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プレゼン用の文書の書き方がいつも役に立つわけではない

プレゼン用の文書の書き方がいつも役に立つわけではない

開米 瑞浩

社会人の文書化能力の向上をテーマとして企業研修を行っています。複雑な情報からカギとなる構造を見抜いてわかりやすく表現するプロフェッショナル。

当ブログ「開米のリアリスト思考室」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/kaimai_mizuhiro/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


こんにちは。文書作成能力向上研修を手がける開米です。今日は珍しく本業の話でも書きましょう。
(珍しく、でいいのか?>自分(^^ゞ)

先日、ある会社に勤める古い知人から相談を受けました。

実はこのところ部下の多くから「資料づくりが苦手」という声を聞くようになりました。
「資料にすべきコンテンツの整理ができていない」のと「コンテンツを伝わりやすい形に表す」のと、ひとによって苦手分野は違うようなのですが・・・

はい、そこを自覚せずにうまく行かずに悩んでしまっているケースはかなり多いですね。

大まかな流れは下記のように「状況把握」→「方針立案」→「行動提案」の3段階で考えることができます。

IWC001.png

「何が起きているのか、何が問題かを理解する」のが状況把握
「どうしたらよいかを考える」のが方針立案
「考えたことを提案して他人を巻き込む」のが行動提案、です。

そしてこの「状況把握」「方針立案」「行動提案」のそれぞれで、必要な文書の特徴が違います。

ここ10~20年ぐらいでしょうか、習得すべきビジネススキルとしてプレゼンテーション能力の人気が高まっていますが、プレゼンテーションというのは「行動提案」の段階です。プレゼンテーションの研修などに行くと必ず言われるのが、

誰に何を言いたいのかを明確にして
情報量を減らし
とにかくシンプルなメッセージで訴えろ

ということ。これはこれで正しいのですが、ただしこの3行はあくまでも「行動提案」の段階だから成り立つガイドラインであって、「状況把握」の段階で同じ事をやっても的外れです。

そして、「状況把握」段階がうまく行っていないのに、それ以後の「方針立案」や「行動提案」がうまく行くはずがありません。

そこで、「状況把握」「方針立案」「行動提案」のどこでしくじっているのかを見極めて適切な手を打たないと、最後の「成果」はなかなか出てこないのです。

したがって、「文書作成」と言っても、特に「状況把握」と「行動提案」のどちらに使うものかに応じて、違う配慮が必要になります。

・・・・(続く)