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「好きなことをやりなさい」という大人は無責任だ!
»2012年2月17日
村上福之の誠にデジタルな話
「好きなことをやりなさい」という大人は無責任だ!
株式会社クレイジーワークスの代表。家電メーカー系エンジニアでプリンタやSDカード関連の開発に従事。ケータイのアプリやサイト、電子書籍のシステムなどに詳しい。最近、断食にはまる。
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「好きなことをやりなさい」という大人は無責任だと思う。
どんどん選択肢は減っていくだけだと思う。
好きなことは出来ることにだいたい似てると思う。
例外もいっぱいあるけど、だいたい似てる。
どうして、そう思うようになったのかというと、
ぼくが高校のときに読んだ数学の参考書にこう書いてあったからです。
「好きだからできるようになるのではない。
出来るようになったから好きになるのだ。」
数学の本にそう書かれると、
「好きか嫌いかは、解けるようになってから言えよバーカ」
という意味に取れなくもないです。
ぼくは、この言葉はすごい重要だと思っています。
人は、最初、何も出来ません。
そして、大人になっても多くの分野で無知です。
何も出来ないと、すべてが嫌いになります。
何でも出来ると、すべてが大好きになるのかもしれません。
若いときに、すごくすごく好きなことを見つけた人はいいのですが、
そうではない人の方が多いと思います。
だから、若いときに、「好きなことをやりなさい」といわれても、
そもそも、好きなことも、出来ることも、選択肢が、少なすぎるのです。
そして、年をとっても、案外、出来ることも好きなことも少ないのです。
これは、とてもよくないことです。
正直言うと、ぼくはネットのプログラムなんか大嫌いでした。
触りたくもないでした。
やったことないけど、頭悪そうだし、バカっぽいから。
大学でもCGI好きな人はチャラくてコアな技術にあまり詳しくなさげでした。
そういう人と飲みに行っても女の話しかしないですし。
たぶんメモりやレジスタを知らない人種。
女の子に、自分の作った[ホームページ]を自慢げに見せていて、
gifのカウンターやCGIの掲示板を設置して自慢げな感じの人たちで、
なんか好きじゃない人たちというイメージがありました。
ぼくのようなモテない系の人はC言語で
ゴリゴリシューティングゲームとか作っていたわけで、
得意げにPerlやJavaScriptをいじっている人は
「アホそう」に見えました。
だから、ネットのプログラミングは、ことごとく避けてました。
はじめて、BASICのコードを書いたのは8歳のときでした。
しかし、はじめて、サーバーのコードを書いたのは27歳のときです。
これで、メシが食えるようになるとは思いませんでした。
おかげで、仕事の合間にアホなサイトをいっぱいつくり、
まわりからは「アホそう」な人に見られてます。
大学生のときに、やっていたらモテていたのかもしれません。
閑話休題。
「好きなことをやりなさい」という大人は無責任だと思う。
好きなことをやりなさいというのは何も出来ない無限ループになることがある。
「とりあえずやってみる人」の方が
好きなものを見つけやすいですし、
ずっとハッピーな未来があると思う。
好きなことしかしないと、
どんどん選択肢は減っていくだけだと思う。
それが、ぼくの人生の後悔です。
KAKYACの新卒のページ見てそう思っただけです。
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