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「スクリプト」の説明(3)
技術屋のためのドキュメント相談所
「スクリプト」の説明(3)
IT技術者経験をバックグラウンドに、技術系の専門的な情報を「分かりやすく書く」スキルの指導を得意とするドキュメント・コンサルタント。技術者向け文書作成研修経験多数。
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技術屋のためのドキュメント相談所長の開米です。
前回上げた改良すべきポイントの1点目、「一連の手順」部分の単純化もしくは抽象化ですが、要するに「機械語に変換する」「ライブラリを結合する」の2つを一緒にします。その上で文言も単純化します。
次に、「手動」と「自動」の違いが見えるようにすることですが、この方法はいろいろとあります。
たとえば、色分け↓
線種の変更↓
文言の変更↓
↑要するに「手動」「自動」では字面が似ているので、似ていない表現に変えるという方法です。一度実験したことがありますが、実際、見た目が似ていると人間はよく誤読するんですよ。
見た目が似ていなければいいので、自動・手動を○×で表現したりするのも可です。
さて、ざっとこんなふうに、「手順」欄で比較項目を示しつつ、コンパイラ言語とスクリプト言語を比較して見せたところでめでたしめでたし完成・・・としたいところですが、実はもう一工夫する余地があります。
もともとこの話は「スクリプト言語」についての基本的な説明文をリライトしようという話でしたが、そもそもこうした「基本的な説明文」を読もうとするのは、技術知識が豊富な人でしょうか、乏しい人でしょうか。
と考えると、乏しい人に決まっています。技術知識が豊富な人はこの程度のことは既に知っているのでわざわざ読みません。
では、コンパイラ言語とスクリプト言語の基本的な特性の違いも知らないような初心者に対して、これだけの説明で十分でしょうか?
十分じゃないんですね。
わかったような気にさせるだけならこれだけでもかまいません。しかし、技術者としての勉強をしようとしている人が対象なら、コンパイラ言語とスクリプト言語の技術的な特性の違いをもう一段深く理解させておきたいところです。
それには、
- 「実行ファイル作成」のタイミングがコンパイラ言語とスクリプト言語で違うこと
- その結果、性能に差が出ること
を「見える」ように説明しておきたいところです。
(続く)