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登場する「関係者」を明記すべき法則
»2012年3月21日
開米のリアリスト思考室
登場する「関係者」を明記すべき法則
社会人の文書化能力の向上をテーマとして企業研修を行っています。複雑な情報からカギとなる構造を見抜いてわかりやすく表現するプロフェッショナル。
当ブログ「開米のリアリスト思考室」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/kaimai_mizuhiro/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
こんにちは、文書化支援コンサルタントの開米瑞浩です。
「難しいことをわかりやすく書きたい人のための文書化支援」と、それに関連した企業研修を本業にしている関係で、たとえば↓こういう文章をどうわかりやすく改良するか、という工夫に日夜頭を悩ませています。
扱う題材は同じですが、今日は別な観点から検討してみましょう。
上記の課題テキスト原文には、「どんな関係者が登場するか明記していない」という欠点があります。
その欠点を直した部分だけ掲載すると、こうなります(昨日の改善案から「機能」部分のみ抽出)。
関係者が複数いて、それぞれにある作業を行い、その2つの作業が連携している、というイメージです。これは実際、基本的なところで正しいイメージです。(若干不十分なところもありますが)
「側」という言葉はそもそも「日本海側、太平洋側」のように「あるものを挟んで両方にある」という場合に使われます。「両方」が三方や四方に拡張される場合も含めて、本質的に「複数」のイメージを持つわけです。それを「サイト側」「読者側」のように対照的な表現とともに使うと、読んだときに上図のような「正しいイメージ」を呼び起こしやすくなります。
ちなみにこれが
「情報を掲載するサイトは更新情報を共通のフォーマットで公開するようにして、
情報を読みたい読者はその共通フォーマットの情報を効率的に集めて」
のように「側」という言葉を使わずに書いても、それでも「複数の関係者を明記して対照的に書いてある」ので、上記イメージには容易にたどり着けます。「側」を使うとそれがさらに簡単になるということです。
一方、課題テキスト原文では、「側」のように「複数の関係者がいる」ことを示唆する言葉もなく、どのような関係者がいるかも明記していません。「各ページの更新情報を公開する」のは誰か、「更新情報を自動取得、閲覧する」のは誰か、明記していないわけです。
明記していなくても常識で考えて分かるだろう・・・と思いたいですが、それは書かれていることをよく理解している人間の思い込みです。知識経験が浅い人間にはそのような推定を「自信をもって行う」ことはできません。そこで、
登場する「関係者」は明記すべき
なのです。これをハッキリ書かずに「わかるだろう」と読者が推定できることを期待している文章をよく見かけます。一度、自分が書いたものもチェックしてみてください。
↓この内容はPDFファイルにもまとめてあります。こちらはおまけの余談つき(^_^)/
→開米の文書化研究ノート No.4 登場する「関係者」を明記すべき法則
「開米の文書化研究ノート」 のバックナンバーは下記ページで配布しています。
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「難しいことをわかりやすく書きたい人のための文書化支援」と、それに関連した企業研修を本業にしている関係で、たとえば↓こういう文章をどうわかりやすく改良するか、という工夫に日夜頭を悩ませています。
RSSとは、Webページのタイトル、見出し、要素(本文)、更新日時などの属性(summary)をXMLフォーマッ トで記述して、各ページの更新情報を公開するためのしくみです。XMLフォーマットで記述されたRSSフィードを、RSSリーダーと言われるソフトに読み 込ませることによって、更新情報が自動取得、閲覧できます。これにより、ニュースサイト、ブログなど、自分の関心事に沿った情報を、効率的かつ習慣的に取 得することができます。あれ? 昨日の記事と同じじゃないか、と思われた方、その通り!
扱う題材は同じですが、今日は別な観点から検討してみましょう。
上記の課題テキスト原文には、「どんな関係者が登場するか明記していない」という欠点があります。
その欠点を直した部分だけ掲載すると、こうなります(昨日の改善案から「機能」部分のみ抽出)。
(機能)このために、情報を掲載するサイト側は更新情報を共通のフォーマットで公開するようにして、情報を読みたい読者側はその共通フォーマットの情報を効率的に集めてくるようなツールを使います。↑これを読むと脳内にこんな↓イメージが湧くことでしょう。
関係者が複数いて、それぞれにある作業を行い、その2つの作業が連携している、というイメージです。これは実際、基本的なところで正しいイメージです。(若干不十分なところもありますが)
「側」という言葉はそもそも「日本海側、太平洋側」のように「あるものを挟んで両方にある」という場合に使われます。「両方」が三方や四方に拡張される場合も含めて、本質的に「複数」のイメージを持つわけです。それを「サイト側」「読者側」のように対照的な表現とともに使うと、読んだときに上図のような「正しいイメージ」を呼び起こしやすくなります。
ちなみにこれが
「情報を掲載するサイトは更新情報を共通のフォーマットで公開するようにして、
情報を読みたい読者はその共通フォーマットの情報を効率的に集めて」
のように「側」という言葉を使わずに書いても、それでも「複数の関係者を明記して対照的に書いてある」ので、上記イメージには容易にたどり着けます。「側」を使うとそれがさらに簡単になるということです。
一方、課題テキスト原文では、「側」のように「複数の関係者がいる」ことを示唆する言葉もなく、どのような関係者がいるかも明記していません。「各ページの更新情報を公開する」のは誰か、「更新情報を自動取得、閲覧する」のは誰か、明記していないわけです。
明記していなくても常識で考えて分かるだろう・・・と思いたいですが、それは書かれていることをよく理解している人間の思い込みです。知識経験が浅い人間にはそのような推定を「自信をもって行う」ことはできません。そこで、
登場する「関係者」は明記すべき
なのです。これをハッキリ書かずに「わかるだろう」と読者が推定できることを期待している文章をよく見かけます。一度、自分が書いたものもチェックしてみてください。
↓この内容はPDFファイルにもまとめてあります。こちらはおまけの余談つき(^_^)/
→開米の文書化研究ノート No.4 登場する「関係者」を明記すべき法則
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