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西アフリカ"各駅停車飛行機便"に乗ってしまった
»2010年11月25日
読むBizワクチン ~一読すれば身に付く体験、防げる危険~
西アフリカ"各駅停車飛行機便"に乗ってしまった
アイデアマラソン研究所所長 ノートを活用したアイデアマラソン発想法考案者であり、電気通信大学講師。現役時代は三井物産の商社マン。 企業の創造性トレーニングでは、ジャパネットたかたの全社員運動、アサヒビールでの研修などを続けている。独創性を命と考えている。
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飛行機珍体験集
西アフリカ各駅停車飛行機便に乗ってしまった
ベンツのドアを閉めると「ズン」と響く。
同じように響くのが、昔の飛行機のドアを閉めた時の音だ。飛行機の気密のドアが締められると、もう乗客は乗ってこない。
ナイジェリアのラゴス駐在の時、家族一緒に休暇を終えて、ロンドンのガトウィック空港から、ラゴスに戻るため、ブリティッシュ・カレドニアン航空に搭乗した時のことだ。長男はまだオムツが取れていなかった。スペアの使い捨てのオムツは2個ほどあったが、夕方にラゴスに到着するなら、2個で十分だった。
私達夫婦と長男の3人が、進行方向右側の3席を占めて、シートベルトを締めて出発を待っていた。独特のタータンチェックの柄の制服の背の高いスチュワーデスが、全員のシートベルトを確認して回っていた。
機体が軽く揺れた。ゲートから離れたのだ。11時を軽く回っていたので、
(到着は夕方か...)
機内のアナウンスが聞こえるが、外のエンジン音で良く分からないところもある。
「ラゴスへの、到着は○○○4時を予定しています」
「なんか、良く分からない。何時に到着か聞いてみよう」と、私は通りかかったスチュワーデスに、
「ラゴスには何時の到着予定ですか」と尋ねた。
「はい、明日の午後4時ですが」
「えっ、明日ですか」
「そうです。この飛行機は、今からラスパルマス経由で、西アフリカをまわって、明日の夕方4時にラゴスに到着します」
「ちょっと待ってください。それは大変だ。今日、ラゴスに到着するものだと思っていました。間違ってしまった」シートベルトを外しながら、「我々は降りられますか?」
「残念ですが、もうタラップを離れましたので...、だめです」と、スチュワーデスが言う。
スチュワーデスの顔は半分笑い、半分かわいそうという感じで、
「今からポルトガルのリスボン、カナリー諸島のラスパルマスまで行って、一晩泊まります。明日の朝、ガンビアのバサースト、シェラレオネのフリータウン、ガーナのアクラを経由でナイジェリアのラゴスに到着しますが」(ここでアフリカ西岸の地図が要る)
「何と、西アフリカの旧英国の植民地を転々と回る各駅停車便だ!そんな飛行機便があるなんて、知らなかった。どうしよう。(ラゴスの)事務所長に叱られるぞ、これは...」もうどうしようもなかった。飛行機は離陸していった。
ポルトガルのリスボンに到着した時、トランジットでロビーに出て、カフェーのカウンターで、電話用のコインを貰って、私は物産のリスボン事務所を呼び出して、間違った飛行機に乗ったことと、明日の4時に到着予定をラゴスに知らせてもらうことができた。
後は飛行機に任せる以外に方法はなかった。ただ、長男のオムツだけが不足していることをヨメサンは心配していた。飛行機がカナリー諸島に到着し、夕方の美しい島の道を、乗客全員がバスに乗って、小さなホテルに向かい、(全部航空運賃に入っているが)夕食をとり、宿泊して、朝食をとり、またバスでとことこと空港に戻った。
ガンビアでは、盛大な儀仗兵が飛行機の横に2列になって並び、我が飛行機の前方のファーストクラスから、当時のガンビアの大統領が降り立った。
フリータウンに到着すると、もうかなりの乗客が降りて、機内もゆったりしてきた。フリータウンでは駐機中は、操縦席も開けっ放しで、機長の席にヨメサンが座って、長男と記念撮影していた。のんびりした時代だ。
まいったのは、飛行する度に、食事が出ることだった。2日目には4回も昼食が出た。
ラゴスに到着して、何はともかく、所長に謝りに行った。
「すみませんでした。頭でも剃りましょうか?」と、自分で言ったのをおぼえている。
「厳罰にしようかと思ったが、故意にやったわけじゃないことと、チビさん(長男)に免じて、今回は許してやろう」と、言われた。
教訓 行き先を確認するのは、バスや電車だけではない。飛行機でも、行き先を注意しないと、米国にもオハイオのシドニーやケンタッキーのロンドンがある。きっと間違って飛行機に乗った人はいるだろう。
西アフリカ各駅停車飛行機便に乗ってしまった
ベンツのドアを閉めると「ズン」と響く。
同じように響くのが、昔の飛行機のドアを閉めた時の音だ。飛行機の気密のドアが締められると、もう乗客は乗ってこない。
ナイジェリアのラゴス駐在の時、家族一緒に休暇を終えて、ロンドンのガトウィック空港から、ラゴスに戻るため、ブリティッシュ・カレドニアン航空に搭乗した時のことだ。長男はまだオムツが取れていなかった。スペアの使い捨てのオムツは2個ほどあったが、夕方にラゴスに到着するなら、2個で十分だった。
私達夫婦と長男の3人が、進行方向右側の3席を占めて、シートベルトを締めて出発を待っていた。独特のタータンチェックの柄の制服の背の高いスチュワーデスが、全員のシートベルトを確認して回っていた。
機体が軽く揺れた。ゲートから離れたのだ。11時を軽く回っていたので、
(到着は夕方か...)
