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夢をえがく 子供たちの教育を変えていく

夢をえがく 子供たちの教育を変えていく

樋口 健夫

アイデアマラソン研究所所長 ノートを活用したアイデアマラソン発想法考案者であり、電気通信大学講師。現役時代は三井物産の商社マン。 企業の創造性トレーニングでは、ジャパネットたかたの全社員運動、アサヒビールでの研修などを続けている。独創性を命と考えている。

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夢をえがく 子供たちの教育を変えていく
 私は国の繁栄と天才がたくさん出てくることは大いに関係があると思っている。

 18世紀後半の英国は、天才的な才能をもった人がたくさん出た。その影響が19世紀にはフランスやドイツにひろがり、19世紀末から20世紀には米国に拡がった。
 産業革命時の英国も、ドイツも、米国も、偉業を成す人たちのやる気は強烈だった。やる気と財をなすことも同時に進んだ。その中での天才の役割は極めて大きかった。
 
不思議なのは日本だ。
戦後の成長期からバブルまでは、日本もそのような偉大な発展のチャンスにあったが、天才的な人材を育成することでは、まだ不十分だった。やはり古色蒼然とした教育がつぶしてきた。

そして、3.11が起こった。数万人の死者、放射能の問題、このような状態のなかで、資源を持たない私達が頼れるのは、私達の頭脳しかない。知恵しかない。それも小さな子供たちをいかに育てるか、どうすれば天才的才能を育てることができるかを考えないといけない。

はっきりとしているのは、今までの教育のシステムを変えなければならないことだ。伸びる子供はいくらでも伸ばす。天才を発見するために、血眼になって捜す必要がある。天才以外の子供たちも、天才的才能を発揮させる教育を考えなければならない。

一例が漢字の学習である。私はサウジアラビアに8年半生活していた時に、日本人学校が当時無かったことから、自分で子供たちに「漢字の読み」を教えた。小学校1年生の年齢で、私の長男も次男も、小学校6年までの常用漢字を全部読めるようにした。そんなに難しいことではなかった。

漢字を書く勉強は、従来通りに小学校の各学年の問題集でやっていたが、漢字を小学校1年で全部読めるようになったおかげで、本を読むのが大好きになった。そして、算数の勉強でも、小学校2年までで小学校6年までの算数を全部教え込むことができた。

私はまったく知らなかったが、故石井勲博士は、ずっと昔からこの漢字の読み書き分離を訴えていたが、日本の文部省は、この漢字の読むのと、書くのを一体として考えて譲らなかった。そこで石井博士は幼稚園で漢字の学習を始めたら、まったく問題がなく幼稚園児が漢字をどんどん読めるようになっている。

その例が足立区の東京いずみ幼稚園だ。この幼稚園では、
①石井式国語教育研究会による、漢字の学習
②絶対音感のトレーニング、
③組み立て体操
などを、授業に組み入れてきた。

東京いずみ幼稚園のサイト

こうして書くと、その幼稚園に入るために、難しい試験があると思うかもしれないが、試験はまったく無い。難しい漢字をすらすらと読むのにも驚くが、これらの園児が全員、ピアノの音を、目隠ししながら、音を正確に拾っていくのを見て感動しない人はいない。

その東京いずみ幼稚園で、アイデアマラソンの幼稚園版の「プレ・アイデアマラソン」の授業が始まったのは、去年の10月だ。毎日、子供たちは私達アイデアマラソン研究所が作り上げたプログラムにしたがって、オブジェクトを観察しながら絵を描いている。数カ月にして、みるみる上達していく。

プレ・アイデアマラソンの説明

さらに小学校1年から3年までは、キッズアイデアマラソンを開発した。

小学校1-3年のキッズアイデアマラソンについての読売新聞記事

これらの子供たちがどんどん大きくなって、日本を変えていくのを期待している。
アイデアマラソンについては、最新の状況を、近いうちに詳しく説明する。