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伊豆の旅 痛恨のミス、現地の対応に感謝!

伊豆の旅 痛恨のミス、現地の対応に感謝!

鈴木 啓一

フリーランスのライター、IT先端技術コンサルタント。モバイルやクラウドを駆使するスマートワーク研究をライフワークとしている。

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2泊3日の伊豆旅行で起きたハプニングで、現地の方々のこころある対応に感動したので、ご報告。

今週、伊豆は暖かい土地なので、紅葉には少し早めとは思ったが、もう随分前から計画していたので、夫婦で2泊3日で伊豆に出かけてきた。

しかし、その旅の途中で私はフリーパスを紛失してしまった。それでも、現地の方々のおかげで、大きな追加出費をすることなく無事旅を進めることができた。

一時はどうしたら良いかと、とても困っていたのだが、道の駅「天城越え」のスタッフと、各交通機関各社に、大変にお世話になった。本当に素晴らしい対応をしてくださった方々に感謝し、ここにご報告しておきたいと思う。

●半額キャンペーン中の伊豆ドリームパスを使い、わくわくしながらの出発

11月18日月曜日、東京の自宅を出発して、我々夫婦は清水港に向かった。伊豆半島を贅沢に全部回ってしまおう、そして、それにはちょうど半額キャンペーン中の「伊豆ドリームパス」を使おうということで、今回は清水港から駿河湾フェリーに乗って、海上から富士山を撮影しながら、西伊豆、土肥港から伊豆に入ることにした。

伊豆ドリームパスは、3種類のコースがあるが、そのうち、我々が選択したのは「山葵路ルート」。清水港からフェリーで土肥港、そしてバスで修善寺、天城峠、河津町、さらに伊豆急行で伊豆高原、そして伊東へ抜けるルートを考え、途中、河津町のお気に入りの宿に2泊しての3日間という計画だ。

「伊豆ドリームパス 山葵路ルート」の通常は、6500円。有効期限は3日間。これでも安いと思っていたのだが、なんと、現在、半額キャンペーン中で、このルートは3250円で利用できる。伊東-河津間の伊豆急行線の普通列車通常料金が片道1330円なので、ここを往復しただけでほとんど元が取れてしまうという、驚異の割引切符だということがおわかりいただけると思う。

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伊豆ドリームパス 山葵路ルート

ferry.JPG駿河湾フェリーと富士山(清水港フェリーターミナルにて)


●痛恨のミス パスを紛失してしまった!

天候にも恵まれ、一日目はフェリーと、修善寺付近の紅葉を楽しみ、河津の宿に泊まり、二日目は天城峠付近のハイキングを楽しんだ。

tokaibus.JPG東海バス 二階滝停留所
ここから天城トンネルなどのハイキングを楽しんだ。

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東海バス 河津駅発 修善寺駅行


しかし、そのハイキングの途中どこかで、私はその大事な「伊豆ドリームパス」のチケットを落としてしまったようだ。

何度自分の荷物を探してみても、チケットは出てこない。まだ旅行の日程は半分残っている。どうしよう。通常料金ではかなり高価な旅となってしまうし、もともとこのチケットで安くなるということもあり、妻とふたりで出かけた旅である。私のために旅が台無しになってしまう。

●「道の駅」スタッフの素晴らしい対応

困った我々は、昼食に立ち寄った道の駅「天城越え」(昭和の森会館)で相談してみた。

私はチケットを紛失してしまったが、もちろん一緒に購入した妻の分のチケットはある。2枚購入したため頂いたパンフレットが2セットあるなど、いくつか「証拠」もある。それと、途中でFacebookやブログか何かの役に立つだろうと、何気なくiPhoneで撮影しておいた、私のチケットの写真もあった。そこにはシリアル番号も写っている。

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伊豆ドリームパス

これらを証拠として見せたところ、道の駅のスタッフが頑張ってくれた。

道の駅のスタッフは、チケットを購入した駿河湾フェリー、そして、東海バス、伊豆急行の3社と連絡を取って、素晴らしい交渉をしてくれたのだ。そしてその交渉の末、見事、私の紛失チケットの代わりの仮チケットをFAXで送ってもらうことができたのだ。

