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お弁当事情から学ぶ資本主義と社会主義

お弁当事情から学ぶ資本主義と社会主義

吉崎 寛

「ニヤニヤ」を追求する団体「にやや会」を設立。ブレストしたり、勉強したり、知的生産活動を通して生まれるニヤニヤを世の中に還元しようと奮闘中。そんな日常に潜むニヤニヤを記事にしていきます。ニヤニヤできるコラボをしてくださる方も絶賛募集中です!

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昨年は新潟、今年は神奈川と東京、勤務地域がガラリと変化。
場所が変われば昼食事情も変わる、ということで今回はそのことに触れてみようと思う。

■切実なニーズ
神奈川県の某所に通っているが、住宅街のど真ん中にオフィスがあるため昼食を取る場所が少なく、それが社員の間での大きな不満。しかもお店は混んでいる上においしくないという残念な状況。需要の絶対量が少ないために供給側も少なく、質が上がらないのだと思われる。
その環境は以前から変わりなく、新人研修の際に訪れた時も先輩からそんな話を聞き、今年に入って通うようになって自分もそう感じるようになった。

しかし、不満があれば改善するのが人間というもの。どこかから、仕出し弁当が取れることを発見した人が現れた。安い(400円)し、おいしいし、毎日違うものを食べられる、それは皆が求めていたもの。
コンビニに通う人は激減し、仕出し弁当にお世話になる人が急増。今までどれだけ不満に思っている人が多かったことか。
不満=ニーズ、である。当たり前なことだが、ニーズのあるところに商機があるんだなと身をもって実感した。


■競合の出現
そんなこんなで幸せなお弁当ライフを送っていたところ、別のお弁当業者が営業にやってきた。今まで一度もそんな営業来たことがないのに!
さて、やってきた新規参入業者。どんな提案をしてきたかというと
・2日間無料お試しサービス
・お試しサービスの後継続的に注文してくれた場合、ずっと50円引き!(400円⇒350円)
とりあえず無料だからということで頼んでみたところ、ボリュームもありおいしい。なんてこった。多数決を取ったところ大多数が新規業者を支持し、あっけなく乗り換えることに。

●市場調査
きっと、大量のお弁当を納入しているところを目撃して、大口顧客になりえると察知して営業に来たのだろう。ゼロベースから飛び込み営業をかける手間を省いる。
競合の取引先を調べることはやはり大切。逆に言えば、迂闊に取引先の情報を他に漏らすことが由々しき事態に発展する可能性がある、ということでもある。

●QCDと囲い込み
QCDとはQuality(品質)Cost(コスト)Delivery(納期)の頭文字で、製造業で満たすべき3つの要素。別に製造業でなくても当てはまり、今回の事例で言えば
Q:新規業者に軍配
C:新規業者に軍配(囲い込みアリ)
D:同等
ということで、2勝1分で新規業者の勝ち。しかもコストの優位性に関してはこのタイミングで乗り換えないと恩恵が受けられないため、その制限もプレッシャーに。

こんな感じで、2011年神奈川県の某所で弱肉強食のお弁当戦争が繰り広げられていた。


■競争のない世界
変わって、昨年までいた新潟では。
会社には2つのお弁当業者が出入りしていた。
1月毎に交代することが決まっていて、どちらの業者にするかの選択権はなかった。
工場の多い海沿いの地帯だったが、周辺の工場も同様だった様子。
均等に分配して共生していた。

■選択肢がないと質が下がる
味はどうかというと、正直言っておいしくない。新潟はごはんがおいしい、はずなんだけど。。。
非常に安かったのでコストはピカイチだったけど(もちろん2業者ともに同じ値段)

ずっと前は、片方の業者のお弁当はすごくおいしくて、もう一方は褒められたものではなかったそうだが、時間がたつにつれて、おいしかった方の質は下がり、イマイチだった方の質は上がって今では均衡状態になっているそう。
競争がないから、そこそこでも別にいいかなという意識が蔓延していたのだろうか。もっと高い位置で均衡してくれればうれしいのだが、なかなかそうもいかない様子。
しかし、縮小はしても拡大する見込みがあまりない地域ではこのような方法も必要なのかもしれない。

前者は資本主義による弱肉強食の世界。
後者は社会主義による共生の世界。
みなさんはどちらが好きですか?