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人口5200人の村が1000人の被災者を受入れる勇気

人口5200人の村が1000人の被災者を受入れる勇気

東 大史

2008年より“地域再生の仕掛けニスト”として活動しております。 主な活動内容はコチラにまとめております。 http://matome.naver.jp/odai/2138270881064964401

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群馬県片品村、利根川上流域にある小さな山村です。多くの農山村の多分に洩れず、過疎と高齢化が進行する人口5200人余りの地方自治体が、福島県南相馬市から1000人の被災者を受入れることを表明し、23台もの大型バスで被災地へと向かっています。


5200人の群馬・片品村、1000人受け入れ
群馬県片品村が、東日本巨大地震による福島県南相馬市の被災者約1000人を受け入れる。迎えの大型バス23台が18日早朝、被災地へ向けて出発した。
同市には正午頃に入り、同日深夜、村に到着する予定だ。
村の人口約5200人の約5分の1にあたる避難者を受け入れるという異例の支援。1か月の滞在を想定し、食費など滞在費用は村が全額負担する。


minamisouma.jpg福島県南相馬市は、福島原子力発電所から20-30kmの区域に当り、避難指示および屋内退避の命令が出ています。放射能漏れによる風評被害のため物資の供給が滞り、燃料もなく市民を移送できない極限状態が続いていました。
人口7万人のうち3万人を避難させなければいけない一方で、原発の問題から救援に二の足を踏む状況であったことも確かです。


一刻も争う状況のなかで、1億円の予算を用意して1000人の被災者を受入れる体制を整えた片品村は、人道支援の面がクローズアップされますが、現実的には非常に優れた判断をしたものと考えられます。つまり、人口減少によって住宅や耕作地が余っているのはどの中山間地域でも同様なのですが、そこに"即戦力"とも言える農業者を受入れることは、村おこしとしては最大のファインプレーだと思います。


南相馬市から避難された人々にとっても住み慣れた土地を離れる寂しさはありますが、放射能汚染の風評被害を受けた土地で農業を続けるよりも、ほとぼりが冷めるまで安心できる土地で暮らしていく方が現実的には疲弊しないで済むでしょう。


菅首相も各自治体に対して、地震被災者の受入れを要請していく方針です。つまり、国としての財源は保障した上で、各自治体に受入れてもらうというスキームが整えられつつあり、いち早く受入れ体制を構築して動いた自治体は言わば国のお金を使って地域活性化を行なうことができます。


今回の災害によって、エネルギー価格の高騰が予想されます。中東情勢は不安定であり、3.11以降には世界中で脱原発の動きが加速している以上、石油や天然ガスの争奪戦になることは確実でしょう。そうなったときには、昨年以上の水準で農産物の価格は高騰することが予想されます。


震災の影響を最小限に留めるために、経済活動を回すことは重要です。でも、それよりもさらに重要なことは、人間が生きていくために必要な生産活動を回していくことです。食料が必要であれば、食料を生産できる人を増やしていかなければいけません。


地域におけるリーダーシップが日本の未来を決める、そんなタイミングに来ているのだと思います。







当エントリに関連する過去エントリは以下のとおり。
地域おこしのエコシステム構築へ
僕らが創る、新しい社会
新・上流社会へようこそ



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