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「日本から世界へ」という言葉が感情的に嫌いだ。「オレ発世界」ならいいけど。

「日本から世界へ」という言葉が感情的に嫌いだ。「オレ発世界」ならいいけど。

村上 福之

株式会社クレイジーワークスの代表。家電メーカー系エンジニアでプリンタやSDカード関連の開発に従事。ケータイのアプリやサイト、電子書籍のシステムなどに詳しい。最近、断食にはまる。

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「日本から世界へ」とか「日本発、世界へ!」などという言葉が感情的に嫌いだ。

論理的な根拠はないけど、感情的に嫌いだ。

大阪の産業界でも、大阪から世界へ!とかよく言ってる。

すごいどうでもいい業界に限って、「大阪から世界へ!」と言ってる。

「大阪・泉州のタオルを世界へ!」みたいな感じ。

タオルで世界っていうのもカッコいいのかどうか分からない。

なんか、たいしたモノを持ってない人ほど、作った国や地域を主張する。

そう思うようになったら、

ぼくは「ナントカ発世界へ!」という言い方が嫌いになった。

お客さんは、いいものであればどこで、だれが作ったとかどうでもいい。

作った国や、地域を主張する意味が良く分からない。

作った国や地域を主張するのは、作ったモノやサービスに自信がないからだと思う。

「世界の亀山モデル」とか言っていたシャープの液晶も今は見る影もない。

むしろ、作った国や地域を主張していないもののほうがいいものが多い気がする。

初音ミクを作ったクリプトンさんは、北海道だ。しかし、ミクが北海道か東京か、ものすごくどうでもいい。「北海道なら初音ミク!」とか言わない。

ハドソンも北海道だった(過去形。いまは法人としてハドソンは消滅した)。しかし、桃太郎電鉄やボンバーマンが北海道とかどうでもいい。面白かったし。

ジャパネットたかたは長崎県佐世保市にある。彼らから製品を買うときに佐世保なのかどうかなんて気にする必要もない。手数料無料なら、佐世保でもナイジェリアでも気にしない。

旧ソニーエリクソンは本社登記がフィンランドでHQはロンドンにある。民族衣装が男性用スカートの国がXperia作ったとか気にする人はいない。ケータイがどこの国で作ったものなんて、ユーザは関係ない。

Angry Birdsもフィンランドだけど、超雪国であんなのどかなゲームを作っているように見えない。むしろ、反対にAngry Birds Rioとか南米っぽいバージョンを作っていて、どうみても、フィンランド色はゼロだ。

90年代、任天堂がそんなに有名でなかったとき、スーパーマリオが日本製であると知っている人は結構少なかった。ゲームなんて、面白ければ、どこの国でもいい。マリオこそ「京都発世界へ!」と言ってもいいくらいなのに、そんなカラーは一切ない。

アメリカに行くと、ガジェットに興味がない、一般の人は、ソニーはアメリカの会社だと思っている人がかなり多い

GoogleやMSなどは組織が国境をあちこちまたいで、カオスすぎて、本当にアメリカの会社かどうかすら分からない。Googleが「シリコンバレーから世界へ!」なんて言わない。むしろ、「Google様がわざわざ作ってあげたんだから、世界中の愚民どもよ、オレのやり方に合わせて使えよ!」的なノリで世界に合わせようという姿勢すらない。

「オレ発世界」はあっても、「日本発世界」とかどうでもいい。

本当にグローバルな世界だと、作った国とか地域はどうでもいい。

お客さんに何を提供するかの方が大事だと思う。



そんなわけで、ろくすっぽ打ち合わせ時間もすり合わせないで、クリプトンに押しかけにいくことになったので、北海道にいます。雪すごい。