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音楽体験 その5 背景曲に憑かれる

音楽体験 その5 背景曲に憑かれる

樋口 健夫

アイデアマラソン研究所所長 ノートを活用したアイデアマラソン発想法考案者であり、電気通信大学講師。現役時代は三井物産の商社マン。 企業の創造性トレーニングでは、ジャパネットたかたの全社員運動、アサヒビールでの研修などを続けている。独創性を命と考えている。

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音楽体験 その5 背景曲に憑かれる


 ふっとラジオから聞こえる曲を聴いて、昔を思い出したりする。昔のデートを思い出したり、昔の恋人を思い浮かべることもある。旅を思い浮かべることもある。パブロフの犬が鈴を聞くと同じように私たちも反応する。これは音楽に憑かれるのだ。「背景曲効果」と名付けた。


 個人的には、ウォークマンを聞いていたり、今ならiPodで聞き続けて、旅行していると背景曲があなたに憑りつく。
家族やグループの場合、車に乗って家族で一緒に旅行していることが多くて、いつも運転している人の好みで音楽を聴いていると、この背景曲が憑きやすい。我が家では、大昔(30年前)は、家族でアラビア半島を3000キロほど走りぬけたので、当時のポールモーリアを聞くと、砂漠を思い出す。ひと昔(20年前)は盆と暮れに東京から京都まで車で走るのに、渋滞を避けるために、夜中に突っ走った。その時はクレーダーマンを聞いていたから、今でもこの曲を掛けると、家族が「今、浜松?」という掛け声が出るほどだ。東名の浜松近くを走っているイメージが焼き付いている。

 この音楽に憑かれることを、故意に我がヨメサンと私自身で人体実験を行ったことがある。それは1週間の船旅で、横浜からハワイまでに、CDプレーヤーと小型のステレオスピーカー2個、アダプター類を持ち込んだ。
2人だけの船室に入った時から、5日後の下船するまで、小さな音で、それでも聞こえるようにして、オートリピートで1枚の音楽CDを掛け続けた。CDはアコースティックスだった。私は船の上ではアイデアマラソンの本の執筆、読書、ライブの音楽を聴くことに徹していたが、ヨメサンは船の催し物を、全部、同時に体験しようと徹して、予定がダブろうと、同時に2点で出現しないとできないようなスケジュールをこなしていた。

 ヨメサンはどんな状況でも絶対に寝れる人で、今まで結婚43年で、2時間ほど寝られなかったのが1回有っただけという幸せな人。私は明日の朝一番に重要なことがあると寝られない。ましてや明日に仕事があるのに、音楽をかけっぱなしは到底できない。だけど、船の上では明日の仕事はリラックスすることだから、小さな音で音楽が聞こえても、問題なかった。
船中の昼食と夕食は豪華だった。1週間の船旅はあっという間に過ぎて、ハワイで下船し、飛行機で帰国した。それから3日ほど経って、私はアコースティックスのCDを試しに掛けた。たちまち、船室が頭に浮かび、船室の窓からの情景が脳内に見えた。足元がゆらぎさえした。
ヨメサンは、
「なんだか、今日、食事の準備するのが嫌になっちゃった。どこかに食事に行きましょう」
ヨメサンの頭では背景色ではなくて、背景食となっていた。

 このように、背景曲効果を故意に付けることが可能だ。グループツアー、パッケージツアーで、参加者全員に音楽の携帯プレーヤーを渡し、それにそのツアー会社の音楽をさりげなく、嫌味なく、それでも頻繁に掛ける。あるいはバスのBGMとして流しっぱなしとする。そうして背景曲を付けておき、ラジオやテレビからの宣伝で曲を流して、旅を思い出させ、申し込みを増やすような方法があるだろう。

 

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本書には、我が家で3人の子供たち(と一人のヨメサン)を相手に、「アイデアと工夫、好奇心とびっくり発想、継続と集中、笑いとルール」で育ててきたノウハウが詰め込まれています。私はすでに50冊ほどの本を出版してきましたが、本書には特に力がこもっています。自分のこどもたちのことですから。

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国語どうする、算数どうする。算数苦手ならどうする。漢字を読めるようにだけするには、読書を大好きにするには、親子の好関係を保つにはなどの工夫が満載です。父親が会社で仕事をうまくこなすように、アイデアマラソン式に子育ても楽しくしたい。これが願いです。ぜひともご一読ください。自信を持ってお勧めします。キンドル格安価格版ですが、キンドル以外のスマホでも読めます。今後は、ぞくぞくキンドル化を進めます。次はアイデアマラソンの関連の本をキンドル化する予定です。