「どうも違和感があるんです」

Ｈさん（５０代女性）の入れ歯を見て私は頭を抱えてしまいました。

口の中を拝見すると、上アゴの骨が小さいＨさんに合わせて作られた調和の取れた上手な入れ歯でした。

修理する必要があるのだろうか？

この患者さんが気にしていたのは、上の前歯が下の歯よりも引っ込んでいる反対咬合でした。

Ｈさんは入れ歯のウラにゴム状の入れ歯安定剤を自分で盛り上げて無理やり入れ歯を前に出して使っていました。

歯科学的に現状の骨を基準に考えると無理な修理をして患者さんの希望どおりにするのは難しいので、今回は新しく上の前歯が出た形の入れ歯を作ることにしました。

技工所に発注して完成した入れ歯を見た私は驚きました。

前歯が歯ぐきから不自然に２センチ近くも飛び出ています。　

しかし患者さんに聞くと...

「あっ、これならピッタリです！」

と笑顔で喜んでいます。

確かに笑った時の歯並びは自然です。

鼻の下が凹んでいたのが、きれいに膨らんでいます。

２センチの飛び出しのおかげです。

骨格などから判断した医学的に正しい形状と、患者さんの希望する形が違うことがあります。

当医院では医学的な根拠を踏まえたうえで患者さんの気持ちに寄り添うことも大切にしています。

現状の入れ歯に不満を感じていればお気軽にご相談ください。

今回行なったＨさんの入れ歯を新しく作る治療は保険適応で約１万円でした

(治療費は症状により個人差があります)。
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壊れた入れ歯の修理は　いとう歯科医院

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