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踊り場に立つFacebook

踊り場に立つFacebook

藤村 成弘

産業アナリスト。国内大手通信キャリア、外資系コンサルティングファームを経て、現在は米系ICT専門リサーチファームにて、テレコム・インターネット領域の産業アナリストに従事。 天道流合気道門人。

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 毎日のようにお友達リクエストが来るFacebookは、世界的に利用者が増加しているSNSだが、2011年6月1日のSocialbakersによると、全世界における利用者数が2011年5月末時点で7億人を超えたと発表された。日本の月間純増数は約28万人、日本の利用者総数は339万7,240人という。

 

日本では、GREEやMixiの大手SNSが存在する中、日本の大手3社のSNS利用実態はどのようなものなのか、そして今後もFacebookユーザ数は日本でも増加していくのかを考えてみた。図1は国内大手SNS利用者比較である。日本の人口は2011年3月に総務省が発表した2010年国勢調査の人口速報集計、インターネット利用者数は総務省の平成22年通信利用動向調査から9,462万人(普及率は78.2%)を用いている。

 

 

fig1110608.gif 

 

図1から言えることは、国内の利用実態としてはユーザが大手3サービスを共に利用していると仮定した場合に、 SNS利用者は20%弱しかいないことがわかる。確かにMixiやGREEを利用せず、Facebookのみを利用しているユーザもいるとは思われるが、今回はその内分けが公開されていないことから、考慮しないこととする。

 

SNSはコミュニケーションツール以外に情報の伝達手段としても考えられている。SNSを情報の伝達手段と考えた時、マス4媒体(新聞・雑誌・テレビ・ラジオ)にどれだけ匹敵するのか。当然のことながら、世代、男女、職業の違いにより利用するメディアは異なり、コミュニケーション以外にゲーム等魅力的なコンテンツが増えてくると分からないが、Facebookユーザ数がMixiやGREEを超えるのは難しいのではないかと思われる。

 

最近では、地域SNSやLinkedInなどの他のSNSもその機能から果たすべき役割から注目されていることもあり、ブラジル、インドネシア、フィリピン等のFacebookの高い成長率の国々と比べ、日本においてはFacebookは踊り場に立っていると言えるかもしれない。