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ソーシャルカメラの可能性(第47回)

ソーシャルカメラの可能性(第47回)

伊藤 浩一

モバイル情報ブロガー。モバイルユーザーとしてレビューを毎日掲載しながら、日本のスマートフォンシーンの盛り上げを行う。特に、日本で初めてのWindows Mobileスマートフォン「W-ZERO3」への思い入れは強い。

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モバイルを愛していますか?モバイル情報ブロガーの伊藤浩一です。

ニコンよりAndroid搭載コンパクトデジタルカメラCOOLPIX S800cが発売になりました。サムソンからはGALAXY Cameraという端末も発売になるようです。スマート家電とは別な流れとして、スマホとデジカメの融合というトレンドがあるようです。

Android搭載することで、スマートフォンとカメラの2台を持ち歩いていたのが、1台で済むようになるのでは?と期待していましたが、Android搭載コンデジCOOLPIX S800cの方向は、ちょっと違うようです。COOLPIX S800cは、Android端末としては残念ながら使いにくさを感じる部分がありました。特に、標準のACアダプターでは充電しながら、画面操作ができない、というAndroid端末としては厳しい仕様になっていました。

それでは、Android搭載コンデジは、どんな方向性を目指しているのでしょうか。私は二つの目的があると感じています。一つは、ソーシャルネットワークへのアプローチです。撮影したデータを、パソコンやスマートフォンを介することなく、無線LAN接続して、すぐに共有できる、という目的です。スマートフォンで撮影した写真のクオリティとは違う、レベルが一段階上の写真を気軽にソーシャルに投稿できます。スマホの写真に満足をしていないユーザーで、ソーシャルで気軽に共有したいユーザーがターゲットとなります。

もう一つの目的としては、ソーシャルアプリのサポートの簡易化です。カメラにソーシャルアプリを内蔵すると、ソーシャルサービスが増える毎にアプリの開発が必要になってしまいます。また、ソーシャルサービスの仕様変更による内蔵アプリのアップデートも必要となります。自社運営ではないソーシャルネットワークを利用する以上、アプリアップデートのリスクは付きまといます。その点をAndroidを搭載することで、ソーシャルネットワークへのアプリを全てGoogle Playに依存することができます。

Android搭載コンデジは、このようにソーシャルカメラとして、使いやすさとサポートのしやすさの両面を狙ったものと思われます。写真の用途が、フィルムで撮影してプリントする、から、デジタルで撮影して共有する、という方向にシフトしている今は、ソーシャルカメラというジャンルが生まれるのも時代の流れでしょう。スマホファンであり、カメラファンである私としては、スマホとカメラの中途半端な融合ではなく、スマホもカメラのフルスペックにて、さらに新しい使い方を提案する端末が登場することを望んでいます。