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「あきらめないで!マイホーム購入」~すでに買った人が「今は買い時だ!」と言う理由とは?~ 

「あきらめないで!マイホーム購入」~すでに買った人が「今は買い時だ!」と言う理由とは?~ 

川瀬 太志

ハイアス・アンド・カンパニー取締役常務執行役員。都市銀行・大手経営コンサルティング会社・不動産事業会社取締役を経て現職に。住宅・不動産・金融の幅広い経験を元に、個人の資産形成支援事業を展開中。

当ブログ「世の中の動きの個人資産への影響を考えてみる」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/hyas/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。




こんにちは!ハイアス&カンパニーの川瀬です。

今年も弊社にて4回目となる「住宅購入に関するアンケート調査」を実施しました。
今回はそのアンケートの結果をみてみたいと思います。厳しい世相を反映した結果になりました。

調査は、20代~60代までのインターネットユーザー約1,800名の皆さんにご協力をいただきました。
住宅購入前の方が46%、購入済の方が54%です。

まずは「今が買い時かどうか」という質問です。


■質問 1) 「今は一般的に住宅(マイホーム)の買い時だと思いますか?」

・「一般的には買い時だと思う」・・・・・45.8%(昨年対比6.8ポイント増加)
・「一般的にも買い時だと思わない」・・・・・54.2%(昨年対比6.8ポイント減少)




「一般的」に見て今が買い時かどうかという質問には45.8%の方が「買い時だ」と答えています。買い時と思う人は昨年に比べて6.8ポイントも増加しました。でも、まだ半数以上の人が買い時ではないと考えています。



■質問 2)「一般的には買い時だと思う理由は?」(買い時と思うと答えた方。複数回答可。)

第1位:「住宅ローンの金利が下がってきているから」・・・・・53.9位
第2位:「今後消費税増税となる可能性があるから」・・・・・48.5%
第3位:「物件価格が下がってきているように思うから」・・・・・47.5%



「金利」、「税制」、「物件価格」。住宅購入へ影響を与える項目の不動のトップ3ですね。
トップは「金利」。

ローン金利はもう底だ、底だと言われて久しいのですが、まだじわじわ下がってきています。今では変動金利で1%を切る水準はもはや普通で、固定金利でもフラット35が2.0%程度にまでなりました。
全体でこの1年で0.5%程度下がっている印象です。

第2位は「消費税」。
消費税も上がる、上がると言われてきましたが、いよいよ2014年に8%、2015年に10%という政府のシナリオが現実的になってきました。
こういう世の中の環境変化がマイホーム購入意識を後押ししているのは確かでしょう。



■購入済の人はなぜ「今が買い時」と思うのか?

質問1)の「買い時感」ですが、全体では「今が買い時」という人は45%でした。
でも「まだ住宅を購入していない方」(購入前)と「すでに購入済の方」(購入後)とでは意識に差が出ています。
・購入前の方・・・・買い時と思う:38.1% 買い時と思わない:61.9%
・購入後の方・・・・買い時と思う:54.7% 買い時と思わない:45.3%

既に住宅を購入した人の方が、より「今は買い時だ」と思っています。
「買い時だと思う理由」について、購入前の方は「消費増税」が一位(50.4%)なのに対して、購入後の方は「住宅ローン金利低下」が一位(58.1%)、消費増税は3位(46.9%)でした。

おそらく既に購入した方は住宅購入タイミングの判断基準を持っているのでしょう。だから今がいかにいいタイミングかがわかっているんだと思います。購入済の方たちが今買い時として挙げた理由の一番は「消費増税」ではなくて、「金利が低いから」。
ローン金利が0.5%ほど下がると総支払額(利息部分)はおよそ300万円減ります。

一方、消費税が5%→8%へ3%上がったとしたら、建物2000万円に対しては増税分は60万円です。この60万円の価格アップはローン利息相当で考えても100万程度です。
つまり住宅購入を総支払額で考えたときには、消費税よりも金利の低下の方がインパクトが大きいケースが多いということです。(もちろん金利や返済期間の条件にもよりますが)
すでにマイホームを買ってローン返済が始まっている人は、今の低い金利を見て「いいな~」って思っているんでしょうね。



