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問題→課題→解決策の流れで整理する

問題→課題→解決策の流れで整理する

開米 瑞浩

IT技術者経験をバックグラウンドに、技術系の専門的な情報を「分かりやすく書く」スキルの指導を得意とするドキュメント・コンサルタント。技術者向け文書作成研修経験多数。

当ブログ「技術屋のためのドキュメント相談所」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/doc-consul/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


こんにちは。技術屋のためのドキュメント相談所長の開米です。

前号で掲載した翻訳管理システムYarakuZenの紹介記事についても、「わかりやすく書く技術」の観点でどんなポイントがあったか振り返ってみましょう。

今回もフロー図を使っています。やはり人間の仕事をシステム化する仕組みを説明しようとすると、フロー図が必要になる場合が多いですね。

その上で、今回特に注目したいのは ↓↓ この図です。

2014-1023-2.JPG


説明の都合上、右側にちょっと補足コメントをつけてみましょう

2014-1024-1.JPG

要するに、まず問題の全体をいくつかの「カテゴリ」に分解した上で、それぞれのカテゴリについて「問題点」、その問題点を踏まえた「解決に向けての課題」、課題を実現するための「具体的な解決策」をそれぞれ整理していくパターンです。

この「問題点→課題→解決策」パターンはビジネス上の新しい仕組みを提案する時にはよく出てくるので、覚えておくと応用が効きます。

ポイントとしては、「課題と解決策を分離する」ように気をつけてください。
たとえば今回の例でも「課題」の項をすっ飛ばしていきなり「解決策」を書いても一応話はつながるように見えますが、若干、論理に飛躍を感じるようになります。「解決策」だと具体性が高すぎるので、一旦、抽象的な「課題設定」をしておいたほうがいいのです。

(この話はもう少し詳しく説明した方が良さそうなので、改めて別途書くことにします)

もうひとつ、「課題」と「解決策」は必ずしも一対一に対応しないので、無理に対応づける必要はありません。実際、実は私は当初↓こう書いたのですが、

2014-1024-2.JPG

「成長する例文データベース」には、「作業を簡略化できる」という意味もあるし、「翻訳管理システム」には「プロに頼む範囲を最小限にする」という意味もあるので、課題と解決策を一対一には対応づけられないな・・・と思い直して、3つの解決策をグループ化してひとまとめに「課題」と対応づけるように書き直した経緯があります。

実際、問題解決をしていると、「複数の課題が複数の解決策の合わせ技で解決される」という場合はよくあります。そこでそのような場合は今回の例のように「解決策をグループ化して、合わせ技になることを示す」方法を使うわけです。

以上、YarakuZen紹介記事についてのコメントでした。