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案にウンと言わせるには、InとEnが必要

案にウンと言わせるには、InとEnが必要

石井 力重

アイデアプラント 代表。著書に『アイデア・スイッチ』。専門領域は「創造工学」。クリエイティブ・リーダを助ける道具を作っています。

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ある方のアイデアの困り事に対するやり取りから抜粋・紹介します。

Q「アイデアは出るが、説得力ある説明が難しい。いい方法は?」

A「思いつきは時に理解されない。
特に分析的、論理性を重んじる思考様式の組織・個人には。

そういう場に向きやすいのは、分析的な思考法。
多くの分析的な思考法は「In」と「En」の両方を持つ。

Internal(対象の内側)と
Environmental(対象を取り巻いているもの)の
それぞれに対して、変化から近い未来を想起して、
その内面と外側のある状態を提示する。
対象の未来が自然と想起される。

この方法は「In」に強くよれば、クライアントインサイトとか
エスノグラフィーかと、そういう領域のアプローチだし、
「In」「En」両方を考慮するものも結構あり、例えば、
事業性の高い発明の発想法である9windows(TRIZ)など。

ユーザや生活者の内側の変化を示し、
彼らを取り巻く外側の変化を示す。

少し未来に、たどり着く場所を示すことで
聞き手も自然とそのアイデアにたどり着く。

これだけで完璧に「説得力が出る」とは到底言えませんが、
問いへの創造工学的な一つの解として、述べると以上のようになります。」


最近、説得力とはなんだろうか?と考えていました。人間は、自分の思いついたアイデアに高い価値性を感じる傾向がある。アイデアをプレゼンされている時に聞き手は、リアルタイムにその発想を追体験して、スライドがめくられるわずかの間に「あ、じゃあ、こういうアイデア、あるよね」と自分で思えたら、それと同じアイデアが提示されれば高い価値性が自然と想像できますし、違っていれば質疑応答で「いいアイデアだと思うが、こういうアイデアもある」として指摘してもらえることもあります。いずれにしても、聞き手が思わず、何か言いたくなるような、そそり、をつくることが出来たりします。

プレゼンのテクニック論は世にごまんとあります。アイデアの提示の仕方を、あくまで創造工学的な観点から書いてみると、こんな感じになるかな、といったところのメモでした。


追記






2009年に、本を書きました 2_books.jpg 



発想を助ける道具を作っています 3_cards_tools.jpg