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最新データで、ソーシャルメディア市場を眺めてみた。 -消費者データから見るブランドポジション(12)-

»2013年9月24日
消費者理解コトハジメ

最新データで、ソーシャルメディア市場を眺めてみた。 -消費者データから見るブランドポジション(12)-

大久保 惠司

株式会社コプロシステム取締役 商品計画研究所所長。携帯電話キャリア、電機・食品・化粧品各メーカー、エンタメ系企業等のブランディング、商品開発に関するプロジェクトを多数手がける。Mac大好き。

当ブログ「消費者理解コトハジメ」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/keijix/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


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 今年の9月17日、このブログでもおなじみのサービス、「ぺるそね」の最新データ(2013年8月調査)を公開いたしました。「ぺるそね」は約30,000人に対して、150問にわたる消費行動に関するアンケートを行い、その回答をデータベース化してご提供しています。150問に対する回答を組み合わせて消費者セグメントを自由に設定することができ、様々な市場の切り口を探ることが可能です。本格的なサービス開始は2012年の1月で、調査自体は今回で3回目になります。

 せっかく最新のデータを収集したのですから、このブログでもいくつかのトピックスをお伝えしたいと思います。で、今回は「ソーシャルメディア市場」を見て行くことにしましょう。


【着実に利用者を増やしているソーシャルメディア市場】

 「シングルソース・消費者パネル『ぺるそね』」では、サービス開始から、ほぼ1年に1回のペースで調査を行っています。第一回目が2011年の9月、第二回目が2012年の6月、第三回目が2012年の8月です。まず、それぞれの調査時の、ソーシャルメディア利用率推移を見てみましょう。2011年には41%だった利用率は、2012年には44%、2013年には49%と、全体の約半数にまで増加しています。

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【全体的には伸びてはいるが、水面下では勢力分布に大きな変化】

 2011年〜2013年までの各サービスの利用率推移を見てみると、結構大きな変化が見られます。2011年にトップだったミクシィ(mixi)は2年で四番手に後退し、2年目にトップをとったフェイスブック(facebook)は3年目にも安定的な強さを見せています。ツィッター(Twitter)は2011年〜2013年の利用率に大きな変化はなく伸び悩みを見せていますが、2013年には彗星のごとく登場したライン(LINE)に肩を並べられています。ここ1〜2年、なにかと話題を提供してくれたグリー(GREE)とモバゲー(mobage)は年々利用率を落としています。

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 GREEとmobageの利用率の低下は、スマホシフトに乗り遅れたことが背景にあると言われています。それにしてもこの二社、全体の数パーセントの利用者から、あれだけの収益を上げていたことに驚かされます。ただ、イノベーター理論でいうところの「イノベーター」「アーリーアダプター」を合わせた16%の普及率を超える(いわゆるキャズム超え)まで、マネタイズよりも普及率の向上に軸足を置く戦略もあったのではないかと思われてなりません。

 ちなみに、LINEをソーシャルメディアのカテゴリーに入れていいのか、という疑問はあると思います。ただ、一般的な消費者の視点で見てみると、Twitterやmixiと比較対象されるケースも多いので同一カテゴリーで見てみることにしました。


【平均年齢×男女比の二軸にポジショニングしてみる】

 各サービスを平均年齢と男女比の二軸にポジショニングしてみると、最も年齢が高いのがGoogle+、次いでfacebook、Twitterの順に並んでいます。最も年齢が低いのはmobageで、次いでTumblr、GREE、LINEです。女性比率が高いのはLINEとmixiで、男性比率が最も高いのはGoogle+でした。

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 実はこのポジション、昨年選択肢に入っていなかったLINEとTumblrを除くと、昨年のポジションと大きく違いがありません。ただ、GREEとmobageは若干ですが女性の比率が下がっているようです。


【男女別で見たソーシャルメディアの利用率】

 男女別のソーシャルメディア利用率を見てみると、だいぶ勢力図が変わって見えてきます。男性ではfacebook、Twitter、Line、mixiの順にランキングされるのに対し、女性ではfacebook、僅差でLINE、続いてTwitter、mixiとなります。今の勢いから見て、LINEが女性のトップになるのは間違いないでしょう。このあたり、男性と女性のソーシャルメディアの利用方法の違いがその背景にありそうです。ソーシャルメディアに注目しているマーケッターにとっては気になるポイントになるのかも知れません。

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【シングルソース・消費者パネルの分析体験をしてみよう】

 さて、ここまで見てきたように、ひとつの消費者データを様々な角度から見ることによって、様々な気づきを得ることができます。そのためには、仮説を持ったらすぐに検証できることが重要です。このようなニーズに応えられるのが「ソングルソース・データパネル*」です。「ぺるそね」は「シングルソース・消費者パネル」というコンセプトでサービスをご提供しています。

 この場を借りて、少しPRをさせて下さい。今回、最新データの公開に伴い、「フリープラン」という、無料で利用できるサービスを新設いたしました。アクセスできるデータベースの制限はありますが、「シングルソース・消費者パネル『ぺるそね』」の分析機能をフルに利用いただけます。

 「ぺるそね」は企業経営戦略やブランド戦略、マーケティング活動に不可欠な「ターゲティング」業務のソリューションをご提供しています。具体的には顧客分析、消費者分析、競合ブランド分析、ターゲットセグメントの設定など、あなたのデスクトップで素早く、手軽に行うことを可能としました。セグメントされた人たちのライフスタイルを、ネット・サーフィンをするようにブラウジングできる「ライフスタイル・ブラウザー」なのです。

 マーケティングに関わる方、広告やプロモーションに関わる方、データアナリスト、マーケティングを学びたい方は、ぜひともご利用ください。

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 前述のように2003年8月調査分のデータを公開しました。この調査、けっこう大がかりで、私たち「コプロシステム」はもとより、共同運営している「ドゥ・ハウス」「ゲイン」の担当者の方々の不眠不休(?)の働きに支えられています。関係者の皆さん、本当にお疲れ様でした(^^)



*「シングルソース・データパネル」とは、同一のサンプルから多様な情報を採取したデータパネルのことで、多数の項目を組み合わせたクロス集計ができる。
*データは「ぺるそね」調べ。2013年8月 n=30,473
*「シングルソース・消費者パネル ぺるそね」は30,000人の150問にわたるアンケートをデータベース化し、あらゆる角度から分析できるサービスです。利用料金は3,500円〜と手軽にお使いいただけます。
*無料でぺるそねの分析機能を利用できる「フリープラン」のサービスを開始しました。