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検索エンジンのなかった時代(第48回)

検索エンジンのなかった時代(第48回)

伊藤 浩一

モバイル情報ブロガー。モバイルユーザーとしてレビューを毎日掲載しながら、日本のスマートフォンシーンの盛り上げを行う。特に、日本で初めてのWindows Mobileスマートフォン「W-ZERO3」への思い入れは強い。

当ブログ「僕がモバイルを愛する理由」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/itokoichi/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


モバイルを愛していますか?モバイル情報ブロガーの伊藤浩一です。

韓国にてYahoo!が撤退する、というニュースを聞き、ネット検索も次の時代に入ってきたなあ、と感じました。インターネットの創世記には、検索エンジンというものは存在していませんでした。その時代にどうやってネットサーフィンをしていたか、というと、ブックマークが命でした。自分でアクセスしたページで便利なページをブックマークしていき、自分なりのブックマークを作り上げることが非常に大事な時代でした。

検索という手段がありませんので、ページを探すのはどうやったかというと、あるページに掲載されているリンクを次々と辿っていくしか、方法がありませんでした。次から次へのページを渡り歩く、まさに「ネットサーフィン」の時代でした。

その時代に生まれた一つの手段として、ディレクトリーサービスがありました。ジャンル毎に便利なページのディレクトリーを集めて、公開するサービスです。Yahoo!も日本に進出当初は、検索エンジンというより、ディレクトリーサービスを行っており、私自身のホームページも個人運営ではありましたが、Yahooに申請して、パソコン情報というジャンルに掲載してもらっていました。「伊藤浩一のパソコン日記」というホームページが、サービス開始当時のYahoo!日本版に掲載されていました。検索エンジンに掲載申請を行うなんて、今では考えられませんね。

当時、友人のパソコンをインターネットに接続できるように設定する、という依頼が多かった記憶があります。自宅に行き、モデムを繋げて、プロバイダー契約を行い、ダイヤルアップにてインターネットに接続でいる環境を作る、ということを頻繁に行っていました。自宅内の電話回線の配線も変更する必要もあり、手間のかかる作業で2、3時間かかることもありました。おかげで、鞄の中に、いろいろなプロバイダーの設定書を入れていたほどです。

このインターネットの設定のときに行った大事な作業として、ブラウザにブックマークを入れておく、というのがあります。ユーザーの方の趣味にあったページを予め調べてブックマークを作っておき、移植していました。ブックマークさえ用意しておけば、最初にインターネットにアクセスした際に、見るページがありますので、しばらくは使えます。この他のユーザーへブックマーク作成してプレゼントは、当時のマイクロソフトの古川亨社長も行っていた、という話をご本人から聞いたことがあります。

このようなブックマーク作成作業は、検索エンジンの発達した現在では考えられないようなことではありますが、当時としては大事な作業でした。検索エンジンからソーシャルへとシフトしていく今、このような「人力によるブックマークプレゼント」的な作業は存在しないのかもしれませんが、昔をちょっと思い出してしまい、書かせていただきました。