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ペーパーレス会議システム MP:eMeeting

ペーパーレス会議システム MP:eMeeting

開米 瑞浩

IT技術者経験をバックグラウンドに、技術系の専門的な情報を「分かりやすく書く」スキルの指導を得意とするドキュメント・コンサルタント。技術者向け文書作成研修経験多数。

当ブログ「技術屋のためのドキュメント相談所」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/doc-consul/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


こんにちは。技術屋のためのドキュメント相談所長の開米です。

先週、東京ビッグサイトで開催された、ITproExpoに行ってきました。
楽しい製品発表がてんこ盛りだったのですが、そのうちの一つ、ペーパーレス会議システムのMP:eMeetingが面白かったので紹介します!

製品名:MP:eMeeting
提供会社:株式会社デジタル・ウント・メア (Digital und MeeR)

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「会議」というとたいてい必要になるのが「資料配付」。たとえば社内の各所から10人ぐらいの関係者を集めてちょっとしたミーティングをするような、週に何度もありそうな場面を考えてみても、下記のような段取りで行うことがよくありますね。

      2014-MP-eMeeting-dandori.JPG

要するに大まかにいうと「事前準備・会議・事後処理」の3つのフェーズに分かれます。「事前準備」のために会議用資料を印刷、配布し、「会議」本番ではそれを使って発表と議論を行い、「事後処理」ではたとえば機密性の高い資料の場合は回収してシュレッダーにかけるなどの処分が必要になります。逆に「この情報を共有してどんどん活用しよう」という場合もあります。

■紙媒体で資料配付をする会議につきものの問題とは?

しかしよく考えるとこのプロセスの中にはいくつかの「問題点」があります。たとえば資料を印刷・配布しようとすると、紙代・印刷代・人件費がかかりますし、エコにもなりません。人数にもよりますがリードタイムも必要なので、思い立ったら1分で会議を始める、というわけにも行きません。

印刷した情報を回収・処分するにも人件費がかかりますし、それをサボると情報漏洩リスクが高くなります。逆に、情報の共有活用を進めるにも、ポイントをまとめたメモ(議事録)の配布・保存といった手間がかかるものです。

私も、「そういえば、印刷した資料に手書きでメモしたものって、自分だけのメモにとどまってて、共有は出来てないこと多いな・・・スキャンして配るとか、手間かかるからな・・・」といったことを、MP:eMeeting開発元の株式会社デジタル・ウント・メア代表取締役、戸田和彦様の話を聞きながら考えておりました。

■ペーパーレス化が費用とリスクを引き下げる

これらの問題点は「ペーパーレス化」することで解決できるものが多そうです。たとえば印刷・配布や回収・処分にかかる紙代・印刷代・人件費と情報漏洩リスクはなくなります(もちろん、デジタル化による別な情報漏洩リスクは出てきますがそれは別な話です)。

開米 :・・・なるほど、コピー代の節約になるんですね?
戸田様:そうなんです。コピーにかかる費用と手間を減らせることは、お客様から評価が高いですね。たとえば印刷・製本の人件費も含めると1回の会議で1万円程度、年間だと50万円以上のコストをカットできたという声をいただいております。
開米 :手間の軽減というのも大きなものがありそうですね。
戸田様:はい、そこなんですが、事前の印刷・配布にかかる手間ばかりでなく、事後の回収・処分も当然楽になります。
開米 :ああ、回収も処分も不要ですもんね
戸田様:そうなんです。実際使っていただいたお客様からは予想以上に会議の開催が楽になったという声をいただいてます。
開米 :それは特にこの業種でといった傾向はありますか?
戸田様:たとえば病院様からはこの点の評価が高いですね。事後に破棄しなければならない機密情報を扱う短時間の会議が多い業種ですから。
開米 :ああ、なるほど。納得です。

これらの問題点が解決できるとしても、「やっぱりPCやタブレットの画面は印刷物より見づらいんじゃないか。それで会議なんかできるのか?」という心配をする人もいそうですが、5年10年前ならともかく現在ならここはそう問題にならない気がします。たとえばPCを使ってペーパーレス会議をするのが普通になっている会社も今は多くなりましたし、「紙媒体の資料配付なし。各自がタブレットやPC画面で資料を見ながらのペーパーレス会議」への抵抗感はそんなにないと思います(業界・会社によって差はあるでしょうけれど)。

MP:eMeetingの動作環境イメージはこのようになっていて

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ホスト用にPCが一台必要で、クライアントはAndroidタブレット、iPad、PC(WindowsXP,Vista,7,8で稼働)。
上記図中には Androidタブレットしか書かれていませんが、iOS用クライアントもありますし、PCをクライアントにすることも可能。
ホスト用PCは資料配布のサーバの役割を持ちます。ノートPCでも問題ないため、客先への営業訪問の場面などでも使えるそうです。

↓タブレットのうちの一つを発表者モードにすることで、他の参加者に同じページを見せながら話をすることができます。

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↓また、誰でも気になったところにポインタを置いたり、

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↓書き込みをしてそれを他の参加者に共有することができます。

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■ペーパーレスならではのコミュニケーションのしやすさも

このあたりはホワイトボード的な感覚で使えそうですね。ページを前後に移動しながら、アイデアを書き込みながらのミーティングをするにはホワイトボードやプロジェクターより楽なんじゃないでしょうか。

ペーパーレス会議というと、たとえば参加者全員がPCを持ち寄って、ファイルサーバに置いた同じPowerPointやExcelファイルを開いて、といったやり方もありますが、その方法だと人によって違うページを見ている、というコミュニケーション不良のケースが多発します。MP:eMeetingなら発表者からページをコントロールできるので、その問題は起きません。

↓タブレットですから、拡大・縮小操作は当然可能。

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なお、会議中に書き込んだメモはホストPCでPDF出力が可能なため、会議終了後即座に議事録代わりに配布することもできますね。これも、ペーパーレス化によってコミュニケーション不良の解決につながる面といえます。

iPadやAndroidタブレットのような、タブレット機でこのようなシステムが動くようになると、PCを使い慣れない職場でもペーパーレス会議が出来るようになるので、新たな市場開拓が期待できそうですね。

開発元の(株)デジタル・ウント・メア代表取締役、戸田和彦様との一枚(右が戸田様、左が開米です)。

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