機内のアナウンスが聞こえるが、外のエンジン音で良く分からないところもある。
「ラゴスへの、到着は○○○4時を予定しています」
「なんか、良く分からない。何時に到着か聞いてみよう」と、私は通りかかったスチュワーデスに、
「ラゴスには何時の到着予定ですか」と尋ねた。
「はい、明日の午後4時ですが」
「えっ、明日ですか」
「そうです。この飛行機は、今からラスパルマス経由で、西アフリカをまわって、明日の夕方4時にラゴスに到着します」
「ちょっと待ってください。それは大変だ。今日、ラゴスに到着するものだと思っていました。間違ってしまった」シートベルトを外しながら、「我々は降りられますか?」
「残念ですが、もうタラップを離れましたので...、だめです」と、スチュワーデスが言う。
スチュワーデスの顔は半分笑い、半分かわいそうという感じで、
「今からポルトガルのリスボン、カナリー諸島のラスパルマスまで行って、一晩泊まります。明日の朝、ガンビアのバサースト、シェラレオネのフリータウン、ガーナのアクラを経由でナイジェリアのラゴスに到着しますが」(ここでアフリカ西岸の地図が要る)
「何と、西アフリカの旧英国の植民地を転々と回る各駅停車便だ!そんな飛行機便があるなんて、知らなかった。どうしよう。(ラゴスの)事務所長に叱られるぞ、これは...」もうどうしようもなかった。飛行機は離陸していった。
ポルトガルのリスボンに到着した時、トランジットでロビーに出て、カフェーのカウンターで、電話用のコインを貰って、私は物産のリスボン事務所を呼び出して、間違った飛行機に乗ったことと、明日の4時に到着予定をラゴスに知らせてもらうことができた。
後は飛行機に任せる以外に方法はなかった。ただ、長男のオムツだけが不足していることをヨメサンは心配していた。飛行機がカナリー諸島に到着し、夕方の美しい島の道を、乗客全員がバスに乗って、小さなホテルに向かい、(全部航空運賃に入っているが)夕食をとり、宿泊して、朝食をとり、またバスでとことこと空港に戻った。
ガンビアでは、盛大な儀仗兵が飛行機の横に2列になって並び、我が飛行機の前方のファーストクラスから、当時のガンビアの大統領が降り立った。
フリータウンに到着すると、もうかなりの乗客が降りて、機内もゆったりしてきた。フリータウンでは駐機中は、操縦席も開けっ放しで、機長の席にヨメサンが座って、長男と記念撮影していた。のんびりした時代だ。
まいったのは、飛行する度に、食事が出ることだった。2日目には4回も昼食が出た。
ラゴスに到着して、何はともかく、所長に謝りに行った。
「すみませんでした。頭でも剃りましょうか?」と、自分で言ったのをおぼえている。
「厳罰にしようかと思ったが、故意にやったわけじゃないことと、チビさん(長男)に免じて、今回は許してやろう」と、言われた。
教訓 行き先を確認するのは、バスや電車だけではない。飛行機でも、行き先を注意しないと、米国にもオハイオのシドニーやケンタッキーのロンドンがある。きっと間違って飛行機に乗った人はいるだろう。