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文章が上手くなりたければ、文章を書くな! という話

»2012年11月21日
開米のリアリスト思考室

文章が上手くなりたければ、文章を書くな! という話

開米 瑞浩

社会人の文書化能力の向上をテーマとして企業研修を行っています。複雑な情報からカギとなる構造を見抜いてわかりやすく表現するプロフェッショナル。

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11月15日 町田 芹が谷公園こんにちは。文書化能力向上コンサルタントの開米瑞浩です。

先日来お伝えしておりますが、現在発売中の Software Design 誌12月号にて、第一特集、「なぜエンジニアは文章が下手なのか」の、コラムを除く本文30ページを私が書いています。

なにしろ30ページという大ボリューム、徹底的に本質にこだわってもう「永久保存版」ぐらいのつもりで書いた特集ですので、このブログでもしつこく(笑)紹介することにします!


というわけで今日はその特集で書いた「文章が上手くなりたければ、文章を書くな!」という話です。

Part2 それは「文章」で書くべき情報なのか?

↓こちらがそのPart2の冒頭部分ですが・・・


それにしても、「変な話だなあ・・・」と、思いませんか?

だって、「文章力」に関する特集なんですよ。その中で、私は「文章が上手くなりたければ、文章を書くな!」という話をしているわけです。 なにそれ、どういうこと? と思っても当然ですよね。

そこでその要点をここで書いておきますと、「文章を書くな!」と私が主張する理由は大きく2つあります。

1つは、「複雑な構造を持つ情報は、そもそも文章で書くことに向いていない」ので、そういうものは文章以外の手段で表現すべきだということ。要は図解しろということです。



「文章」というのは、基本的に前から後ろへ真っ直ぐつながるものですから、枝分かれのある情報を表現するのには向いていないのですよ。

だからそういう情報を伝えなければならないのであれば、図に書いたほうがいいんですね。
皆様ご存じの通り、「地図」というのはこの種の「枝分かれ」だらけの情報です。
ですから、「地図」を文章で書こう、なんて不毛なことは誰もやりません。地図なら可能な限り「図」で書こうとしますよね。

同じように、「文章で書くのには向かない情報を、無理に文章で書くのをやめる」だけで相当楽になります。それが、「文章を書くな!」という理由の1点目。


もう1つは、最終的に「文章」にする場合でも、いきなり文章を書き始めるのではなく、その前に論理構造を整理する必要があるということです。



何か説明書、報告書などを書かなければいけないときは、まず「必要な情報を集め」ます。その後いきなり「文章」を書き始めるのではなく、「論理構造を整理する」必要があります。「文章」を書くのなんざ、一番最後でいいんです。「そもそも文章として書くのには向いていない情報」も実は多いので、「文章を書く」のを後回しにすれば、書く量を減らせますよね。だから、後回しにしましょう。

論理構造を整理したら、「文章」だけでなく、図、グラフ、写真、イラストなどなど、多様な表現方法のどれが適切かを考え、組み合わせます。

そうして最後に「文章」を書けばいいということ。

それが、「文章を書くな!」という理由の2点目です。

「国語教育」が文章偏重なので、ついつい文章を書き始めたくなるかもしれませんが、実際には「文章」で書くのには向いていない種類の情報は本当に多いんです。適材適所を考えるべきなんですね。