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TOEIC(R)テストでスコアを落とすのはリーディング?

TOEIC(R)テストでスコアを落とすのはリーディング?

柏野 裕美

1975年生まれ。大阪 → シンガポール → 今、東京。2007年に帰国し、外資系ITベンチャーで広報を担当。2013年に独立。PRコンサルタント、文筆業、地域再生プロジェクト、英語学習分野で活動中です。

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「TOEICの日」ってご存知ですか? 

「トー(10)イッ(1)ク(9)」の語呂合わせで10月19日を「TOEICの日」として一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会が制定したそうです。

 個人的に国際ビジネスコミュニケーション協会が毎年発行している「TOEIC(R)テスト Data&Analysis」は興味を持って拝見しています。

 面白いことに、毎年の受験者平均スコアを見ると、リーディングのスコアはリスニングよりもほぼ50点低いんです。公開テストもIPテストも。

 

TOEIC_Open.png

TOEIC_IP.png

※一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「TOEIC(R)テスト Data&Analysis 2007」、「TOEIC(R)テスト Data&Analysis 2011」、「TOEIC(R)テスト Data&Analysis 2013」を参照、筆者が加工。

 

 

「リスニング」と「リーディング」が大切な理由

英語力は一般的に、「リスニング」「リーディング」「スピーキング」「ライティング」の4つの技能にわけられます。

TOEIC(R)テストでは、4つの技能のうち「リスニング」と「リーディング」の習熟レベルが問われます。「リスニング」と「リーディング」は英語の情報を受ける能力として、母国語ではない日本人にとっては英語を扱う入り口になります。聞いて理解する。読んで理解する。まずは英語で与えられた情報を理解できるかできないかというスキルを十分に養えていないと英語を使う環境ではかなり差し支えます。

就職試験や昇格などで英語力の目安としてTOEIC(R)テストのスコアが使われるのは、そういった基本的な英語力を持っているかどうかを見定めるためでもあるのです。だからTOEIC(R)のスコアが900点を越えていても話せない人がいるのは当たり前なんですよね。日本人に限らず、母国語以外の言語で「スピーキング」と「ライティング」ができるようになるにはかなりの練習が必要です。

英語が苦手だとしても、せめて情報を受け取る力をしっかりと養っておくのは大切ですから「リスニング」と「リーディング」は、英語を話す外国人がまわりにいなくても、出来ることを出来る範囲で地道に続けていくのが良いのではないでしょうか。

  

 

TOEICのリーディングでスコアアップを図るために

TOEIC(R)テストのリーディング・セクションでは、英語を速やかかつ正確に読解して処理するスキルが必要なので、目にした単語の意味がぱっと頭に浮かぶ語彙力、瞬発力の強化が必要です。

今年のTOEIC(R)テストも残すところ10月26日、11月23日、12月14日の3回になりました。TOEIC(R)テスト対策に励む「iKnow!」英語学習ユーザーの学習データをもとに、目標スコア470、600、800点ごとの「間違いやすい単語・熟語ランキング」が発表されたので、参考にしてみてください。

 

 

◆TOEIC 470点を突破しよう!◆

(順位・単語・意味)

1.apparently 一見したところ、どうやら~らしい

2.appeal 嘆願、要求

3.largely 主として

4.descend 下る、傾斜する

5.liberal 寛大な、自由な

6.emerge 出てくる、現れる

7.despair 絶望

8.associate 結びつけて考える、関係させる

9.contrary 反対の、逆の

10.commission 手数料、歩合

11.locate 突き止める、捜し出す

12.realize 気付く、十分に理解する

13.criticize 批判する、批評する

14.barely かろうじて、やっと

15.modest ささやかな、謙虚な

16.necessity 必要、必要性

17.destruction 破壊、滅亡

18.unquestionably 疑いなく、明らかに

19.swear 誓う

20.respect 点、箇所

《解説》

キーポイント:知っている単語を活かして知らない単語の意味を推測!

