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アイデアって○○だ、という決め付けの功罪。スタンスを正しく把握するには。

アイデアって○○だ、という決め付けの功罪。スタンスを正しく把握するには。

石井 力重

アイデアプラント 代表。著書に『アイデア・スイッチ』。専門領域は「創造工学」。クリエイティブ・リーダを助ける道具を作っています。

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「アイデアって、大量の情報の掛け算だ」という立場から「みんながのってきて、共有できる深い思いがアイデアだ」という立場まで、アイデアと言うものへの認識は様々ありますが、アイデア創出というワークに馴染みのない人はその違いに翻弄されます。
 
最近、私のところへ舞い込む依頼やパートナーが、そうした両極端の考えのいずれかにいて、「だってそうじゃないですか」と賛同をもとめられ、頭の切り替えに苦労しています。私はどちらも正しいと思います。名前が"アイデア"と言うだけで、それらは別の存在だと思いますけれども。
 
難しいなあ、とおもうのは、そういう違った対象を、同じ名前で呼ぶために、「アイデアって○○だ」という一家言(いっかげん)をもっている人同士が接すると、妙な雰囲気になるところです。
 
一方で、どちらの方も、自分で確信を持って表現するぐらいになると、その分野の営みについては、非常に迷いなく進めるので、推進力たるや素晴らしいものがあります。アイデアってなんだろ、もやもや。という状態でいるよりも、ずっと早く、力強く仕事を進めます。これは大きな利点ですね。
  
 
そういう異なる立場の人がたくさん関わるプロジェクトの中で、アイデア見るときに以下の2つの観点があると便利です。異なるスタンスでの"アイデア"を混同せずにすみます。
 
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一つ目 「アイデアの幅」
 
そのアイデアが包含する選択肢が多いもの、は幅が大きいと捉え、
そのアイデアが包含する選択肢が少ないものは、幅が小さいと、とらえます。
 
「そのアイデアには、結構、幅があって、○○のような解釈で、展開もできるよね」といった感じの言葉にあらわれます。
一般に前者は広く、後者は狭い傾向があります。
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二つ目「アイデアの根底にあるもの」
 
そのアイデアは、もともとどういう経緯で考え出したのか。
これを知ることで、未成熟な生まれたてのアイデアを、より適切に理解することができます。
アイデアは、シーズよりか、ニーズよりか、それ以外か(アブダクティブな思いつき)、で、
だいぶ発想のための頭の使い方が変わります。
アイデアの根底に目をやると、その辺を知ることができます。
一般には前者はあっさりと語り、後者は物語を語ります。
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アイデアの「幅」と「根底にあるもの」、この2点を、アイデアを扱うときに、ぜひ、注目して見てみてください。「アイデアってまる○○だ」と固く信じている相手であっても、この点で見ればよく理にかなっているはずです。