仮チケットは手書きで「このFAXを駅員に見せてください」とあり、しかも、この先私が利用する予定の、東海バス、伊豆急行に連絡を取り、この仮チケットを持った人間が行くので、正式のチケットと同じように通行させてくれと、話をつけてくれていたのだ。

この間、約3時間。素晴らしい対応だった。

さらに、道の駅のスタッフが車を運転してくださり、私がチケットを紛失したと思われる場所にチケットが落ちていないか探しに行くこともできた。私たちが先ほど歩いた場所を、ふたりで懸命に探し回ったが、残念ながらチケットは見つからなかった。しかし、こうした姿勢を見せることも交渉を進める上で大事だ。一緒に探してくれたのは本当に感謝である。

そして、仮チケットを発行してもらうことができた。これは、本当に道の駅のスタッフのおかげだ。とても感謝している。

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道の駅「天城越え」(昭和の森会館)


●駿河湾フェリー、東海バス、伊豆急行の3社の素晴らしい対応

さらに、駿河湾フェリー、そして、東海バス、伊豆急行の3社も、とても良い対応をしてくれた。チケットをなくしたのは、完全に私のミスであるが、旅行客の立場にたって、できる限りのことをしてくださったと思う。

二日目の帰路は、さっそく東海バスのスタッフがバス運転士に連絡を入れてくれ、道の駅のバス停から河津駅まで無事に追加料金なしで利用することができた。河津駅まで帰れれば、宿までは徒歩ですぐである。

三日目になり、伊豆急行を利用した。伊豆急行は、全駅に連絡が行っており、私がどの駅で乗車・降車しても仮チケットで利用できるようになっていた。伊豆急行で東伊豆を楽しむ予定は変更せずに楽しむことができた。城ヶ崎海岸あたりを散策し、伊東へと向かい旅を終えた。

東海バスのスタッフからも同じように、三日目の分は運転手に通達済みなので、仮チケットを見せることにより正式チケットと同じ扱いでバスに乗車できるとの電話連絡もいただいていた。

伊豆急行からは、もうひとつだけ注意事項をもらっていた。

伊東駅はJRの職員が運営しており、伊豆急行から全職員に連絡を届けるのが難しいという。そのため、ひとつ手前の南伊東駅でいったん降りて、一駅分の切符(160円)を買って伊東まで行くことを提案いただいた。

私は素直にその提案に従うことにした。南伊東駅でいったん降りると、次の列車まで待つロスタイムが生じると覚悟していたが、実際には、南伊東駅では、すれ違いの特急列車の待ち時間のため、5分もの停車時間があり、改札を出て切符を買い直しても、時間的余裕をもって同じ電車に戻ることができ、ロスタイムは特に生じなかった。

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南伊東駅で買った切符

しかも、伊豆急行に乗る際、降りる際には、駅員から口々に、「はい、連絡を受けております。どうぞお進み下さい。」といわれ、なにか特別扱いを受けているみたいな気持ちにさえ、させてもらった。しかも、「伊東駅ではなく、南伊東駅を利用するように」という例の注意事項の確認のため、わざわざ駆け寄って声をかけてくださった駅員もいた。

私のミスから、しっかり救ってくれた皆さんには本当に感謝である。今後、こうしたチケットを使う際に、やはり紛失の危険性とおつきあいする必要はあるが、万一の時も誠実にしてさえすれば、誠実な対応をしてもらえるという、大変な安心感を与えてくれた。最近、意外とこうしたことが期待しにくくなっているのを感じていたので、なおさらである。

お気に入りの宿もそうだが、伊豆の皆さんの、あたたかい気持ちを受け取り、私もあたたかい気持ちになった。ますます伊豆が好きになった。また伊豆に来たいと思う。

sunrise.JPG伊豆の日の出(河津にて)

kaede.JPG紅葉(道の駅「天城越え」(昭和の森会館)にて