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漫画貧乏を読んだ。
村上福之の誠にデジタルな話
漫画貧乏を読んだ。
株式会社クレイジーワークスの代表。家電メーカー系エンジニアでプリンタやSDカード関連の開発に従事。ケータイのアプリやサイト、電子書籍のシステムなどに詳しい。最近、断食にはまる。
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読んだ。
漫画家というビジネスは破綻してるしヤヴァイ、10年後には漫画は無いかも。俺はwebで漫画うるぜー!という話。
Webでも読めます。紙で読むよりいいかも。安いし。
海猿のときの収支は載ってた。びびったのが、当時で週刊連載ページ1万円で月80万円の売上という話。作画スタッフ3人の費用と画材とかスタッフの食費とか家賃払ったらガチ赤字ですという話。詳しい収支の内訳は本文に載ってますが、たしかに破綻してる。単行本出るまで、貯金が減りまくりチキンレースだぜという話。っていうか、貯金ないと漫画家デビューできないのか!?
えー。1ページ1万円ですか。えー、単純比較できませんが、すでにソーシャルゲームのカード素材の方が単価高いかもですね。プロの週刊連載より、ソシャゲの絵描きの方が高いんですかね。
一般的にスタッフ3人を使って、月80万円の売上というのは、ビジネスとして、すでに破綻している。一般的に、ざっくりな話で、会社のビジネスを図るとき売上の目安は以下のようなものです。
- 福利厚生が無い零細企業で[ 60万円×社員数]
- 福利厚生がある中小企業で[100万円×社員数]
そんなわけで、原稿料では漫画家って死ぬよねというのは、ビジネスやったことある人なら痛いくらい分かると思います。
佐藤先生は単行本もいっぱい出て、ドラマ化、映画化されまくりなので、サクセスしたパターンなんですけど、出版不況で雑誌が消えたりするし、単行本でないケースもあるし、出てもそこまで売れないのが99%なので、このままいくと破綻するぜー!という話。クールジャパンどころちゃうわな。
中盤は成功して、印税入ると、こんだけーという話とか、16万部売れないと普通のサラリーマン並みのカネが入ってこないとか数字な話。たしかに16万部って最近の出版業界ではキツい数字ですね。後半は佐藤先生が漫画onWebを立ち上げるまでの奮闘気です。初日で10万円いったぜー、けれど、オープン時はバグが多くて泣いたとか、そんな話。Webサイト運営で誰もたどる茨の道を書いてます。
カネカネかいてますけど、佐藤先生の漫画はまじめに面白いです。特攻の島とか。ただ、OnePeiceやドラゴンボールみたいに、仕事する前に一気読みして、俺もがんばろう!という気分の漫画ではなく、読んだら、一日考えさせられる重い漫画多いです。
ブラックジャックによろしくの癌偏とか、まじめにやばい。オカン癌とか泣く。ズルい。よんでない奴は無料なので読め。
一度、仕事場にお伺いしたことがあるんですけど、同人業界でおなじみの「コミックスタジオ」とタブレットで描いててびっくりした。どうみてもタブレッドの線に見えない。デジタル職人技すぎる。
ツィッターで佐藤先生が漫画は10年後ないよ!って言ってる意味がよくわかる気がします。