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限定は、創造性を高める。
»2010年6月20日
力重の「ブレインストーミング考」
限定は、創造性を高める。
アイデアプラント 代表。著書に『アイデア・スイッチ』。専門領域は「創造工学」。クリエイティブ・リーダを助ける道具を作っています。
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アイデア出しの支援事業を運営していて、面白いことに「ある種の制約・限定があると、人の創造性はより高まる」ということが観察されます。
ある種のイベントを考えるときに"何でもいいから面白いイベント"というよりも"雪を使って面白いイベント"のほうが、発案しやすいという感じです。雪を使って、ということを考えると、真冬の屋外の雪原をイメージする人もいれば、ゲレンデをイメージする人もいるでしょう。このイメージがどうも大切なようです。そこにたつ自分をリアルに考えることが出来ることが。
これは「具体的」ということとも関係しているようです。テーマは具体的なほど、アイデアは出しやすい、という趣旨のことが「考具」(アイデア出しについてすばらしい記述がなされている本)に書かれています。アレもできるかもしれない、これは出来ないかもしれない、という不確定の環境はなかなかイメージしにくい、という人間の頭の構造があるのかもしれません。
技法、とまでは言えませんが、アイデアを「出し始めるときのコツ」として、こうなります。
- 広いテーマをもらったら、いったん自主的に狭めて、創造性のエンジンを回す。
- その条件下でアイデアをたくさん出す。そして、そのアイデア群で一点突破。
- 制約をはずし(雪を使った→何でも)アイデア出し、もしくは、限定を段階的に広げ(雪を使った→自然物を使った)アイデア出し。
※はじめに自主的に制限をつけるときに「雪を使って」ではアイデア出しをしにくい場合は「木を使って」と、限定内容を変えてみるものいいでしょう。または、さらに制約をつけて「雪を使って、30代が参加したくなるような」というのもいいかもしれません。