先日、日本の携帯各社が2011年度の契約数をまとめたものが発表になりました。MNP（電話番号持ち運び制度）でドコモは80万3600件の出超。KDDIは27万件の入超、ソフトバンクモバイルは53万件の入超となりました。これを見ると、KDDIとソフトバンクモバイルがドコモから大量に顧客を奪ったように見えます。

　特にKDDIは2011年度の上期は出超が続いていたのが、下期からは入超が大幅に増加しています。そう、その理由はiPhone4Sの販売を開始したからです。iPhoneは日本の携帯市場の動向を左右するまでにその存在感を増しています。ここまで普及するにはマニアや先行層だけではないユーザーにまで拡大したはず。と、いうわけで今回は専業主婦のiPhoneユーザー「iPhoneな奥さん」に焦点を当ててみたいと思います。

　クラウド型消費者分析ツール「ぺるそね」のパネル29,093人の内、iPhoneユーザーは5.8％で1,604人いらっしゃいます。さらに専業主婦の割合は12.3％。ちょっと少ないですがこの191人をアンケートデータから見ていきましょう。

　平均年齢は38.2歳。女性全体に比べ4.5歳若くなっています。中心の年代は25歳から34歳がボリュームゾーンで約4割を占めます。平均世帯年収は595万円で女性全体に比較し12万円ほど高くなっていますが、400万円〜500万円がボリュームゾーンとなります。子供人数や末子年齢から推定すると、未就学のお子さんがひとりいらっしゃっる専業主婦というのが典型的なライフステージです。

　ショッピングモールや雑貨・インテリアショップをよく買い物をする人達で、趣味は「ショッピング」「料理」「グルメ」。それとお子さんを撮るんでしょうか「写真」が女性全体と比較し高めに出ています。

　また、興味・関心事は「家事・料理」「コスメ」「雑貨・インテリア」「美容」「貯蓄」「子育て」が女性全体と比較し1.5〜2.6倍の選択率です。情報入手経路は「雑誌」「口コミ」「ケータイサイト」などが女性全体より高くなっています。専業主婦として家庭を大切にし、将来のためを考えて賢く生活するために情報を活用する姿が浮かんできます。

　iPhoneを選んだ要因、つまり携帯電話の購入決定要因を見てみると、女性全体と比較し「価格」で選んだ人が多くなっています。ソフトバンクモバイルがiPnoneの拡販のために様々なインセンティブを付けてきた効果がこのあたりに出てきているのかも知れません。また、最近のアップル製品を使っている人達の傾向からも「価格要因」が高めに出ているケースが多いことから、アップル＝高級品＝高価格という図式ではなくなっているのだと思います。

　購買・所有に関する価値観は「売れ筋ランキングを見て買い物をする」ことが多く、「買い物をするのは楽しい」と思っている人達です。また、「次から次へと欲しいものが出てきて困る」ことが多く、「多くの人が訪れる話題のスポットなどへ出かけるのが好き」のなようです。「家庭的」と「美しい」が自分が目指すセルフイメージで、他には「ワクワクさせる」「夢がある」「たくましい」というのも目立ちます。

　お子さんとともに楽しんでいるのかも知れませんが、飲料では「カルピス」「トロピカーナ」「ミニッツメイド」「ドール」などの乳酸飲料、果汁飲料を選んでいる確率が高くなっています。また、コーヒー飲料では「スターバックスディスカバリーズ」が最も高く、女性全体と比較しても1.7倍となっています。これはきっと自分で飲む分ですね。お酒はチューハイカクテルで「ウメッシュ」や「さらりとした梅酒」が女性全体と比較し1.6倍というのが目立ちます。iPhoneな奥さんは梅酒好きが多いようです。

　興味が高い美容に関してはどうでしょうか。スキンケア用品のランキングでは「オルビス」がトップで、女性全体と比較し1.5倍の選択率。ベストテンには「アクアフォース/オルビス」もランクインし、こちらも1.5倍で目立ちます。また、メイク用品のランキングでは「ケイト/カネボウ化粧品」「マキアージュ/資生堂」「メイベリンニューヨーク」がベスト3で、このうち「ケイト」と「メイベリンニューヨーク」は女性全体の1.4倍でした。割とメジャーでリーズナブルな価格帯のものを選んでいるようです。

　服はラルフローレン、ギャップ、シップスが好みです。バッグは吉田カバン、ポーター等が女性全体と比較し2.0倍〜2.3倍。子供のものを沢山入れられるような大きめのトートバッグなどを愛用しているのでしょうか。靴はダイアナがお気に入りで、こちらも女性全体と比較し1.9倍の所有率でした。ペルソナ・イラストを添付するのでご参照下さい。

　「iPhoneな奥さん」は、家事、子育て、美容、に興味が高く、専業主婦として、将来を考え、堅実で賢い消費をする人達。「家庭的」で「美しく」ありたいと考えている人が多く、メジャーですがリーズナブルなブランドを好む人達のようです。

　さて、専業主婦のiPhoneユーザーをアンケートデータから見て参りましたが、いかがでしたでしょうか？データは昨年の9月調査のものを使用しているので、KDDIのユーザーはまだ入っていません。多分その時期よりも現在の方が主婦のユーザーが増加しているかも知れませんね。

　次回はデジタル系のブランドから少し離れて「インテリアショップ」のお客様の比較をしてみたいと思いますので、どうぞ、お楽しみに。

　また、ここで取り上げて欲しいブランドユーザー、比較してみたいブランドユーザー等ありましたらリクエストをお寄せ下さい。→ Twitter ID @keijix55

*データは全て2011年9月「ぺるそね」調べ。n=29,093

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