 470点を目指すには、まずは基本的な単語の意味や用法を覚える必要があります。そして、知っている単語を活かして分からない単語を推測するスキルや知識を意識するとさらに語彙が広がります。

 例えば、unquestionablyという単語は長くて難しそうですが、questionなら誰でも知っている単語です。その上で、-ableという接尾辞は動詞について「~できる」という意味の形容詞を作る、という接頭辞は形un-容詞について、もとの形容詞とは反対の意味の形容詞を作る、-lyという接尾辞は形容詞を同じ意味の副詞に変える、などのルールを把握しておけば、question「質問する、疑問に思う」+ --able = questionable「質問しうる、疑問を持ち得る(疑わしい、疑問の余地がある)」+ un- = unquestionable「疑わしくない(疑う余地のない、明らかな)」+ -ly = unquestionably 「疑う余地なく、明らかに」というふうに大体の意味を想像することができます。

  多くの単語に触れると、このような規則性を発見することができ、わからない単語も意味を推測しやすくなり、覚えやすくなります。

※iKnow!ブログの関連記事:語彙力が一気につく!接尾語+接頭語+語幹のパターンを覚えよう!

 

 

◆TOEIC 600点を目指せ!◆

1.cautious 慎重な

2.push for ~を得ようと努める

3.turn up 姿を現す

4.live up to ~に応える、沿う

5.go over ~をよく検討する

6.perceive 知覚する

7.possibly もしかしたら

8.come up with ~を思いつく、考え出す

9.definite 確定した、明確な

10.content 満足して

11.correspond 相当する、表す

12.set out 出発する

13.regardless of ~にかかわらず

14.closely 厳密に、しっかりと

15.splendid 素晴らしい、輝かしい

16.deserve 値する

17.specific 特定の、具体的な

18.set aside 蓄えておく

19.fall behind 遅れる

20.constitute 構成する

《解説》

キーポイント:句動詞に含まれる初歩的な動詞に惑わされない!

 ランキングのトップ2〜4位を句動詞(動詞+副詞、動詞+(副詞)+前置詞)が占めています。「push for」「turn up」「live up to」「go over」のように、TOEIC(R)テストで600点を目指すレベルであれば知っている動詞が句動詞になると、意味が変わってしまうため、間違える傾向が顕著です。また、句動詞は単独では覚えにくいので、文脈の中でその活用法を学んでいくと習得しやすくなります。

 

 

◆TOEIC 800点を狙え!◆

1.pull off ~を成し遂げる、成功する

2.discretion 思慮深さ、慎重さ

3.straighten out ~を解決する

4.solicit 勧誘する、求める

5.draw up(計画など)を練る

6.prevail 広がる

7.reap 利益を得る、報いを受ける

8.premises 家屋、敷地

9.endorse 支持する、承認する

10.pass up(機会など)を見送る、逃す

11.oust 解雇する、解任する

12.sort out ~を処理する、解決する

13.subsequent その後の

14.incorporate 取り入れる

15.entail 伴う、必要とする

16.give rise to ~を引き起こす

17.substantial かなりの、相当な

18.adhere to ~に従う、~を忠実に守る

19.complacency 無頓着、現状に満足しきっていること

20.fill in for ~の代理をする

《解説》

キーポイント:難易度の高い英単語と句動詞を攻略!

 TOEIC(R)テストで800点を狙うためには、難易度の高い英単語を身につける必要があります。英単語は難易度が高くなればなるほど意味が限られてきます。例えば、文脈によって意味が変わりやすい動詞でも、ランキングにある「solicit」「prevail」「reap」「entail」などは語彙レベルが高く、多くの意味を併せ持ちません。また、難易度が高い単語が句動詞や熟語に含まれる場合、その単語そのものと意味が大きくかわることはほとんどありません。こういった単語はビジネスシーン以外ではあまり触れることがないため、使えるレベルに到達するには時間を要する傾向があります。また「subsequent」など時間軸を表す形容詞や副詞はたくさんあるため、積極的に習得しておくことも大切です。

  

いかがでしたか?

ここで紹介した「TOEIC(R)テストの間違いやすい単語・熟語ランキング」、是非、おさらいに活用してくださいね。しっかり読んで聞いて、英語を理解できる力を身につけていきましょう!