■質問 3)「今が一般的に買い時だと思わない理由」

第1位:「震災以降の世の中の漠然とした不安感」・・・・・54.7%
第2位:「今後消費税増税となる可能性があるから」・・・・・35.2%
第3位:「住宅会社・不動産会社の経営状態に不安があるから」・・・・・18.2%



今が買い時だと思わない理由は、「なんとなく世の中不安だから」というのが多いようです。確かに、震災以降の原発問題や電力不安、消費税増税、さらに世界に目を向けても欧州債務危機や新興国の景気減速など、世の中は私たちを不安にさせるニュースばかりです。

「そんな時は動かないに限る!」というような意識なんでしょうか。



■質問 4)「今が自分にとって買い時だと思うか」(マイホーム購入前の方、複数回答可。)

・「買い時だと思う」・・・・・29.0%(昨年対比5.3ポイント上昇)

・「買い時だと思わない」・・・・・71.0%(昨年対比5.3ポイント減少)



「一般的に」ではなくて「自分にとって」今が買い時かどうか、という質問です。
「買い時だと思う」人は、5ポイントほど増加はしましたが、約7割の方は「まだ買い時ではない」と考えています。
「今は買い時だと思わない」というその理由は・・・、

第1位:「不況のため今後の生活に不安があるから」・・・・・26.5%
第2位:「十分な自己資金がまだ貯まっていないから」・・・・・20.1%
第3位:「震災以降住宅ローンを組むことに不安を覚えたから」・・・・・19.8%


買い時だと思わない理由はやはり将来的な生活不安です。特に収入や貯蓄などお金に関して、まだ自分は安心できる水準にないと考えている人が多いようです。



■質問 5) 「将来的にはマイホームを購入したいか」(マイホーム購入前の方)

・「購入したい」・・・・・52.8%(昨年対比17.5ポイント減少)
・「購入したくない」・・・・・47.2%(昨年対比17.5ポイント増加)


マイホーム購入前の方に対して「いずれはマイホームを購入したいか?」という質問です。
なんと1年前に比べて「購入したい」が17ポイントも減少。
昨年の調査では、「いつかはマイホームを!」という方が7割以上いたのですが、今年は17.5ポイントも減少して5割強程度になりました。

将来不安があるから今すぐの購入はためらっていた、という方がいよいよマイホームの夢を諦めてしまったのでしょうか。
でも収入が減ったりしてローンが組めないという方は今しばらく頑張らないといけませんが、そうではなくて、収入がそこそこあって住宅ローンが組むことができる方にとっては、将来不安があるなら余計に少ない負担で住宅が購入できる今こそがチャンスでもあるとも言えるんですけどね。
景気が良くなってきて、世の中の不安が解消された時には、金利も住宅価格も税金も上がっているでしょうから。



■住宅購入は冷静に検討しましょう

住宅購入は冷静に検討する必要があります。
心の中に不安感があるうちは確かに前に進めませんよね。でもその不安感が何なのかわからない状態で漠然としたままだといつまでたってもそのままです。だからその漠然とした将来不安の正体を見えるようにしましょう。そしてどうしたらそれに対処できるのかを考えましょう。それが冷静に検討するということです。

将来不安を見えるようにするのが私たちFPの世界でいう「ライフプラン」です。
ライフプランを見通した上で、どのタイミングで家を買うかを考えたらいいですし、あるいは住宅購入はやめてずっと賃貸でいくと決めるのもいいでしょう。ただ、なんとなく不安でどうしていいかわからず、何も準備も決断もせずに不安な老後を迎えるということだけは避けたいものですね。



今回は以上です。

次回、もっと日本が良くなっていますように。




<住宅購入に関するアンケート調査概要>
1) 調査名:「住宅購入に関するアンケート調査」
2) 調査方法:ハイアス運営サイト「ハッピーリッチ・アカデミー」「二世帯住宅大作戦」「住宅ローン大作戦」「土地活用大作戦」上でのアンケートにて選択式にて回答を得た。
3) 調査対象:住宅購入前、住宅購入後のそれぞれのインターネットユーザー
4) 調査期間:2012年6月1日~6月11日
5) 有効回答数:1,836名(20代8.4%、30代21.5%、40代31.9%、50代21.4%、60代以上16.6)(住宅購入前46.1%、住宅購入済53.9%)

*このアンケートの集計結果については、
「ハッピーリッチ・アカデミー」にて無料公開しています。

 


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