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「発想という作業を助けるパターン集」を自分で作る方法

「発想という作業を助けるパターン集」を自分で作る方法

石井 力重

アイデアプラント 代表。著書に『アイデア・スイッチ』。専門領域は「創造工学」。クリエイティブ・リーダを助ける道具を作っています。

当ブログ「力重の「ブレインストーミング考」」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/ishiirikie/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


今晩は、自分だけの「発想パターン・セット」を作る、という話しをいたします。

まず、発想パターン・セット、についてからお話します。

一番オーソドックスなのは、アレックス・F・オズボーンののこした「SCAMPER」(スキャンパー)です。これは"アイデアのチェックリスト"あるいは"オズボーンのチェックリスト"とも呼ばれるものです。

「発想という作業を助けるパターン集」、としては、そういう名前がついていなけだけで、世の中にはさまざまなものがあります。

たとえば、アレグザンダーの『パターン・ランゲージ』。ここには、「町、建物、その部分のつくり」という3階層について、253のパターンが書かれています。これ、読むだけでも、理想の庭、テラス、部屋などををつくるアイデアがたくさん出てきます。「腰掛けれる壁」とかおもしろい工夫が一杯です。

また、IDEOのメソッドカードというものもあります。iPhoneアプリにもなっています。開発をするときに、よい着想をくれます。

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こうしたパターン集、自分でも、作れます。

あなたが例えば、特殊な業務をする会社で、赴任したばかりの職場にいるときに、企画を早々に出さないといけない、という立場だったら、結構つらいものがありますよね。ビジネス書を探しにっても、「あれ、・・・うちの職場は特殊だからなぁ、こういう企画系の職場での方法じゃ、ちょっと参考にならないよ・・・」ということも。

そういうときは、うってつけです。ぜひ以下の方法、試してみてください。

作り出す作業の一つ一つは、比較的簡単です。ただし、最後まで実行するのは難しいです。これはある種の認知飽和の段階まで「要素で領域を埋め尽くす」作業をするためです。


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オリジナルの発想法を作る方法

    1. 職場、客先、他の業界、雑誌や新聞、などから「この発想はいいな、いつか使えるかも」とおもったら、カードにメモする。切り抜けるものは、切り抜く。
    2. 自宅に戻ったら、「発想の素材」とかいたA4封筒に、それらを放り込むだけ。
    3. 週末にそれらを取り出し「発想のヒント」として、使いやすい「短いフレーズ」にする。それを、手ごろなカードに書く。
    4. いくつも示唆が含まれているものは、示唆を、2つや3つに分割して使う。同じようなものができるけれど、それでよい。封筒に入っていたメモや切り抜きは廃棄してよい。あるいは輪ゴムで閉じて、引き出しへ。
    5. 繰り返して、カードが40~50枚になるまで、続ける。
    6. 「急ぎで企画を立てないといけない」「アイデアを何か出したい」というときに、そのカードを素早くめくりながら、アイデアを出していく。
    7. 「発想が出にくい(しかし、重要そうだ)」というものは、2つに分け、簡素化すると、示唆として使いやすくなる。
    8. こうして、使い勝手が良くなってくると、カードが増える。しかし、カード数は常に40~50枚の範囲に収まるようにする。50をこえたら、何枚か減らす。

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このオリジナルのカードを、リストにして、手帳にはさんでおいて、アイデア創出の会議の席で、手帳を開いて、発想をひそかにするもいいでしょう。

汎用性の高い「発想パターン集」をビジネス書からひろってきて、使い込むのも手軽にできて良い方法ですが、上記の方法で作り出したものは、あなたの発想にとってより親和性の高い、そして、一つの引き金(トリガー)から、とてもたくさんの情報を引き出せるツールになるでしょう。発想ツールを作るチームであるアイデアプラントは自信を持って断言します。「発想の道具は、作った本人が、一番うまく使える」ということを。

あなたが作るツールは、未来のあなたをきっと助けてくれるでしょう。


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参考情報:

発想パターンの主な事例 ・・・Biz.IDの過去の記事をご参照ください。こちら

拙著『アイデア・スイッチ』をお持ちの方は、P50~97に詳しい記載があります。