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緊急ブログ上程 第六弾 「ねむけおばけ」対策 デスクワークでのねむけ防止と予防策

緊急ブログ上程 第六弾 「ねむけおばけ」対策 デスクワークでのねむけ防止と予防策

樋口 健夫

アイデアマラソン研究所所長 ノートを活用したアイデアマラソン発想法考案者であり、電気通信大学講師。現役時代は三井物産の商社マン。 企業の創造性トレーニングでは、ジャパネットたかたの全社員運動、アサヒビールでの研修などを続けている。独創性を命と考えている。

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デスクワークでのねむけ防止と予防策

 かって、商社の現役時代に、関東の電力会社の火力発電所の工事を監督したことがある。

 巨大な火力発電所で3か月ほど仕事をしていて、感心したことがあった。それは火力発電所で働く人たちの、真剣なねむけ対策であった。

 毎日、食事を終えたら、12時40分から13時までは、多くの所員たちが昼寝をするのだった。これはほぼ毎日のことだった。一度、用事があって、この時に電話を掛けて問い合わせをして、大変叱られた。彼らはすごく真剣に午後のねむけ対策を考えて、自分たちの昼休みの中で取っているのだった。

 関東全体の電力を守っていると言えるほどの、巨大な火力発電所の運転の責任は極めて大きい。午後も無数のメーターの監視やチェックや会議が続くが、いねむりは絶対にできないとして、自分の昼休みの時間を割いて、事前のねむけ対策を取っているのだった。

 私はこのことを、自分の会社でも伝えて、デスクワークで眠いという若い人たちに、奨励してきた。昼休みの最後を昼寝の15分にするだけで違ってくる。

 人は、午後3時前後が一番眠くなる。これをいかに乗り越えるかで、きっと仕事の効率は極めて大きく変わってくるはずだ。

 一つ不思議なのは、会社のOAチェアにはオットマン(足置き)が付いていないことだ。背もたれはリクライニングになるのに、足置きが付いていないので、私は昼に、自分のデスクの引き出しを開けてその上に寝たりゴミ箱の上や、飛行機の足元のように、鞄に足を置いて昼寝していた。OAチェアに、オットマンを内蔵させる需要はたくさんあると思う。

 前夜寝不足なら、午後3時前後が眠くなる可能性は極めて大きいが、いくら十分に寝ていても、午後3時前後になると眠くなることも、不思議ではない。面白いのは、仕事のおもしろさや緊迫感から、いくら寝不足でも眠くならないこともあるのだ。

 経理関係の人たちのように、じっとデスクワークで、一日中数字を扱っている人たち、同じような作業にまい進している人たちは、正直のところ「ねむけおばけ」の餌食になっていることも、多いと思う。本人は、本当に辛く思っているが、仮眠や休憩を取る以外に抜本策はない。ぺちゃぺちゃ話をする休憩を取るなら、その時間15分、仮眠をとる方が良い。

 もちろん仕事の内容にもよるが、午後2時45分から15分間を「ねむけおばけ」防止の時間と決めて、みんなで寝るという方法もある。もちろんこれも勤務時間に入るが、いねむりしてだらだらやったり、間違いが起こる可能性がはるかに高くなるよりも、絶対にマシだと思う。

 15分の内で10分でも寝られると、後は2時間程度、頭がはっきりする。15分が半時間以上寝ると、寝たのにかえって疲れがでてしまい、起きられなくなることがある。問題はこの間の電話の掛ってくるのをどうするかであろう。

 全員が一度に昼寝を取れない仕事の場合は、午後2時30分から、15分刻みに3回ていどに分けて取ることも可能だ。さらに、とてもそのような余裕はないという場合、どうしても眠いという人だけは、一度だけ、15分間、カプセル式の睡眠部屋を用意することも、仕事の質を向上させることにはつながる。

 かならず15分で起きることが必要だ。起きたら、顔を洗い、トイレに行き、仕事に戻る。これだけだ。

 カプセル部屋では、カプセルの扉を内側から閉じれば、外の音は遮断できるほどに大きな雑音で消すのだ。私たちがあの雑音の多い電車や飛行機で寝られるのであるから、安定した連続的繰り返し雑音、すなわちエアコンのファンのような音で寝れば良い。そんなうるさいところでは寝られないという人は、当然仕事に戻るのだ。
 
 なぜ雑音でうるさい部屋で寝るかというと、カプセルが多数収納されている部屋に誰が自由に出入りしても、扉を閉める音なども、他の寝ている人を起こさないようにするためだ。

 どのような形で「ねむけおばけ」を退治するかは、各社、各部、仕事の内容によって、異なる。徹底的に調べて、最適な退治方法を考えるのがよいだろう。

 15分を昼寝に使っても、「ねむけおばけ」を退治できて、午後の仕事のクオリティを大きく上げることができれば、私は正しいことだと考えている。

教訓 会社の中でも全員がエキサイティングで、スリリングな仕事をしているわけではない。だけど、眠くなる仕事も、会社の仕事として、非常に重要であり、その仕事のクオリティを上げる対策としては、「ねむけおばけ」退治は面白いと思う。
なお、その他の様々な、個人個別の眠気対策は、下記を見ていただきたい。

樋口健夫の「笑うアイデア、動かす発想」
「私は2007年にすでに「仕事中に避けられない『眠気』ー9つのシーンべつ対策」

追加 

世界を揺るがした、

(1)スリーマイル島の原発事故

(2)チェルノブイリの原発事故

(3)スペースシャトルの打ち上げ事故

なども、睡眠不足からの居眠りが原因の一つと言われている。