いづらい組織を着実かつ効果的に維持できるのか、と問われたとのこと。しかしKotter教授曰く
That's not leadership, I explained. That's management ? and the two are radically different.
それはリーダーシップではありません、と私は説明をした。それはマネジメントであり、そしてこの2つは根本的に異なるものである。
Kotter教授によると、人々はこの2つの用語について3つの間違いをしているのだとか。
- 「マネジメント」と「リーダーシップ」を互換性があり代替可能だと考えている。
- 「リーダーシップ」を組織階層の一番上にいる人、「マネジメント」をその下の階層にいる人々と捉え、その他を社員と規定している。
- 「リーダーシップ」をカリスマのような人格特性だと考え、少数の人しかリーダーシップを発揮できないと捉えている。
確かに日本においても、リーダーシップやマネジメントは混同して捉えられているように思います。ここ数年は、特に人材開発の世界において、マネジメント研修からリーダーシップ研修へと(内容はともかくとしてまずはコースの名称から)変わってきているように感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ではそれぞれの定義は何なのか。
management is a set of well-known processes, like planning, budgeting, structuring jobs, staffing jobs, measuring performance and problem-solving, which help an organization to predictably do what it knows how to do well.
マネジメントは計画や予算、段取り、採用、評価や問題解決といった、よく熟知されたプロセスの集合であり、やり方を心得ているこれらのプロセスを組織として予知可能な形で実施していくものである。
ただ問題は、このプロセス自体は大変複雑なものであり、しばしばその点が見落とされている、と言います。故にマネジメントは必須のもの(management is crucial)なのですが、でもこれはリーダーシップではない、と。
Leadership is entirely different. It is associated with taking an organization into the future, finding opportunities that are coming at it faster and faster and successfully exploiting those opportunities. Leadership is about vision, about people buying in, about empowerment and, most of all, about producing useful change.
リーダーシップは(マネジメントとは)完全に異なるものだ。リーダーシップとは組織を未来へといざなうものであり、次々と直面する機会を選りすぐっていくことであり、これらの機会を成功裏に活用していくことだ。リーダーシップとはビジョンであり、その役を引き受ける個人であり、エンパワーメントであり、そして何よりも、意味のある変革を作り出していくことである。
これに続く次の一文も興味深いですね。
Leadership is not about attributes, it's about behavior.
リーダーシップとは元々備わっているはずの属性のことではなく、行動を意味する。
そして、
And in an ever-faster-moving world, leadership is increasingly needed from more and more people, no matter where they are in a hierarchy.
かつてないほど動きの速い世界の中で、リーダーシップはますます多くの人々に必要とされてきており、当然ながらその人々が組織階層のどこに所属しているかは何ら関係が無いのである。
組織のトップのみがリーダーシップを発揮する状態は失敗への処方箋だ、とまで言い切っています。
2013年が始まりましたが、改めて今年一年の目標を考える際に、このマネジメントとリーダーシップの違いを念頭に、自分自身や組織の強みや弱みを確認してみてはいかがでしょうか。
会社で運営している以上、このブログも当社の経営方針からは逃れ得ないのですが、この年始も継続して運営していけることは年末に確認できました(笑)。年初にいきなり終了が発表されるブログ、サービスも散見され、他人事ではない背筋の凍る思いがしておりますが、ひとまずは延命です。
今後も人事・組織関連の実務に邁進される経営層、管理職、専門職の皆様の役に立つようなコンテンツを提供していければと思います。引き続きよろしくお願いいたします。ご一読感謝!
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当社のサービスですが、時代の要請に合わせ、リーダーシップやマネジメントの強化につながるものが多くラインアップされています。
まさに属性ではなく行動を、かつ再現性あるコンピテンシーとして発揮出来るかどうかを焦点に、測定を行っていく人材アセスメントは、「リーダーシップ」を見極める最適な方法の一つです。
また、リーダーやマネージャーの育成プログラムも用意しています。
組織において事業戦略を実現するために、どのような役割の組み合わせを持ち、どう人材マネジメントをしていくか、を考える上では、人材ポートフォリオ設計が参考になるかと思います。
この変化の激しい時代、個々人に求められる役割もどんどん変化していきます。そのような場合は、職能や職務ではなく、(年々変わる)役割をベースに人事制度を整備するのも良いかもしれません。すでにいったん職務主義に近い成果主義を導入された会社をはじめ、まだ職能資格制度を運用されている会社においても、この形に移行される会社が増えてきています。
そして、(2013年度も含めた)2014年度新卒採用を実施中です。