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アイデアの全否定者と早期受容者は、似て見える
»2010年4月14日
力重の「ブレインストーミング考」
アイデアの全否定者と早期受容者は、似て見える
アイデアプラント 代表。著書に『アイデア・スイッチ』。専門領域は「創造工学」。クリエイティブ・リーダを助ける道具を作っています。
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ブレストをめぐる人々にとって、才能を枯らさせる環境から慎重に距離をとることも
重要です。批判を聞かない、というわけじゃなく、
「早すぎる時期に、批判の風を当てない」ということが大事です。
秀逸な作品をたくさん作っている「ガルシア・マルケス」も
著書の中で同等のことを表現しています。
さて、問題は、批判的に突っ込む人と、本来は協力者(支援者)になる人が、
似て見える、という部分です。ここについて少し洞察できるようになると、
前者か後者かを、見誤らなくなります。
『人は、欠けた部分まで分かると、安心して受容できる。』
そういう部分があります。
新しい知識を学ぶとき、懐疑的になるのは、
真新しいそれを、早く身の内側にしようと、するから。
これが、アイデアに関しても同じ構造が当てはまります。
アイデアの早期受容者は、
それを早く受容したいと思う場合に、とても激しく突っ込む、という形になることがあります。
魅力を感じているほど、そうなります。
男性のマネージャーが若い部下のアイデアに興味を示したときに、
興味をしめして、あれこれときくと、
とたんに、クリエータ気質の若者がだまる、というシーン、
ありませんか?
真剣なまなざしで、次々、聞くという姿は
「全否定者の執拗な突っ込み」と、表面的には、似て感じるからです。
ただ、横で見ていればそれが、好意か悪意かはみえます。
当事者になると(上記の若いクリエーターさんの立場に立つと)
これが、とたんに分からないで、誤解してしまう、わけです。
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アイデアの全否定者と早期受容者は、似て見える。
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このことを知っておくだけでも、本来ならば支援者になってくれる人との
ミスマッチをすこし減らすことができます。
ぜひ、人を洞察する視力を鍛え、もっともっと前に進んでください。
~筆者的蛇足~
しかし、若いうちはなかなか、これ、判断つきにくいものですが、
これに対する万能薬、ないの?と聞かれることがあります。
精神論になりますが、全てのケースを改善する処方があります。それは
"目の前の人を愛すること。"
アイデアをつくり、新しい事業・作品を作り上げていくのは、
その根底に、人間への愛があること。
それ尽きると、筆者は思っています。