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震災復興のために 統一発票(宝くじ付き消費税レシート)の提案

震災復興のために 統一発票(宝くじ付き消費税レシート)の提案

樋口 健夫

アイデアマラソン研究所所長 ノートを活用したアイデアマラソン発想法考案者であり、電気通信大学講師。現役時代は三井物産の商社マン。 企業の創造性トレーニングでは、ジャパネットたかたの全社員運動、アサヒビールでの研修などを続けている。独創性を命と考えている。

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震災復興のために 統一発票(宝くじ付き消費税レシート)の提案(For Recovery from Disaster Proposal of Sales Tax Receipt with Lottery)

 去年、私は、大阪経済大学の樋口克次教授と二人で、台湾の統一発票(レシート宝くじ)の調査訪問を行った。

 台湾では、すでに1952年よりレシート宝くじを実施している。
すべてのお店で商品購入をすると、政府の発行する公の用紙のレシートが発行される。そのレシートには、一つ一つに異なった番号が付いていて、2カ月に1度、抽選があり、市民は自分の手持ちのたくさんのレシートを、家族みんなでチェックして、楽しんでいる。1952年の導入前と、導入後では、消費税に2倍以上の収税効果があったという。

 レシートは、政府が発行したものを、すべての店や会社が使用する。市民は、何かを購入すると、宝くじのことがあるので、必ずその店にレシートを要求するようになる。そのために、消費税の収税がより正確に行われることになるのだ。
これを日本に導入してはどうかというのが、私と樋口克次教授の意見である。

 その調査結果は、予想以上に、宝くじ付き消費税レシートは、消費税の収税効果が大きいことと、市民の消費税に対しての親しみを増すことが分かった。
 消費税の収税効果に関しては、すでにIT MediaのBiz IDの「樋口健夫の笑うアイデア動かす発想」で報告している。

 統一發票

 これを、現在の東日本大震災復興の目玉にして、活用してはどうだろうか。
まず、消費税を現在の5%から、10%に引き上げる。そして、その差を、東日本での耐津波復興に費やすことで、日本を元気に戻したい。

 その宝くじレシートの効果は、国民を楽しませて、同時に災害復興のための資金を集めることができる。これは一石二鳥の効果がある。

 更に、金額に関わらず宝くじのレシートが発行されることから、この宝くじレシートそのものを、当たりや外れが判明する前に、寄付する習慣が出来上がっている。

 台湾では、多くの町の通りや空港まで、宝くじレシートを寄付する箱が置かれている。身体障害者を助ける団体一つも、この寄付レシートで、毎年数百万円の当たりくじを得ているというから、その効果は極めて大きい。

 台湾の財政省もこの宝くじレシートの効果には絶対の自信をもっているのと、消費税の市民の印象がすごく良いことに驚いた。日本では、既存の宝くじ制度を守るために、既存の宝くじの関係官庁が反対する可能性があるが、このレシート宝くじ統一発票で、

①     現状の税率でも、膨大な消費税収入の増加を確保できる
②     消費税の納税すべき企業やお店が明確になる。
③     消費税における税の公平性が高まる
④     消費税の人気が極めて良くなる
⑤     消費税にともなう様々な募金効果が大きい。
⑥  消費税率の調整が比較的簡単である。
⑦  現在の情報ネットワークを活用すれば、リアルタイムで消費税の集まり具合が(コンビニの売り上げ並みに)瞬時に分かり、景気の動向を簡単に把握することができる。

 などの素晴らしい効果を見ていると、これを実施しない手はないと思う。現在の大震災復興のための資金確保では、その中心になれる税制であり、蓮肪大臣も統一發票は、よくご存じのはずだ。

 驚くなかれ、消費税に宝くじを付けて、当たりの懸賞金を支払っても、数十兆円の増収が見込まれる。さらに5%を10%にすれば、50~60兆円の増収が見込まれると、私たちは計算している。これが復興の目玉だ。国内と地元の企業を活性化させよう。