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「成活」とは 1-3 まずは根気よくやること 保険で入れ歯治療に取り組むようになった「成活」習慣(2/4)
杉並区「入れ歯専門の歯医者さん」今日の出来事
「成活」とは 1-3 まずは根気よくやること 保険で入れ歯治療に取り組むようになった「成活」習慣(2/4)
開業して三代目。高齢の方にも安全安心な保険の入れ歯治療、修理、メンテナンスを中心に行なっている。
当ブログ「杉並区「入れ歯専門の歯医者さん」今日の出来事」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/ito_takafumi/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
大学時代は指導してくださる先生と一緒に入れ歯の治療をしたことはありましたが、指導の先生が診断して治療方針を決めて、私は指示に従っているだけでした。
都心の一等地では勤め人の若い患者がほとんどで、入れ歯の症例は極端に少なかった。
学生のころの知識をかき集めて工夫したところ、もう少しでうまく治せそうです。
先輩の先生や院長先生に、どうしようかと聞いてみました。
「これはインプラントがいいね」
「高額なセラミックで全部作り直せば上手くいくよ」
「歯ぐきが傷んでいるから、まず歯槽膿漏の手術が必要だな」
みなさん丁寧に教えてくれます。
ただ何というか、欲しい答えではありません。
胸のつかえが取れない感じ。
まず保険治療で入れ歯の調整が先だろう、と思ったからです。
それから半年の間、できる治療を全て施してみました。
色々と工夫したおかげで多少は食事も出来るようになったとのこと。
とにかく少しでも改善させたいという気持ちだけは伝わっているみたいで、Aさんも根気よく通ってくださいます。
しかし当時の私の技術に限界が来ていたのでしょう。
もうこれ以上改良する点が見つからない。何をやっても良くならないのです。
他の先生方も協力して考えてくださるものの、みな首をひねるばかり。
このままあきらめるしかないのか。でもどうしても納得できなかった。
Aさんの淋しそうな顔が浮かんでくる。
家に帰っても入れ歯のことばかり考えていた私はついに、今まで封印していた最終手段を使う決心をしました。
「父に聞く」
ワラをもつかむ思いでした。
模型を見せて治療内容を全て隠さず父に話しました。
みんなで取り組んだが万策尽き果てたことも。
父は私をじっと見てポツリと言った。
「難しい症例をここまでよく治したね」
生まれて初めて自分の努力を認めてくれた父に対して、不覚にも私は涙が止まりませんでした。
そして父の答えは簡単なものでした。