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2013最新リノベーション事情(3)自分で「住まいを編集する」
»2013年4月26日
住宅・不動産業界とネットの進化をウオッチ
2013最新リノベーション事情(3)自分で「住まいを編集する」
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リノベーションと「住まいの編集」
「現代のライフスタイルに合わせて中古住宅を甦らせる」ところから進化が始まったリノベーションだが、恐竜から派生して鳥類が他の生命の手が届かない広大な大気圏を支配したかの如く、異次元の進化が始まった。それが「住まいを編集する」だ。
現代のライフスタイル、と言ってピンと来る人は多くない。なぜなら、他のカルチャ―分野同様に、あまりにも多様化して、一律ではなくなってしまっているからだ。日本は工業製品だけでなく、人の生活も多品種少量生産の時代に入っている。
つまるところ、同じ生活をしている人間がいるはずがなく、実態としてはそれぞれの人、家族の生活が無数にあるに過ぎない。その真実に「リノベーション」は上手に寄り添いつつある。これがリノベーションなら自分の住まいを自分で「編集」することができる、ということだ。
かつて戦後、大量に供給された団地は事前に設計されて国民に与えられた。生産性という作り手の効率から生まれたハウスメーカーのプレハブ住宅は、確かにカスタマイズは自由であるものの、思想はパーツの共通化であり、工期の短縮だ。何より新築住宅の大量供給が必要とされた時代の最適化された「種」だ。
自分で「住まいを編集する」ことは、中古の家が余ってきた現代だからこその必要性をもって登場したムーブメントなのだ。リノベーションのプロを相手にも物おじせず、事細かに暮らしたい生活をイメージして一級建築士に指示できるエンドユーザーが増えてきている。エンドユーザーの適応能力は、業界の人が思っている以上に高いのだろう。
そして今では、リノベーション会社に希望を指示するだけでなく、リノベーションの工事プロセスも自分で行えるのだ、ということがだんだん分かってきた。センスの良い輸入壁紙を自分で貼ったり、室内の壁に自分でペンキを塗ってアレンジを楽しんだり、DIYという要素も「リノベーション」は取り込み始めている。
リノベーションは「クロマニヨン」?
リノベーションの進化は止まっていない。だから、どういったタイプのリノベーションがオウストラロピテクス(猿人)で、何がジャワ原人にあたり、何が旧人ネアンデルタール人、新人クロマニヨンにあたるか、今正確に言い当てることはできない。後の歴史に任せるしかない。
大手の新築マンションデベロッパが、1棟丸ごとリノベーション事業を開始し、大手不動産仲介会社もリノベーション済み物件を全国規模で扱い始めた。リノベーションとはちょっと違うが、弊社が専任で扱う物件はほぼすべて建物検査済みで安心ですと謳う、大手不動産仲介会社も現れた。まるで恐竜とは種が違う海洋性爬虫類な感じだが、中古住宅の流通という隣接分野でも進化が起き始めていると言えるだろう。
今我々は、まさにカンブリア爆発を起こしている状態の「リノベーション」という種の進化の過程を目の当たりにしている。酸素を作り出し、この地球を現在まで支配し続ける植物のようになるか、昆虫のようにしぶとく生きる種になるか、巨大化して環境変化に適応できなかった恐竜になるのか、はたまた道具や言語といった独自の手法で短期間で世界を一変させた人類のようになるのか。
これはリノベーションという手法の変化ではない。日本人の住まいかたの変化だ。観察しよう、などとは言わない。当然各人が自分で参加して、自分で「住まいを編集」するべきなのだ。それが「最新式」ですよ。
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